プリズナートレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ

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感想 : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484171067

作品紹介・あらすじ

ジム通いはムダ、プロテインは不要! 脈々と受け継がれてきた真の「筋トレ大全」。
バーベルやマシンで一個一個の筋肉を増していくのと違って、体に無理がなく、本当の強さが身に付く方法だから、短時間で自宅でもどこでもできるのに、圧倒的強さが手に入る永遠のバイブル。
全米ベストセラーのトレーニング本、ついに日本上陸!

感想・レビュー・書評

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  • いにしえのキャリステニクス(自重トレーニングによって体を極限まで開発する技術)を極める事によって、鉄の手錠を壊したり、鎖のフェンスを破ったり、レンガでできた壁を叩き毀す類のパワーを得られるらしい(笑)。

    反対に現代のジムトレーニングは、目新しい子どもだましのマシンで洗脳し、人工的に膨らませた醜い筋肉をつけて喜んでいるだけで、実際のところ腱と関節は弱く、本当の強さは身につかないと全否定している。

    この本の悪いところは、自重トレーニングの良さを伝えるために他のトレーニングをディスってるところ。個人的には、それがたとえジムトレーニングであろうと運動をしていれば健康的で体には良い影響があると思うし、「自分は正しい、他のトレーニングは悲劇だ」という自己中心的な著者の考えは、あまり尊敬できるものでは無い。

    しかし、具体的なトレーニングメニューが書かれている点は、綺麗事を書き並べてある本より実用的で実際の行動に移しやすいと感じた。

    そのトレーニングは6種類の動作「ビッグ6」にそれぞれステップ1〜ステップ10までの難易度が用意されており、1つ1つ地道にマスターしてステップ10を目指すというもの。

    「ビッグ6」
    ①プッシュアップ(腕立て伏せ)
    ②スクワット
    ③プルアップ(懸垂)
    ④レッグレイズ(脚上げ)
    ⑤ブリッジ
    ⑥ハンドスタンド・プッシュアップ(逆立ち)

    それぞれに目安の回数、セット数が用意されているため、少しずつ始めてみようと思う。

  • 随分前に買った自重筋トレ本。手元に置き、ゆっくりではあるが、長いこと本書のトレーニングを続けている。子育てが始まってからは時間がとれず停滞しているが、落ち着いてきたら本格的に再開したいところ。

    本書の好きなところは、トレーニングの内容自体より、むしろそれを支える考え方だ。
    資本主義社会において、あらゆる産業は「資本の増殖」という至上命題に貢献するよう組み立てられ、その一環として、広告による消費者の洗脳が行われる。
    こうした状況はトレーニング業界においても同様であり、筋肉をつけて健康にあるいは美しくなるには、高価な筋トレ器具や、ジム通いや、プロテインや、その他諸々の「おもちゃ」が必要だというイメージが流布している。
    確かに、効果はあるのかもしれない。だが、そうした宣伝の主たる目的は、あくまでも「利潤を生むこと」だろう。

    こうした広告を受け入れてしまう側の心理も問題だ。
    「今すぐ欲しい」「楽して手に入れたい」という心理があるから、アブトロニックのようなおもちゃを買っては数日遊び、思ったような効果がないとすぐに判断して、永遠に箪笥の肥やしにしてしまったりする。
    だが、この「今すぐ欲しい」という心理は、おそらく人間にとって自然な感情であって、その人が特別悪いわけではない。「すぐに効果が出るよ」という売り文句は、つまり「人間としての弱点」を突かれているに過ぎない。筋トレだけでなく、「すぐに英語がペラペラに」なども同じ構造だろう(この方面は『英語達人塾』が詳しい)。

    こうした風潮に真正面から「否」を叩きつけ、闘おうとしているのが、著者の態度だ。だから本書は、トレーニングを通じた「安直さに流れる社会との闘争」のススメでもある。ストア派的でもあって、僕はそこに惚れ込んでいる。


    トレーニング内容についても一応書いておく。
    内容は、たぶんオーソドックスなものなんだろう。専門家ではないし、人体の構造に詳しいわけでもないからメニューの質については判断できないが、提示された通りにトレーニングを重ねていくことで、確かに筋力はついてきた。片足スクワットができた時は感動したなぁ。

    たまに「この動きをこの回数やるのは無理じゃね??」と思うメニューもあるが、そこはまあ、適当にカットしている。あとは、同じ壁にぶつかっている人が他にもいないかググってみて、コツを調べたり。

    ちなみに、著者は「監獄でこの技術を学んだ」と書いているが、それは本を売るための「設定」なんじゃないかと個人的には思っている。


    かなり長いレビューになって自分でびっくりしているが、世の「今すぐ手に入れよう」という風潮と闘いたい人は、ぜひ本書を手にとって欲しい。筋トレしようぜ。


    以下は抜粋。

    ・胸筋や腹筋を期待えるにはこのおもちゃが必要だとCMで説得している「エキスパート」は、それを売る側の人たちだ。(中略)お金に支配されたほかの世界と同じように、これが“欠かせない”というイメージにだまされてはいけない。(p.43)


    ・トレーニングを始めると、そのほとんどがすぐに、もっとも激しいところに我が身を投げ入れる。文化的な理由もある。わたしたちは「今すぐ欲しい」社会に生きている。(中略)明日、結果を見たいからこそ、ステロイドが使われる。ステロイドは、一時的かつ不健康ではあるが、結果を“いますぐ”運んでくる。(p.295)


    ・トレーニングだけが確かなものであり、楽しみだった。一日のうちのそれ以外の時間がどれほど狂気に満ちていようと、その狂った世界で、トレーニングだけが岩のように安定している場所になった。(中略)論理的であり、意味があった。筋が通っていた。常に前進し、常にコントロールしていた。わたしにとって、これほど特別で魅力的な時間はなかった。(p.322)


    追記:
    安直な方向に流れていくのは、人間の、というより自然現象の必然的な方向性だと感じていて、それがおそらく「エントロピー増大」的な話なのではないか、と思う。その中にあって、生命活動はエントロピーを一時的に減少させる働きをしているものだから、「流れに逆らって何かをすること」は「生きることそのもの」であって、筋トレもそうだし、仕事もそうなんだろう。だから、「生命としての本分」のようなものがあるとして、それを全うして生きるためには、抵抗感にぶつからなければならない、ということなのかも……。一方で、「逃げる生き方」も生物としてはアリなわけで、なんだろうな、まとまらないけど、ここに書いておけばいつか参照するだろうから、残しておきます。お目汚し失礼。
    しかし、理系方面の素養がなさすぎるな。エントロピー云々は恥ずかしいこと書いてるかもしれない。

  • 巷に溢れる短期間で見た目と自信を手に入れられると謳った筋トレ本とは真逆をいく、ひたすらストイックかつリアルな強さを求めています。
    筋トレをこれから始めようという人向けではなく、ある程度習慣化した人間が、焦らずゆっくり着実に筋肉を鍛えるメソッドがメインです。
    結果が短期間で出ないタイプなので、気長に一生筋トレをしたい人向けなので是非。

  • 「筋トレが最強のソリューションである」を読んでから筋トレに興味を持ち、具体的な筋トレ方法を知りたくてこれを読んでみた。

    普通の筋トレ本と違い、筋トレ器具を使った筋トレを一切推奨せず、キャリステニクスに基づく完全な自重筋トレを推奨している。どうも著者は筋トレ器具など全くない監獄で、自分の体重を使って肉体を鍛える方法を編み出したらしく、筋トレ器具やプロテインに対する見方はかなり厳しい。

    確かにプリズナートレーニングは筋トレ初心者〜超上級者まで明確なステップ別に様々な筋トレ法を紹介しており、それらをちゃんとこなしていけばどんどん体を鍛えられるように出来ていると思うのだが、筋トレ器具やプロテインをそこまで否定する必要はないと思う。また、そもそも実際に著者が存在するかもわからないし、なんとなく語り口がくどいのはあまり良くない気がする。従って、著者の主張を盲信して筋トレ器具やプロテインを捨てるのではなく、あくまで自重筋トレのやり方を知るための本として読むことをオススメする。

    個人的にここに載っている自重筋トレ法はどれも効果のあるものだと思うので、外出自粛中に少しずつやっていきたいと思う。

  • タイトルは本当か?と今も疑ってるし、そもそもこの著者は実在するのかさえ怪しいと思われるが、6つの運動種目をそれぞれ10段階にしてステップアップさせる野はよく考えられている。

  • 初読

    己の身を守る為に身体を鍛え上げなくてはならない、
    ダンベルやバーベルの無い監獄で文字通り身体1つで!

    もうこの設定だけでときめくwww
    ジムや加圧はお金を払って一生通い続けねばならないのか?
    という疑問はどうしてもあるし、いつかは自重だけで
    トレーニング出来たら良いなぁという憧れを突かれた。

    リハビリ程度から始められるステップ式なのも凄く良い。
    自重はマシンと違って腱や関節も無理なく同時に鍛える事が出来る、
    という事の真偽はわかりようもないけど、
    そういうものなのかー。それならいいな。
    マシンの長所の「そこだけにダイレクトに効かせられる」をひっくり返すとそうなるのか。

    ジムもマシンも併用して筋肉アップを狙いたいけど、
    一年かけてフルプッシュアップ出来るようになるぞー!

  • 最初は“幼稚園生でもできそうな内容”から始まり、かなり高度な課題に至る。
    “生き抜く”ための筋トレ

  • すまん、途中で挫折した

  • 器具を殆ど使わずに出来る筋トレ本。ただ、「手軽に痩せたい」程度のモチベーションだと本書は過剰スペックだろうと思う。何故なら、体操選手よろしく片手腕立て伏せ、逆立ち腕立て伏せなどまぁ、共すると曲芸師レベルが到達点なのだ。

    ただ、それ故にある意味究極を目指すトレーニーの一つの目標とスタンダードになるに相違ない。

  • ベンチプレスなどの身体を断片化するトレーニングに疑問が湧いていた時期なので、難しい姿勢を維持する為の筋肉の連動など、体全体を使っていくアプローチが、しっくりきた。理論に納得出来る一方で、うまくいかない時には、どの箇所がダメなのかを自己解析する必要があり、実践はなかな 、難しい。
    数年後に結果出てるといいなー。

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著者プロフィール

元囚人にして、すべての自重筋トレの源流にあるキャリステニクス研究の第一人者。1979年にサン・クエンティン州立刑務所に収監され、その後の23年間のうち19年間を、アンゴラ(別名ザ・ファーム)やマリオン(ザ・ヘルホール)など、アメリカで最もタフな監獄の中で暮らす。
監獄でサバイブするため、肉体を極限まで強靭にするキャリステニクスを研究・実践、“コンビクト・コンディショニング・システム”として体系化。監獄内でエントレナドール(スペイン語で“コーチ”を意味する)と呼ばれるまでになる。
自重筋トレの世界でバイブルとなった『プリズナートレーニング』シリーズは、日米でベストセラーになっているが、彼の素顔は謎に包まれている。

「2023年 『完全図解版 プリズナートレーニング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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