新装版 月のとびら

著者 :
  • CCCメディアハウス
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484182056

作品紹介・あらすじ

占いとの「つきあい方」に悩んでいるあなたへ。
本書では、石井ゆかりが月の世界を入り口に、「占いとのつきあい方」について語ります。
占いに飲み込まれず「月の世界=夢の世界」を通して、「占いとどうつきあえばいいのか」を内側から考えます。
好評を博した「月のとびら」(2013年刊)が新装版となって登場!
石井ゆかりファンのみならず、占い好き必見の1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 自分の努力とは関係ないところで意思決定をする占いってどうなの?と疑念を抱いてきました。
    昔から精度は高くないことは証明されているし、オカルトに未来を決められるのは癪です。

    とはいえ、「お探し物は図書室まで」で紹介された文章が素敵で、チラ見のつもりで手に取ったのですが...気づいたら完読してました。

    以下、自分がこの本を読んで「解釈」したことです
    ・占いは未来予知ではない
    ・「今日はツイてる」とか、なんとなく感じているもの、占いはこれを言語化する役割
    ・占いの結果は絶対的なものではなく、解釈するのはあくまで自分
    ・占いは自分の思いを言語化し行動するきっかけにすぎない

    占いというものを非科学的なものとして遠ざけるのではなく、自分の心を映し出すもの、プラスに働きかけるものとして信じてみてはいかがですかという提案書のように感じました。

    本当はなんの意味もないかもしれない、でも、占星術に則って占った結果が、行動する良いきっかけになるのだとしたら...占いにも意義があるのではないでしょうか。

    なんだか、神様を信じるか否かでよく語られる、パスカルの賭けに考え方が似ています。

    信じた方が人生はきっと楽しい。だったら信じるという「決め」をして、月に踊らされるのもいいのかもしれません。

    最後に本書の中で笑った一文
    「人の死は、もっと大切で神聖なものだと思います。無責任な占いなんかと一緒にしてはいけないと思います。」
    これが占い師の言うことなの!?と、大好きになりました笑

  • 「お探し物は図書室まで」で出てきたので気になって読んでみました。
    月に関することも知らなかった事をたくさん知れて良かったです。
    占いにハマってしまうことや、運のせいにしてしまうなど、自分と照らし合わせて読み進めることで、なるほどな、と思うことも多くありました。

  • 「お探し物は図書室まで」に登場した本書が気になって手に取りました。

    私自身の名前に月があることからも、どこか惹きつけられるものがありました。

    なにかを「信じた」とき、私たちは、もともと心の中に存在した空洞に信じる対象を吸い込み、さらに、空洞の形に合わせてその対象を変形させて、「信じた」対象と心を一体化させてしまうのではないでしょうか。


    占いも、占いをすることも、それ自体が運命の一部なのだなと思いました。

    深い感情と直感に基づく月の目も大切にしたいです。

  • 探し物は図書室まで から。
    昔から占いは石井ゆかりさんのものしか読まない。良い悪いを見るというより、その時の流れを教えてくれるという感じで、スッと入ってくるから。

    仕事でも象徴というものを使うので、象徴に対してつけられてる意味について改めて考えることができた。占いは、結果を受けて自分がどうそれを意味づけるか で お告げではなく、自分と向き合わせてくれるものなのだと思う。

  • 占いはやらないが、この方の話は肚落ちするものが多かった

  • 読んでて、機がが熟すという、タイミングがかみあった瞬間ってあるなぁ~と。のりとはずみとタイミングと言うけど、あれは機が熟した時に起きる現象かもしれないと思いました☆

  • 【月】

    月についてたくさんの切り口で語りながら、読み手に新しい視点を持つためのヒントを与えてくれる本。

    月は「善きもの」「清らかなもの」とする人がいる一方で、月は「悪しきもの」「怖いもの」とする考えがあるという。

    たとえば「満月を恋人と見てはいけない」「月を見上げてはいけない」という言い伝え。
    満月を恋人と見たから別れたのか、もともと別れの予感がある二人が満月を見たのか。
    月を見上げたから悪いことが起きたのか、他に原因があって悪いことが起きただけなのか。
    科学的にその因果関係を証明する証拠は一切ない。

    「願い事をするなら新月と思っていたのに忘れてしまった(自己嫌悪、後悔、焦り)」「断捨離をするなら満月と聞いたのにできなかった(だからやる気が失せた)」
    こんな風に囚われてしまう必要は無いのだ。

    結婚式や引越し、離職する日などが満月に重なった時。
    新しいプロジェクトが始まったり、電球が切れて新しいものに取り換える場面が新月に重なった時。
    自分の生活と月の満ち欠けが結びついていると「発見した」ときに、「月の時間を生きている」喜びが感じられるという著者の考え方に、強い共感を覚えた。

    やりたいことがあるのに新月まで我慢するとか、
    特にないのに新月だからと無理やり願い事をするとか、
    楽しいわけがない。

    【占い】

    『占いに心を吸い取られているとき、私たちは必ず、大切なことを見失っています。それを見失った状態では、心から望んでいるはずの幸福も、けっして、手に入ることはありません。私はそう思います。』

    たとえば、(著者自身もタロットカードを何度も並べたことがあると書いていたけれど)私自身も質問を思い浮かべながら、何度もオラクルカードを引いてしまうことがある。『賭け事にはまってしまう人とどこか似通ったものがあるようです』・・確かにそうかもしれない。

    「自分の望み通りの未来であって欲しい」そんな気持ちが強いときに、何度もカードに向かって質問を続けてしまうと気づいた。「自分がどうあるべきか」を考えることからの逃避・・・。そんなときの私は「自分の時間を生きていない」「自分自身で考え選択できていない」。

    大切なのは、自分や相手にとっていちばん大切なのは何かを考え行動すること。そしてその答えは、自分の外ではなく、内に見つかるということ。そんなことを、改めて教えていただいた。

    著者である石井ゆかりさんの肩書きが「占星術師」ではなく「ライター」であることに納得の一冊だった。

  • 「占いへの距離感をちょうどよく整えてくれるような本ですね。石井ゆかりさんの著作は、いつも占いと括ってしまうのはもったいないような、そんな気がします」

    上が、某所に書き留めた読みながらの感想です。

    以下、読み終えての感想。

    道標のようだと思いました。それも、北極星のようにきっぱりと厳然と北を示すのではなく、灯台のようにひとの手で夜に燈される、誰かのための明かりのような。
    天に示される何らかの徴しを、ひとの身に一度おろして、ひとを介して与えられる占いというものを象徴しているようなそんな感じでした。

    占いというカテゴリにとどまらず、運命の引き受けかただったり、死は周りの遺されたひとに属するものでなく、生を生きたまさにそのひとのものなのだという捉えかただったり、考えさせられます。
    五代ゆう「機械じかけの神々」のなかで「孤独はそのひと本人の所有で、ほかの誰にも引きとれないものだ」という場面があったと記憶していますが(うろ覚えですが…)、そんなことを思い出したりもしました。

  • 2013年出版のもの

    "占い"とは何か。
    "今日はついてないな"とか"晴れ女・晴れ男"など、ふとしたところに非日常を信じている発言があふれている。
    これには、はっとしました。無意識のうちに何かを信じているのだと。
    占いの及ぼす影響なのか、占いが当たっているのか、という神話?をもとにした話も面白かったです。
    月の影響に関するところも興味深かった。
    占いとの付き合い方、距離感を考えさせられた。

  • 特典付き! 石井ゆかりのエッセイ集がリニューアル。|ニュース|Culture|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン)
    https://madamefigaro.jp/culture/news/180219-tsukino.html

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    占いとの「つきあい方」に悩んでいるあなたへ。石井ゆかりが月の世界を入り口に、「占いとのつきあい方」について語ります。 占いに飲み込まれず「月の世界=夢の世界」を通して、「占いとどうつきあえばいいのか」を内側から考えます。好評を博した「月のとびら(2013年刊)」が新装版となって登場。石井ゆかりファンのみならず、占い好き必見の1冊。
    http://books.cccmh.co.jp/list/detail/2193/

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著者プロフィール

職業、結婚、進学……
人生の岐路で、あなたはなぜ「そっち」を選んだのですか?

喫茶店店主、写真家、女子高生など、さまざまな職業の人に、何の予備情報もないまま出し抜けにインタビューをしていくことになった著者。
初対面の人たちに聞いた話を元に、私小説のように綴られるそれぞれの「選んだ理由」と、そこから見えてくるものとは?


どういう仕事に就くか、誰と一緒に生きるか、どこに生きるか、どう生きるか。誰もが、人生で幾度も選択を重ねていく。このインタビューシリーズを通して、「どれを選んだか」もさることながら、「なぜそれを選んだか」「どういう経緯でそれを選ぶことになったのか」が、人によってまったく違うことに気づかされたのだ。さらにいえば、「なぜ選んだか」という基準が、その先で「どうなっていったか」ということと、大きく韻を踏んでいる、とも思えた。――はじめにより


ミシマ社のウェブ雑誌「みんなのミシマガジン」連載時から話題沸騰の「石井ゆかりの闇鍋インタビュー」が、ついに書籍化!
厳選された7本に大幅に加筆を加えた、珠玉のエッセイが誕生。

「2016年 『選んだ理由。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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