- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784484183022
作品紹介・あらすじ
アリババ生鮮スーパー「フーマー・フレッシュ」が、なぜ30分以内の配達にこだわったのか?
巨大ECサイト天猫(Tモール)が仕掛ける零細個人商店の復活の謎とは?
1平米あたりの利益を同業他店の20倍にしたシャオミ「ミーストア」とは?
<オンライン×オフライン>を活用し、「情報」「金」「物」の革命で効率化の限界を突き破った事例を多数紹介する。
小売店経営者、ECサイト運営者、これからの小売ビジネスの方向性を模索する人へ必読の一冊。
感想・レビュー・書評
-
中国で起こっている小売革命を紐解いた本。
具体的に色々な事例(OMO)が書かれていて面白かった。
- 無販売店舗(買うのはネットのみ)
- フーマフレッシュ: 3km以内に30分以内でお届け
- コストコ: 会員制にすることで、顧客の絞込+ 囲込 + 顧客目線のサービス提供
- オータメードによる無在庫化 (リバース)
- 1億元賭博: 2022までに小売の50%がeコマースになるか? (今15%)
- 小売の本質とは、物と人をつなぐ「場所」
(情報流、物流、金流)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
リテール側の時代の変化が分かり、次世代型の思想・行動シフトの必要性を感じる。
■まとめ。
(1)小売の本質とは、「人」と「物」を繋ぐ「場所」である。
(2)「場所」とは、情報流、金流、物流の多種多様な組み合わせである。
(3)「人」は、「トラフィック(人流量)×コンバージョン率(成約率)×客単価×リピート率」の幾層ものフィルターを潜り抜けて、「物」と接触する。
(4)「物」は、D-M-S-B-b-Cの長いプロセスを経て、「人」へとたどり着く。
※
D=Designデザイン:商品をデザイン、設計するプロセス。
M=Manufactureメーカー:工場とも呼ばれる。
S=Supply Chainサプライチェーン:一般的には総代理、エリア代理、卸業者、小売店といったメカニズムを指す。
B=Busuness商業施設:ショッピングセンター、スーパーマーケット、チェーンストアなどを指す。
b=business商店:夫婦経営店、露店、ウェイシャンなどの個人販売を指す。
C=Consumer消費者:エンドの顧客。
■どのようにしたら小売の効率を上げられるか?
(1)「データエンパワーメント」により、情報流、金流、物流の組み合わせを最適化する。
(2)「売場効率革命」により、人流量、成約率、客単価、リピート率の効率を上げる。
(3)「短絡経済」により、D-M-S-B-b-Cの経路を短縮する。
■テナントが払う家賃の本質は集客コスト
・ショッピングセンターがテナントから家賃収入を得るのは、テナントのために集客するからで、人流量こそが核心的な価値を持つ。
・家賃の本質とは、ショッピングセンターが人流量を価格に換算してテナントに販売すること。
・テナント側からすると、家賃の本質とは人流量コスト(集客コスト)なのだ。 -
2年前くらいの本ですが、やはり中国は進んでいるな、と。
-
・小売の本質は人とモノをつなぐ「場所」、そしてその「場所」の本質は「情報流」「金流」「物流」の組み合わせ。小売店舗が賃料を払う本質は、人の流量(トラフィック)獲得にお金を払っている。ニューリテールで、それぞれの「流」にイノベーションが起きている。
・オフラインで情報を得て、オンラインで購入という流れが加速すると小売業は淘汰される。(情報流の変化)。それを防ぐインセンティブがメーカー側にはある。なぜなら売れなくなるから。彼らがブランド体験型店舗を展開する可能性は高い。もしくは将来は販売代理店がブランド企業をサポートする体験型店舗の形をとる
https://www.bizjournals.com/portland/news/2017/10/25/in-massive-retail-shakeup-nike-downsizing-from-30.html
・D2Cでマットレスを売っている(mattress) Casperは返品無料、ECのみでスタートしたが、後に実店舗を持つことで集客コストが下がった。
・オンラインは信用がオフラインよりもまだ低いため、少額決済に向いている。支払いと商品受け取りが同時に発生しない。オフラインは即時性、コンビニが一番即時性は強い、物流= 即時。
・インターネット企業は従業員一人当たり売上が「効率」、小売店舗は売り場効率(単位面積当たりの売上)が効率。アップルストアが世界で一番売り場効率が高い。シャオミストアも、Apple storeほどではないが、売り場効率を上げることに成功。既にオンライン直販モデルでやっていたため、価格は限界まで下げていたはずだが、オフラインでもオンラインと同じ価格で商品を提供することに成功した.
・生鮮ECで最も進んでいるのはフーマーフレッシュ(物流の変化)。フーマーフレッシュがやったこと、トップダウンで「3km圏30分以内配送」「オンラインがオフラインの売上を超えること」を掲げ、「フーマーアプリのみでの決済」「ITインフラ整備」などの施策により実現。
・メイソウ:メーカーからの大量仕入れにより半額で仕入れ、そこに間接費分、8%, 店舗分コスト30+%を上乗せし、結果もとの原価レベルでの販売が可能。通常は原価vs 販売価格は1: 3~20
・S2b = プラットフォーマー(S)がパパママショップをつなぎ、お互いエンパワメントするモデル。OTAもこれに注目、まだまだ旅行の決済の多くはオフライン。他は携帯電話修理など。
・C2Mはオーダーメイドではなく、リバース。在庫リスク減らす。ニーズの解像度を上げる
・アリババ:購入成立するまで店舗に入金しないモデルは、消費者過保護であるが、それを貫くことにした -
#読書記録 #読了メモ #新小売革命 中国市場における小売の革命は目を見張るものがある。そもそも小売とは何か?シンプルな質問を答えるならば人と物を結びつける場所ということになろう。人においては来客数×買上率×客単価×リピート率の組合せの最適化であり、モノにおいてはメーカーからお客様の手元に商品が届くまでの超高速×効率化である。場所には何が求められるのか…これらの全体像の中での#ニューリテール 革命は着実にすぐそこにあり、この流れに乗り遅れることは致命傷になることを脅威と共に実感した。店舗名や人物名など中国語表記はやや戸惑うが読むべき一冊だと思います。#ツゲ読書 #柘レビュー ★★★★★ #読書好きな人と繋がりたい #ビジネス書好きな人と繋がりたい
-
小売に関する中国企業の取り組み、および小売にまつわるシステムをどう設計するか、よく分析されている本
特に商材→小売→消費者というモノとお金と情報の流れ方を
一つのスキームをベースに話を展開しているのがわかりやすい
かつ消費者の流動数とコンバージョンレート、リピート率に要素分解して
ECでも実店舗でも、どのパラメータを変更するかを決め、そのための施策をどう打つかを決めるのが必要なのは自明で
細かくよく解説されている -
OMO.O2Oを理解するなら読んでおきたい本!
-
・大事なのは情報流、金流、物流に対してシステムズシンキングでデザインすることであってテクノロジーシンキングではない。
・大陸的な戦略と島国的な戦略は違うので、そのまま模倣すると痛い目に合う。大陸を取り巻くシステム群と島国を取り巻くシステム群は違う。
・特に日本では人手不足が課題となるので、顧客層を再設定する必要があるし、物流の配送の話は真に受けてはダメ。本書では配送の速さが取り上げられているが、日本では逆に配送の時間の長さに対して如何にCSRのような社会的意味を持たせることが出来るか、または鉄道網が整備された日本では配送を如何にスキップするかが鍵。 -
情報を効率良く提供するオンラインと体験を提供するオフラインの融合を上手く行っているシャオミがすごいと思った。また、オフラインが全てなくなるのではなく、商品の売り場から展示場へシフトしていくんだなぁと感じた。