TSMC 世界を動かすヒミツ

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  • CCCメディアハウス (2024年3月22日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (528ページ) / ISBN・EAN: 9784484221113

作品紹介・あらすじ

台湾本国で異例のベストセラー!
【2024年最大のホットトピック】
時価総額アジアトップ、
世界最強半導体ファウンドリーのリアル!

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スマホも地球の平和も動かす
1社のすべて

30年の取材で見えた、
超ヒミツ主義ファウンドリーのヒミツ
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2024年の熊本工場(JASM)始動と第2工場の建設決定で、注目が高まるTSMC。創業時からTSMCの取材を続け、創業者モリス・チャンのインタビュー実績もある台湾人ジャーナリストが、超秘密主義の企業のベールを剥がす。

◉なぜ台湾の半導体ビジネスは強い?
◉なぜTSMCの技術は世界一?
◉創業者モリス・チャンとはどんな人物?
◉TSMCのマネジメントは?
◉TSMCの世界戦略は?
◉なぜ日本も米国もTSMCの誘致に躍起?
◉日本に勝機はあるのか?

最も価値あるイノベーションとは「ビジネスモデル」である。
そして、TSMCは「ファウンドリー」というビジネスモデルをつくった

「人から受託業者と呼ばれようが、私はまったく気にならない。我々はただ代金をもらい、ホクホクしながら銀行に行くだけだ」
ーーモリス・チャン

◆目次◆
序章 きらめくチップアイランド
台湾の強さのヒミツ

第1章 TSMCのはじまりと戦略
社名のヒミツ/台湾半導体のはじまりのヒミツ/ファウンドリーという業態のヒミツ/中国が恐るるに足りないヒミツ/サムスン対TSMCのヒミツ/インテル対TSMCのヒミツ 他

第2章 TSMCの経営とマネジメント
台湾半導体業界、「レジリエンス」のヒミツ/価格戦略のヒミツ/特許侵害訴訟、勝訴のヒミツ/TSMC熊本工場のヒミツ

第3章 TSMCの文化とDNA
米国企業文化を持つ台湾企業のヒミツ/熱血社員が絶えないヒミツ/台湾半導体業界、報酬のヒミツ 他

第4章 TSMCの研究開発
自主開発への道のりのヒミツ/「夜鷹部隊」のヒミツ/先端プロセスで圧勝できたヒミツ/先端パッケージング技術への進出のヒミツ 他

第5章 半導体戦争、そして台湾と日本
モリス・チャンが見た半導体戦争のヒミツ/TSMC米国工場がもたらす効果のヒミツ/日本の半導体復興計画のヒミツ 他

感想・レビュー・書評

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  • 台湾の半導体産業躍進の秘密を明らかにして、
    今、台湾-日本-韓国-米国の「世界戦略モデル」が一新される

  • TSMC の取材を続けてきたジャーナリストが、日本人が読むことを想定して書いた、分厚い本。経験曲線が効く半導体製造でファウンドリーとして腹を括り、人材を集め、研究・開発や投資を続けることで成長してきたことがよく分かる。nVidia や Apple も、TSMC がいないと半導体を世に出せないのだ。
    世界においてその国や地域の重要性を考えるとき、例えば石油や天然ガス、希少鉱物などを持っていると強い。それに加え、TSMC のような世界に影響力がある産業を持つことも強さに繋がる。武器を買うよりも効果的な資金の使い方ではないかと感じた。

  • 今、最もホットな半導体業界で圧倒的な成功を収めている会社の勝因研究である。30年間この業界とこの会社を見てきた台湾の著名ジャーナリスト林宏文が満を持して書き上げたTSMC分析の傑作だ。
    アメリカと中国のデカップリング、’22 米CHIPS法施行、コロナによるサプライチェーンの綻びなど地政学的要因で、台湾のTSMCは半導体の受託製造工場をアメリカや日・欧に分散することを始めた。米アリゾナ州、日本の熊本、シンガポールやヨーロッパなどへ莫大な補助金付きの本格的な工場進出である。
    かつて日本の半導体産業は世界を席巻しアメリカとの貿易摩擦で衰退したが、日本は大企業の一部門として設計・製造・製品と垂直展開する事業構造であった。
    1980年代、台湾政府は大陸中国を視野に入れた世界目線で製造請負の受託製造業=「ファウンドリー」モデルを作り上げた、それは巨大な設備投資とスピードで圧倒的な競争力を発揮する。
    又、台湾出身でアメリカで学び競争を勝ち抜いた人材を呼び戻し、国策として半導体産業を育成した。
    1987年TSMCが台湾政府とモーリス・チャンの出資で設立された。彼はUMC(’85設立)のようなIBMからの技術導入策はとらず、自社工場での自前開発にこだわり、今では蘭ASMLの最先端製造装置(UMC 240億円)を使いこなせる唯一の企業でiPhoneの半導体を殆ど供給している。ファウンドリーモデルをサービス業として徹底し、先端技術へのこだわりがこの会社の勝因であった。
    今進めている工場の世界展開ができれば、iPhoneはもとよりAIやEVなど今後の半導体の爆発的需要を取り込むメーカー密着・多用途対応・グローバル展開の新しいステージに進化する。大陸中国の欠損を埋めて余りある。
    社員のハードワークは、かつての日本の技術者や労働者の働きを見ているようだ、いつの間にかお株を奪われた、日本人は働かなくなった。
    国の本気度や経営者のアメリカとの結びつきの強さ、地政学戦略の把握やマーケットの最新動向の感応度、人材を育成する体制など学ぶことは多くある。
    従来読んだ数多くの日本企業物に較べて、地政学を踏まえて会社の内情・業界や技術を長年の密着でよく知った上で深く分析している。

    大型機のIBM、PCのMS(Intel)のようにiPhoneの半導体はTSMCという立場を確立したが、今後のAIやEVでもNVIDEA など各メーカーに圧倒的なシェアの供給を続けることができるかがポイントである。
    韓国も台湾と地政学的に似たところがあり、サムスン、SKハイニクスのHBMなど後工程の技術開発動向も要注意だ。課題はいろいろあるが、当分はTSMCの優位は揺るがないことがよくわかる。

    翻って再起を期す日本は、熊本工場はSONYのCMOSイメージセンサーとトヨタのEV用途と顧客がはっきりしているのでそれなりの勝算が見える。
    一方、期待の千歳のRapidusの動向が気になる。IBMに100人超の技術者を送り込んで、2ナノを‘27年までに開発するとしているが最終顧客をどうするか。TSMCとは異なるオールラウンド顧客対応の多品種少量生産のファウンドリーというが、それを実現するには、TSMCが乗り越えてきた壁以上のものと日本人の真面目さ・器用さ・丁寧さ・粘り強さを如何に発揮できるかが勝負だ。小池社長をはじめ、かつての栄光を背負った技術者達が集まっているが、過去の成功体験を捨てられるか、どれだけ台湾TSMCの軌跡に学べるか。
    易しく要領よくまとめてある林宏文のこの論考はポイントをついている。半導体事業経営の教科書にもなりうる内容の傑作だと思う。
    この業界で三週回遅れの追撃は決して簡単ではない。
    しかし、今を置いたら永久に日本のチャンスはない。
    健闘を祈るだけである。

  • 他にも読む本があるのでしばし積読。

  • 友人の読書記録から興味をもったので。台湾人の筆者による半導体ファウンドリーのTSMCに関するビジネス書。歴史、業界、企業文化、経営方針などについて、当然、地政学についても、たっぷりと書かれている。台湾を守るものは軍事力だけではなく世界の要である半導体産業だ。繰り返し書かれていることに、TSMCのコアは技術集約型産業で比類なき競争力を獲得していること、そのエンジンが台湾人エンジニアのコストパフォーマンスにあることだ。台湾からみた世界情勢や日本・日本人についての記述も興味ぶかい。

    技術に投資し人を鍛え競争に勝ち事業を育て報酬を払う、というサイクルを長期的に繰り返す、基本的だと思うが日本でそのような腰を据えた経営を実行できている会社がどれぐらいあるか?アイデア+プレゼンで一発当てたいみたいなのが多すぎて中身がないように見えることが多い。

  • TSMC設立からの歴史やUMCとの関係など知らないことも多く、最近の状況も整理されていて、良い読書になった

  • TSMCの研究開発部門が3交替性で対応する夜鷹部隊、日本の半導体関連の助成金より多い研究開発費など、他社の追随を許さない理由がわかった。
    日本には割と好意的な記載が多いが、ラピダスの行く末に疑念を呈しているのは、TSMCがIBMの技術協力ではなく、自社開発を選択してブレークスルーした事も関係あるのかな。

  • 馴染みのないキーパーソンがいっぱいいた。

  • TSMCの成長の歴史が一挙に読める。ファウンドリービジネスを見極めた先見性、インセンティブの高い報酬体系や結果と責任を猛烈に求める社風、政治から始まり、政治にも翻弄される歴史など、が学べました。

  • その名を聞かない日がないほど重要な企業であるものの、実態は何も知らないので読んでみた。
    まず設立されてから40年にも満たない企業であること、にも関わらず時価総額の世界ランキング10-12位に位置し、純利益では4位、先端半導体の世界シェアは9割を握るという驚異的な成長を遂げたことに驚いた。

    半導体は高度な技術と非常に多くの工程を要する製品なため、設計と製造の分業が進み、tsmcは製造に特化したファウンドリーという形態をとる。製造と言っても設備投資や研究開発には莫大な資金投入が長期的に必要となる。1976年には台湾がアメリカラジオ会社からの技術供与を受けている。1980年に新竹サイエンスパークがオープンし、1987年に工研員から派生した2つ目の会社がtsmcだった。

    また、顧客の製品製造を受託して利益を上げるため、顧客の成功が即ち自社の成功となる。顧客はパスワードを取得してtsmc工場の進捗をいつでも確認でき、トラブルがあれば昼夜を問わず24時間体制で技術者が駆け付ける。研究開発でライバルに勝つために、エンジニアも3交代の24時間体制で仕事に没頭し、残業や長期出張なども厭わない。
    成功の裏にはこうした、今で言うブラックな部分も受け入れる国民性があるのだと思い知る。
    製造業をサービス業として行うことで、より高い価値を顧客に創造する、これは今の日本では賛否があるやり方かもしれない。

    1980年代の日本の半導体メーカーは、受託製造ではなく自社製品の製造がメインで、不景気などで生産ラインに空きが出た場合にしか受託製造を行っていなかった。そのため顧客との長期的な協力関係を担保できず、凋落の一因となった。

    またインテルも顧客製品との間に利益相反が起きることがあった。インテルはプロセス技術でtsmcの後塵を拝し、アップルがチップの自社設計を始めてtsmcに製造委託するようになると、「アップル+tsmc」という産業協力構造に敗れた。

    ウエハー生産には数百ものプロセスがあり、設計から生産まで最低1年はかかる。わずかな値上げを理由に長年付き合いのあるサプライヤーを変更することはあまりない。tsmcは良品率や優れた技術、サービスを提供するだけでなく、価格の引き下げによっても顧客に利益菅家している。

    強さの秘密は毎年の値下げを可能にする効率性だけではない。ナレッジマネジメントが優れている。

    現在、日本の熊本、米国アリゾナ州、ドイツに工場建設を進めているが、米国の製造価格が台湾より高いため、今後提示価格が台湾工場を大幅に上回る可能性がある。しかし、欧米や日本はナショナルセキュリティを確保するためにより高い対価を払わざるを得なくなる。半導体の販売価格を下げ続けることができなくなると、あらゆる電子製品と科学技術の実際価格が上がり、半導体が身近な存在であり続けることに、大きな不確定要素を形成する。

  • 密度が濃い本。会社が作られる前から、どういった思想から作られたか、どういった人が作ったのかを語ってくれている。

  • 半導体戦争と合わせて読むと良い。ビジネスモデルのイノベーション企業。

  • 序章 きらめくチップアイランド
    台湾の強さのヒミツ

    第1章 TSMCのはじまりと戦略
    社名のヒミツ/台湾半導体のはじまりのヒミツ/ファウンドリーという業態のヒミツ/中国が恐るるに足りないヒミツ/サムスン対TSMCのヒミツ/インテル対TSMCのヒミツ 他

    第2章 TSMCの経営とマネジメント
    台湾半導体業界、「レジリエンス」のヒミツ/価格戦略のヒミツ/特許侵害訴訟、勝訴のヒミツ/TSMC熊本工場のヒミツ

    第3章 TSMCの文化とDNA
    米国企業文化を持つ台湾企業のヒミツ/熱血社員が絶えないヒミツ/台湾半導体業界、報酬のヒミツ 他

    第4章 TSMCの研究開発
    自主開発への道のりのヒミツ/「夜鷹部隊」のヒミツ/先端プロセスで圧勝できたヒミツ/先端パッケージング技術への進出のヒミツ 他

    第5章 半導体戦争、そして台湾と日本
    モリス・チャンが見た半導体戦争のヒミツ/TSMC米国工場がもたらす効果のヒミツ/日本の半導体復興計画のヒミツ 他

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