経営革命 上

  • 阪急コミュニケーションズ
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484891033

感想・レビュー・書評

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  • 大前研一の言葉が引用されている。
    「現場を見るのは50%以上」日本はそうやって商品開発してきたのに
    (ソニーのウォークマンがスケボーしている人を見て作られた)
    いまはそういう部署がなくなっているので衰退してきている。と。
    ユーザーが何を求めているのか知らなければならない。

  • 開始:20070901、完了:20070901

    1989年のトム・ピーターズの三作目の書。
    プロダクトアウトからマーケットインへの
    脱工業化社会。サービス重視、デザイン重視、体験重視、顧客重視の姿勢
    が現れている。
    何事にも徹底して取り組むことを求めるその極端なものいいが気持ちいい。
    "ニッチ市場"を創出することを説いてはいるものの、その
    "ニッチ市場"の定義やそこにいたるプロセスは抽象的だ。
    まぁ、基本的にはそういった形で書かれており、「品質を改善しろ、
    徹底的に、見習うのは日本のトヨタだ」などである。
    その時代のトレンドを探るという意味ではよいかもしれないが、今(2007年)
    になって読んでみると、あまり新鮮さはない。
    以下メモ。
    第1部 上下逆転の世界と取り組む処方。
    日本人は古来から"小さなもの"に独特の情熱を抱いてきた。
    小さいものほどよいと考える伝統をもち・・・情報に対して
    敏感な日本人は、来るべき脱工業化社会の縮小主義時代を
    リードする申し分のない立場にいます。
    一寸法師。
    日本では"何か作る"ことを「細工する」という。
    これは、字義としては、"細かく縮小する工作"を意味している。
    あるいは、容姿のうるわしい女性を指して、昔は「細し女(くわし)」
    と読んだ。「くわし」とは"精密な要素の充実したまとまり"ということだ。
    それとは反対に、日本語では"大きいもの"を指して「不細工」という、
    "無価値なもの"を「つまらないもの」と表現する。
    「つまらない」とは"小さく詰められない"-だから"価値がない"という
    意味なのだ。
    わずか四畳半の茶室。縮小主義を愛する日本人の情熱に根ざしている。
    日本のエレクトロニクス技術の特徴は、製品の大きさを縮める
    ということです。
    櫛はそのひとつひとつの歯と歯の間が同じ幅にけずってある。
    その見事な細工が目を頼りのわざだということを思い起こすなら
    櫛の歯の見る寸分の狂いもない均一性はなおさら驚くべき。
    マツダの車は小さくて優美なこと。
    規模の経済が実はそれほど詳細に値するものではなかった。
    危機に立つ大企業は、お決まりの道をたどる。収益の伸びと資本利益率が
    低迷してくる。
    インテル社は、特定用途向け集積回路(ASIC)部門に将来の大きな期待を
    託しているのだ。この部門は、同社のほかの事業部門から完全に切り離して
    創業している。
    90年代以降に勝者となるべき企業像。
    ・組織が平たい・自立性の強い事業体で構成している・製品の差別化を
    志向し高付加価値の製品サービスを提供しニッチ市場を創出している・品質意識
    が高い・サービス意識が高い・顧客に対する敏感な対応力を備えている・
    技術革新がすばやい・付加価値を生む主要な手段として訓練の行き届いた
    柔軟な従業員を抱えその能力を十分に活用している。
    経営組織の階層を1/4に削減する必要がある。
    "するのが好ましいこと"が"しなければならぬこと"になる。
    要諦となる経営の5つの領域、?顧客に対応する執念を燃やすこと、?企業の
    あらゆる分野でイノベーションを継続すること、?パートナーシップ(組織につな
    がるすべての人々を企業の活動に参画させ、その全員と利益を分かち合うこと、
    ?変化を愛し人々を奮い立たせるビジョンを行きわたらせ、それを
    共有するリーダーシップを打ち立てること、?今日の環境にふさわしいまともなことを
    判断することを任務とする簡素な支援システムをもうける。
    本書は経営の「処方」としてまとめた。
    非漸進型の目標は、その企業をいったん"白紙にもどし"たうえで、あらゆる
    事柄を-会計システムから社内組織の構成、従業員教育、設備の配置と
    流通網の関係にいたるまで-再組織するまったく新しい方策を探すことを
    迫るものだが、それが今日、いたるところで必要不可欠な至上命令と
    なっている。
    "変化を愛せ"。
    第2部 総合的顧客対応を生み出す。
    すべての人間がひとりの例外もなく、絶えず顧客の声に耳を傾ける
    執念をもつということだ。
    "規模"と"量"を考えるのではなく、"スペシャリスト"に徹することを重視する。
    ニッチ市場の創出。
    "コモディティ"を差別化する。
    トイレット製品やバスタブなどのメーカー、アメリカンスタンダード社。
    成熟した事業が抱えるありとあらゆる難題に取り組んでいる。
    Fedex、「翌日配達」。
    日本の「改善」。
    手当たりしだいに目新しい技術をあさり早まった差別化にふみきってはならない。失敗する例。
    ATMが普及したのはその10年以上後。テレビ電話にいたってはいまなお人気を呼ぶ
    気配すらない。
    世間の人たちにちんぷんかんぷんなものは存在しないも同然なのだ。
    顧客は例外なく高い品質、とくに最高の品質に対しては、よろこんで多額の
    金を払う。
    ミリケン社では品質問題の討議だけに費やす。
    いい加減なサービスやお粗末な品質にかかわるちょっとした行為について、あなたが
    承知のうえで目をつぶるなら、それでもう、あなたは信頼性を損なったことになるし、
    もはやその件で教訓を垂れる資格はなくなる。
    データを記録するものは、自然にデータを分析するようになるし、分析を
    するうちに、解決策を考えるようになる。
    改善と呼ぶからには、取るに足らないつまらない改善などというものはひとつとしてない。
    絶え間のない刺激がある。全員が参画。
    品質が向上すればコストが下がる。
    オレゴン州ポートランドに本社をおくノードストローム。
    「だがね、それより凄い話があるよ」となる。
    あらゆる事業活動のひとつひとつの要素をすべて顧客のレンズを通して眺める。
    顧客の満足度を測定せよ!
    "素直に(ナイーブに)"顧客の声に耳を傾け続けること。
    測定に対する教訓、「客観的」対「主観的」、
    「97%満足している」、「平均して」。
    日本のコカコーラ社も最初の10年は日本で赤字だった。
    ケンタッキーは三菱商事と半額出資。
    成功を長続きさせていと願うなら、相手を知り、相手の声を聞く、
    ことと自分でやり方を見つけることが唯一の鍵。
    自分の企業のユニークさとはなにか、それを25語以内にようやくして
    述べることができるだろうか。
    永年勤続の社員、新卒の社員、下請け業者、流通業者、そして顧客、
    あなたの企業のユニークさについてどの程度の見方の一致があるか。
    無作為かつ定期的に検証せよ。
    "どちらつかず"とか"中途半端なものにしがみつく"という戦略が危険。
    完璧を期すよりも全員の総意が大切。
    市場があなたの企業のユニークさをどう認識しているかということ。
    "われわれの会社はこういう存在なのだ"と表現するとき、欠かせない
    要件とは、?おおむね的をえたものであること、?長持ちする言葉で
    あること、?簡潔であること、?覚えやすいこと、?信用できること、
    ?全員を元気づけるようなものであること。
    Fedexなら「翌日配達」。
    顧客の声に耳を傾けるとはどういうことか、?みずから足しげく
    通うこと、?素直に、しかも熱心に傾聴すること、?相手の
    声にすばやく反応し、行動を起こすこと。
    この三つを実行することだ。
    50%は市場第一線の現場で過ごすこと。
    ロイ・労案はその著書『直感力豊かな経営者』のなかで、
    あるデータサービス会社の経営者と交わした会話を引用し、
    「わたしは、調査の結果を見て驚いたことなど、いちどもありまsねにょ。
    調査というものは、なにかを発見する手段というよりも、確認するための
    ものですからね」ということばを紹介。
    アップルのジョン・スカリーは「およそマーケティングに関する決断
    で、数量的データに頼って成功した例はひとつもない」。
    「教育する」対「耳を傾ける」。
    ウォルマートVPI運動。経営トップのめいめいが見せの扱い商品のなかか
    ら一品目を選び、年間を通じてみずからそのスポンサーを引き受ける
    という試みだ。
    とにかく自分がスポンサーとなった商品の半場について全責任を負う。
    経営トップがきわめて直接的なやり方で商売の腕を磨き続ける。
    これまで工場を原価部門とみなして軽んじてきた。
    技術的な研究はたくさんあるけれど、現実の生産上のニーズには
    結びつかないものばかり。
    研究所というのはつまり工場のこと。
    特別のプロジェクトを与えてみよう。ときには旅行させる。
    よその製鉄所を見学させたりする。
    "肌で感じる"ということばは、事業家にとっては厄介な言い回しだ。
    あまりにもとらえどころがない。それでもやはりこの"肌で感じる"
    という言い方は、いろりろな意味で、この場の議論の核心を
    ついている。
    ディズニーの遊園地では清掃担当者たちがヒーロー。
    自分たちがヒーローだという実感をつくる。
    「利益のことなんて忘れてしまえ」。
    利益というのは忘れているとやってくるもの。
    利益のことばかり重いわずらっていると、かならずお客に迷惑をかけることになる。
    われわれはとにかく、?価格の引き下げによって市場シェアを獲得すること、
    ?マーケティング手段を通じて売上を増進すること、?なにかしら紙の上で
    "金のなる木"と成長株の花形せいhんを集め、最良の製品構成図を
    描けるようになるまで、事業の売り買いを繰り返すこと、
    そういうことを過度に重視してきた。
    わたしは一人ひとりに尋ねます。「今日は顧客のためにどんなことをしたかな」。
    第3部 すばやい技術革新を追及する。
    とるべきいちばんよい方法は「自社に成功をもたらした技能と製品をそっくり放棄する」
    こと。
    巨大企業の巨大プロジェクトはなんのし絵かもあげなかった、という事実があった。
    そこで威力を発揮したのは、本能的な直感力だった。
    ソニーはいつも堂々と市場調査を無視し、本能的な直感からシンプルで
    ユーザフレンドリーな設計を生み出してきた。
    大企業にとっての解決策。
    つつましく行動し、こじんまりと着手し、小規模の事業体ないしチームに分けよ。
    3Mにとってあるプロジェクトの規模が小さ過ぎるから考慮に値しないなどという
    ためしは絶対にないのだ。
    主流をなす事業から完全に独立していなければならないのだ。
    非公式の製品開発予算を見直してみること。
    要するに全員を"メンバーとして取り込む"ということなのである。
    チームメンバーは全員が一緒に暮らす必要がある。
    "できる"ことを処理するのと、"やらなければならぬ"ことに
    取り組むのとでは結果的にたいへんな違いができる。
    競争相手が誰なのかを見極める。
    NIH思考と戦う。
    模倣するということはけっして画期的なアイデアを考え出す妨げにはならない。
    成功をおさめるチャンピオンの特筆大書は、?エネルギー、?情熱、
    ?理想主義、?実用主義、?抜け目なさ、?激しい短期、?自分を
    後回しにするような障壁に対する現実無視にも近い嫌悪、?部下との愛憎関係。
    あなたは本田宗一郎を雇うつもりがあるだろうか。カルロ・ルビアを雇う気が
    あるだろうか。
    本田は、二階の窓から芸者を放り出したとか、銀行融資の場に酔っ払って
    仮想姿でやってきたとか、労働者の頭をスパナで殴ったとか。
    何人かの善良な人たちを疎外し、周囲のほとんど全員をいらだたせ、その
    あげくにやることが失敗に終わる消すがままにあるにしても、である。

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