- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784484981154
作品紹介・あらすじ
ハーンは来日を前に1877年からの10年間をルイジアナ州ニューオーリンズで過ごし、米・仏・西の文化が混じり合う独特の「クレオール」文化に強くひかれた。その彼が、持ち前の民俗学者的精神を発揮して集めた膨大なレシピをまとめたものが本書である。「経済的であると同時に単純」で余り物を上手に使う家庭料理の数々が、ユーモアあふれる達意の文章で紹介される。
感想・レビュー・書評
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小泉八雲が来日前にニューオリンズで書いた料理本。というか料理についての聞き書きを新聞に書いたものをまとめた本。
「神々の国の首都」では、松江の朝の音を活き活きと描写しているが、同じように、ニューオリンズに響くモノ売りの声をユーモラスに書く。
で、実際の料理は、雨水を使ったお酢の作り方とか亀の捌き方とかリスまたは若いうさぎのパイとかなかなかなかワイルド。「カラスの巣のシナモン風味」というのもあったが、これは普通のアップルパイ。
分量も、ザリガニ50匹とか牡蠣100粒とか羊の脚1本とかワイルド。フランス文化の影響が強い土地のため、パンベルデュ(フレンチトースト)やパイなどのレシピも豊富。
分量などは適当なんだけど、本当にニューオリンズの料理上手の主婦が教えてくれたそのまんまの活き活きとした感じが伝わる。
秀逸なのは、タルタルソースの作り方のコラム。
要約すると…、
「タルタルソースには2通りの作り方がある。ひとつめは、タタール人を捕まえて殺して皮を剥いで内臓をだしてじっくりと煮込む。もうひとつは、ゆで玉子の黄身とオリーブオイル他を混ぜる。急をようするときは後者のほうが望ましい。」
さすが八雲先生。
あと、「緑茶と紅茶を合わせて淹れると緑茶だけを飲むよりも健康によいとされる。」との記載も。やっぱり緑茶って害がある、と信じられていたのね。
絶版本でお高めだったけど満足。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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再版されたの、入手済み!(2022) -
ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)がアメリカの記者時代にニューオリンズの主婦達から採取したクレオール料理のレシピ集。食前酒から食後のデザートまですべて網羅。<br>「チポリータ風栗添えガチョウ」や「青トマトの甘いピクルス」と好奇心をそそる美味しそうなレシピタイトル。亀のさばき方やアブサン!の飲み方までと、舌の上で広がるクレオール文化の多彩な世界料理。意外に日本で手に入る材料が多いのが嬉しい。ただ、分量や料理手順が大まかなので料理センスで作るしかないところが辛い。分量表記が原文のママなのを含め、もう少し料理をつくりあげる構成の本だったらよかった。<br>とにかく小泉八雲が食いしんぼだったのはよく判りました。
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ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の料理本。書いてるのも本人、挿絵も本人。プーとかアリスみたいに「著作をイメージして作ったレシピ」じゃないのがミソなんじゃないかと。