- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784486037484
作品紹介・あらすじ
科学技術の発達と、それに逆襲するかのような大災害や原発事故。止まらない経済のグローバル化と環境破壊。この先いったい人類はどこへ行くのか。この地球上で生き残れるのか。未来への希望の光を見いだすために、関野吉晴が九人の「賢者」と語り合う-。
感想・レビュー・書評
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その道のスペシャリストとの対談集。
人類が生き残るためには「核兵器」を廃棄することだと昔、何かの本で読んだことがある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カースト社会こそがインド社会統合する唯一の方法だった
船戸与一 満州国演義シリーズ
古代文明は、ひとつの文明が滅びでも、ほかの文明があったので、滅びなかった
民主主義 最善ではないが、最悪でもない チャーチル -
「グレートジャーニー」で知られる冒険家で医師の関野吉晴氏が「人類滅亡」をテーマに9人の賢者と行った対談集。
科学者からは、人類は種としての寿命に来ている、との指摘がある。ホモサピエンスが生まれて20万年。人類に近いネアンデルタール人は30万年で死滅している。
滅亡の原因は戦争か、環境破壊だろうと言われているが、今の世界は人口増加、それによる食糧不足、資源の枯渇、原発など様々な問題を抱えている。
本書に登場する賢者は宗教学者の山折哲雄氏、宇宙物理学者の池内了氏、作家の船戸与一氏、池澤夏樹氏、島田雅彦氏らバラエティあふれる面々。
以下は「人も社会も『成熟』したら、創造的な『没落』を目指そう」という島田雅彦氏の発言より抜粋。
「エネルギー生産にしても日本はいくつかの電力会社の寡占状態で、全部一括管理です。もっとコミュニティごとの小さな発電プラントみたいなのが稼働すれば、安定的な電力供給になるはずですよね」
「園芸作物は生産性が高いので、食料自給率を高めるには、組織的な農業を充実させるより、小作人が増えるといいわけですよね。都心のオフィスに勤めていても週末はできるわけだから、小規模農業がニッチを埋めると、自給率は高まると思います」(P228)
世界の未開の地を見てきた関野氏は、識字率が上がれば、民衆が世の中を動かすようになると考えてきたが、2012年の総選挙の結果を見て、悲観したという。原発事故や震災のことを忘れ、成長経済一辺倒に戻っている、と。
経済成長を求める時代は終わったのではないか、とも指摘。今目指すはグローバリゼーションよりも、ローカリゼーションで食料もエネルギーも作っていく、その方向で科学技術を使っていくといい、と提言する。
テーマが壮大なため、決定的な答えはあるわけもないが、今後の日本、個々の生活スタイルを考える上でも、大きなヒントがある。政界、財界のトップにも読んでいただきたい一冊。 -
非常におもしろい本。
原発依存がいかに愚かなことかということも、はっきり書いてある。もちろん、それだけではなく、人類のたどってきた道、これからの行く末を、様々な分野の賢人たちがどう見ているのかを、対談しながらわれわれに語りかけてくれていて、本当におもしろい。
絶対にオススメです。政治家たちにも読んでほしいなあ。