西洋音楽の歴史

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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487792443

作品紹介・あらすじ

社会史の中の音楽の営みを新しい視点とスタイルで描いた初めての音楽史。祝祭、楽器、聴衆、女性、テクノロジーなど、新たなテーマも分析。

感想・レビュー・書評

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  •  15人の主に大学の先生によって書かれた西洋音楽史の本で、中世、ルネサンス、バロック、古典派、十九世紀、二十世紀の6つに分け、まずそれぞれの章ごとに概観と用語解説、さらに「各章は五節ないし六節からなり、その区分の仕方は多分に様式史的であるが、時代が下るについれてそれが細分化される傾向となっている。すなわち、テクスチュアの豊富化(中世)→声楽と器楽の二大ジャンル(ルネサンス、バロック)→より細かいジャンル(バロック、十八世紀)→ジャンル史のなかの作曲家別記述(十八世紀、十九世紀、二〇世紀)」(p.245)となっている。
     という上の記述を少し読んでも分かるかもしれないが、これは本当に専門的にお勉強するための本。実はある大学の西洋音楽史の授業の指定教科書になっていて、これを頑張って通読したのだけど、あまりに難しすぎて骨が折れた。例えば「モテット」の説明は「オルガヌムの定旋律成果の歌詞内容を註釈する歌詞を、クラウスラのドゥプルム声部に付けるという形で生まれた。これは、グレゴリオ聖歌のトロープスで見られた働きがオルガヌムにも適用されたものであるが、モテットという呼び名は(略)」(p.33)みたいな感じでずーっと続くので、もうはじめの数十ページで挫折しそうになりながらも、なんとか読む。これは本当に解説というか講義を聞きながら読まないとチンプンカンプンだった。フーガの用語解説だって、「対位法書法によって作曲された楽曲。模倣によるポリフォニー技法そのものを指すこともある。」(p.83)だから、もうこれは一通り音楽を勉強した向けとしか思えない。難しいことを難しく説明する、とはこのこと。でもあんまり言い過ぎると、その前に自分の無知なのがよろしくないわけなので、もう少し他の本で勉強する。最後の「マスメディア社会と音楽」から先はなんか現代文の評論文みたいな感じなのが面白かった。
     それにしても、日本音楽の教科書として指定されている本はとても読みやすくてそれなりに頭にも入るのに、西洋音楽史にはそういう本はないのか、と思う。(22/07/30)

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