原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識

  • 東京書籍
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487795420

作品紹介・あらすじ

原発のすべてについて、待ち望まれた初の標準的なテキスト。原発がなくなったらどうなる?地震は大丈夫?廃棄物の処理はどこにどうするのか?今、誰もが知りたい疑問を最新のデータで解説。

感想・レビュー・書評

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  • ▼福島大学附属図書館の貸出状況
    https://www.lib.fukushima-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/TB20527990

    (推薦者:人間発達文化学類 昼田 源四郎先生)

  •  
    ── 広瀬 隆&藤田 祐幸《原子力発電で本当に私たちが知りたい120の基礎知識
    20001118 東京書籍》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4487795427
     
    …… 図書館で借りて原発反対の本を読みました。
     説得力があるように感じました。
     さらに、上記書籍には触れられていませんが、放射能が他国(米国、
    韓国、中国)など近隣諸国に拡散した場合どうなるでしょうか。
     チェルノブイリの時は地続きだから多少は影響あったと何かの本で読
    んだことがあります。
     そこで、原発はこのように大丈夫。汚染されたごみの廃棄等も近じか
    画期的な解決が見込まれる。
     とか
     自民党はじめ各政党はこのように解決する予定だから平気です、など
    原発推進派の本なども読んでみたいと思います。
     現在手に入る書籍、各電力会社の反論などを読みたいと思います。
     推薦図書や、資料など紹介してください。
     
    http://q.hatena.ne.jp/1535993959#a1268732(No.1 20180904 03:15:58)
     
     つぎの音声ブログ(ほぼ毎日更新)をおすすめします。
     
    http://takedanet.com/archives/1071398033.html(20180528 10:30)
     合意の作法1:まずは上品に:経済学、原発、野党のクセ
    http://takedanet.com/archives/1071397818.html(20180528 10:20)
     
     武田 邦彦 資源工学 19430603 東京 /中部大学教授
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20180204
     脳内温暖化 ~ ブタは10分、ヒトは3行で、飽きる ~
     
    (20180904)
     

  • 東日本大震災前の著作。

    原子力発電の原理や効果、リスクや海外での原子力事情など網羅的で、タイトルの通り基礎知識はかなり知ることができる。

    自分は正直原理とかはよくわからないので読み飛ばしてしまったが、それでも余りある情報量だと感じた。

    例えば、原子力発電は、電力量を調節しにくい発電方法であるため、夜間のベースライン電力を賄うのに使われており、昼間などの変動する電力火力発電で、夏場などの一時的なピーク電力は揚力発電で賄うというのは、初めて知ったが、なるほどと思った。

    だから、原子力発電を増やしてもピーク電力には対応できないとのこと。

    また、原子力発電所を誘致した場合の支援金についても言及されていて、原子力発電所を誘致しても街の財政はよくならないと著者は主張している。

    原発が来る場合、まずは電源三法交付金という一時金が支給され、その後は固定資産税による収入が主となる。

    前者は箱モノ(建造物)にしか利用できず、用途が限られるため財政改善は困難で、後者の償却も16年で終了し、その後は特に原発によるメリットはないのだという。


    本書では脱原発の方向の話が多く、本書によればメタンハイドレートの発見により、化石燃料の枯渇はほぼ解消されたため、無理に原子力を使う必要はないというが(メタンハイドレートは1万年分の消費量が埋蔵しているらしい)、そういった話も個人的には初めて知ったので勉強になった。

    本書は、東日本大震災前の著作だからこそ、今では埋もれがちな過去の事故事例(東海村、スリーマイル)なども数多く取り上げられており、それも本書の魅力です。

    原子力系の本ではかなりオススメ。

  • いろいろと疑問に感じていたことの答えが、簡潔に明記されている。本の名前に違わない内容だった。驚くべきことに、この本が初回刊行されたのが、2000年と12年も前の話である。データー的には古いものの、その本質的な問題点は、今もなにも変わってはいないと言うことに気づく…。図書館利用。

  • 請求記号: 543.5||H
    資料ID: 10008626
    配架場所: 工大君に薦める

  • タイトルには「基礎知識」と銘打ってありますが、内容は完全に反原発です。それが悪いということではありませんが、誤解を招く恐れはないでしょうか。帯には「標準的なテキスト」ともあります。あまりにも皮肉を効かせた語り口は標準的なテキストとは思えません。
    私自身、反原発でありますしその内容に関しては同意することばかりではありますが、基礎知識を得るための標準的なテキストとは言えない気がします。

    ちなみに私が著書の中で最も記憶に残っているのは、海水で廃熱を逃がしているその量と温度です。温暖化防止ですら嘘なんですね。

  • 「エネこみ」主宰の渡辺パコさんのバイブル的一冊!

  • 10年程前(2000年)に反原発の立場で書かれた本。地震大国日本での原発の危険さ、汚さ、放射性廃棄物の処理が大問題な点、実は原発は非経済な点、それなのになぜ電力会社は原発にこだわるのかということ、自然エネルギーなんかじゃなくても原発よりよっぽど効率の良い発電方法がある点、将来的に日本は電力をどうすれば良いのか、などなど、単なる感情的な反原発ではなくて比較的客観的に説明されている(広瀬隆が執筆している部分は皮肉たっぷりな表現も多いが)。福島原発のメルトダウンでは、まさしく本書に書かれた警告が実現したことが分かります。あと、よく聞く”再処理”ってのは、放射性廃棄物を処理して無毒にするように感じますが、実は「放射性物質の濃縮(プルトニウムの取り出し)+高レベル放射性廃棄物の生産」ということのようです。そして六ヶ所村は死の灰の集積所にされつつある。
    ======
    4章「原発事故」は興味深い。チェルノブイリ事故やスリーマイルの事故の詳細が分かるだけではなく、日本でこれまで発生してきた事故が詳しく解説されている。一歩間違えれば大事故につながる事故が、日本でも結構頻繁に起きていたという事実(そして今回の福島原発)。基本的には全て人災。どんなに備えても人間のすること、10年に一度ぐらいは事故は起きます、そしてたまに大事故になります、ってのが過去の実績のようです。
    =======
    なんで原発にこだわるのかっていうと、アメリカに売り込まれて国策で始めた原発で食っている産業分野が大きく育ってしまっているから、それを切るわけにはいかない、っていうところが本音か。10年前ぐらいからの電力自由化で、現在の電力会社は水力と原子力ぐらしかやることがないらしい(民間が手を出しにくい)。「俺達には原発しかないんだ!」ってなる。原発無くなるのは困る。そういう状況で東電なんかは別の事業にいっぱい出資しているらしい。
    現在は、原発なんかより効率良く費用も安い発電設備もあるらしい。太陽発電とか風力じゃなくて。でもそっちは、小規模で民間なども手を出せるから、電力会社は乗り気じゃないようです。
    =======
    一番の問題は、原発から生み出される放射性廃棄物を将来にわたってどうすればよいか分からない状態であること。
    たとえ、原発の運転中の事故が起きずに安全に発電できたとしても(既にそれも無理だったが)、だ。つまり、これまで述べられた「原発は安全です」とは、「原発は(運転中に爆発したりしないようにコントロールできそうだから、とりあえず私たちの生きている間は)安全(だと信じたいん)です。」ということだったようである。とりあえず事故が起きないうち(それも既に破綻したが)は、我々(政治家や電力会社)に多大な利益をもたらしてくれるのだ(100年後は知らないけど)。雇用も生み出してくれる。原子力研究にもお金が回る。
    ========
    現在の必要電力量は、原子力発電の推進を前提として創りだされたもののようで、揚水発電所は夜間の”余った電力”を利用するための無意味に電力を消費する施設、というのは面白い。水を持ち上げて再び下ろして電気を作る過程で数十パーセントの電力を消費する。なぜ夜間に電力が余るのかと言えば、原発は簡単に止められないため。そして電気は貯めるのが難しく、必要以上に電力を出力すると不安定になるから。原発以外の発電設備は簡単に出力をコントロールできる。

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著者プロフィール

京都府生まれ。1986年、京都府立大学文学部卒業。
1991年、大阪市立大学大学院臨床心理学分野後期博士課程(単位取得退学)。2006年、ISAP (International School of Analytical Psychology), Zurich修了、ユング派分析家。
現在、帝塚山学院大学人間科学部心理学科教授、北大阪こころのスペース代表、臨床心理士、公認心理師。

共著書に『キーワードコレクション カウンセリング心理学』、『現代社会と臨床心理学』、『心理療法ハンドブック』、『心理臨床大事典』ほか。共訳書に『ユングの世界』。

「2021年 『セラピーと心の変化』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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