食の位置づけ~そのはじまり

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  • 東京書籍
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487801343

感想・レビュー・書評

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  •  ラジオで、忘れ難い「命のスープ」の話聞き、辰巳芳子氏さんの名知る。「味覚日常」に続く2冊目。食の深遠な世界と対峙する覚悟を的確な言葉で、身に沁むスープを味わうように差し出してくれる一冊。染織家の志村ふくみ氏の随筆も、仕事と人生の意味をしみじみ考えさせられるが、この職業人からも。

  • 料理の先生と思いきや
    それから発展した思想が枠を超えている
    人間の尊厳 福岡先生の分子生物学
    環境学 政治のしくみまでも

    この本が出版されたのは10年以上前なので
    あの大きな地震の前
    予言する様に最悪の状態になってしまった事にに驚く
    先生はどうお感じになったのだろう?

    現在はそれをきっかけに改善された事もあるかもしれない
    環境について考える人は増えてきている気がする

    数値化して計測してグルメを追求して作った食事は
    いのりたりない、って事かな

    作る時もそうだけど食べる事すらが面倒な時がある
    生きていくことの危機って改めて思う

    元気な時にまとめて食べられるといいのにって思う
    元気だから食べられるんだよな

    自然の物を手をかけて身体に取り入れることが良いとは
    何となく分かる いいに決まってる
    無理して料理するのもちょっと違う
    なかなか出来ない現代人

  • 飽食の時代、豊かな食生活が送れてる今だからこそ読むべき本!どんな食材を手に取って食べるかで自分の身体だけではなく、地球全体に影響していくということがよくわかった。それから環境に負荷をかけずによりよい品質で美味しいものを作ろうと熱心に取り組んでいる方々の姿勢をみて、大手メーカーしか知らなかった私は、日本のこれからを本気で考えているこのような方たちの商品を選びたいと心から思った。多田自然農場、大久保醸造店今度機会があったら足を運びたい!大豆を自家栽培するってのもやりたい。日本の伝統調味料や豆腐などの製品の原料を95%海外に頼るって、恐ろしいこと。日本が潰える前に自給率を上げるために自分にできることを日々考えながら生活していくことが使命だと思った。

  • 文字も大きく、余白も多めで読みやすい構成だったので、辰巳芳子さん入門にいいのではと思い手に取ってみた。
    福岡伸一さんとの対談の中からその学説が紹介されている章は、私にはちょっと難しいかったので後でじっくり読むとして(笑)辰巳芳子さんの深い考察が、経験やエピソードとともに、すんなりと入ってきた。
    個人的なことですが…妊娠を機に、つわりでまともな料理が数ヶ月間作れないと、出来合いの食事にうんざり、家庭の味に飢えてくる。やはり家庭料理は他に替わりがきかない生活に大事な、というか必須のものだとつくづく実感。生まれてくる子どもに、母として伝えていきたいことがあるかもしれないな〜と思い手にした一冊。
    ・・・メモ・・・
    「風土に即して食べる」「必ず豆に頼らなければいけない時代がくる」「食材を選ぶことから始まり、まな板を前に包丁を握った時、目の前の食材をどのように切るのが適切かを考えること。翌日翌々日の献立までをも考えその日の料理を作ること。思想と祈りをもって、ものの本質と向き合い、真の合理性を生きる日々の中に、神は宿るのだと思います」「牡蠣は汽水域にしか育たない(知らなかった!)」「多田克彦さん」

  • 食を考えることは命を考えることでもある。
    そして、それらは自然や宇宙とも繋がっているのである。

    著者の人となりが現れているような意志の強さを感じさせる文章で、食への思いが綴られている。その思いは並々ならぬもので読んでいるこちらまでしゃきっとするような感じだ。もっともっと食を真面目に考えないといけないんだなと実感した。
    「まめやかな心で取り組むと、旬の意味が見えるようになる」と著者は言う。旬や季節が感じられない昨今、一見便利なように思うが、果たしてそれでいいのだろうか。自然の理を無視し、大切なものを蔑ろにしている気がしてしまう。
    ものごとの本質と向き合い、いのちの手応えを感じられるような日々を送りたいと思った。

  • スープの本も買おう!!

  • 食について、考えさせられる一冊。生き物とか、地球とか、食とか、って、一個一個分断されてるのではなく、連続なんだなと思った。
    私の大好きな福岡伸一先生の章もとてもよかった。

  • 食。身近なものにも関わらず、おろそかにする事も多く、向き合う事も少ない。その食の位置づけを考えるための一冊。

  • 難しい言葉がたくさん,国語辞典を片手に読みすすめていくと,食について気になっていたことがたくさん書かれていた。

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著者プロフィール

料理研究家、エッセイスト。1924(大正13)年生まれ。料理研究家の草分けだった母・辰巳浜子のもとで家庭料理を学ぶ一方、西洋料理の研鑽も重ねる。父親の介護を通じてスープに開眼する。鎌倉の自宅や周辺の施設でスープ教室を主宰し、高齢者や病気の方へスープを提供できるよう指導している。「大豆100粒運動を支える会」会長を務める。 著書に『辰巳芳子の旬を味わう -いのちを養う家庭料理』、『辰巳芳子 慎みを食卓に -その一例』(ともにNHK出版)がある。

「2020年 『辰巳芳子 ご飯と汁物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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