リアルタイムメディアが動かす社会: 市民運動・世論形成・ジャーナリズムの新たな地平

  • 東京書籍
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レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487805846

作品紹介・あらすじ

TwitterやSNS、動画中継サイトなど、リアルタイムメディアの第一線で活躍する講師陣による、「市民運動」「検察」「震災」「原発事故」「ジャーナリズム」「民主主義」をめぐる今、一番濃い講義録。

感想・レビュー・書評

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  • リアルタイムメディア(SNS)に興味があって、やっと初めてヒットした本。
    この本は明治大学での講義を元にした本で、八人の著名な方が様々な方向からリアルタイムメディアに対して語った本。

    SNSについて知らないことがいっぱい知れてとても面白かった。
    既存のメディアとリアルタイムメディアの長所短所や、SNSが時代と共に重要視されてきてるとか、読んでてほんとに面白かった。
    もっともっと勉強して知りたいと思った。SNSをこれから活かしていって社会に変革を与えたい。

  • PCやネットを使いこなせない、SNSは恥ずかしさもあって自分から発信することのないけど、いつまでもそれではだめなんだろうと思いながら、購入。

    最初の八木さんのお話から、衝撃的な内容の連続でした。これほど、既存のメディア(マスメディア)は、権力【特に、検察や東電など、代替組織がないため絶対的でありながら、近年その透明性や正義に疑問が持たれる組織の】に寄り添っていたんですね。

    ますます情報の取捨選択能力が求められる時代。
    津田さんが、その点において、専業ジャーナリストはプロにならなければならにとおっしゃっていて、来年からマスコミで働くこの身に響きました。

    同時に、岩上さんのおっしゃる「兼業ジャーナリスト」の考えに賛成。
    在野のプロ、他に職業を持っているからこそ、権力と利害が関わらない、だからこそ自分の意見を自分の正義に従って堂々と言える。
    この構造が、現実に固められるといい。


    SNSをうまく使いこなしたいと思い、ツイッターを始めた。

  • 津田大介さん(@tsuda)の本が読みたくて、図書館でかりたもの。いやはや、今のネットワークメディアがものすごくわかりやすく解説されてます!一番の感動は、八木啓代 (@nobuyoyagi)さんの、中米の話し。津田さんも、郷原さんも、上杉さんも、すがやさんも、 そう、 みなさん、今のジャーナリズムやメディアの矛盾と、これからの情報のとらえ方を示されている。 これ読まないと、遅れてるよ! っていいたいけど、共感でき無い人もきっといるだろうなぁ。 でも、あたし的には、まちがっていないと思うんだよなぁ。 

  •  多角的な視点からリアルタイムメディアを見ることができた。皆、リアルタイムメディアを手放しで賞賛するのではなく冷静に捉えていたのが意外だった。
     基礎知識や興味の問題のせいか読み終わるのに時間がかかってしまったが講義として受けるのならばおもしろいと思う。渋井哲也さんの章が個人的には印象的。

  • 【要約】


    【ノート】

  • 明治大学で2011年度前期で開講された、「リアルタイム・メディアが動かす社会」の講義録が元になった本。

    著者は八木啓代、常岡浩介、岩上安身、津田大介など、主にフリーのジャーナリスト。

    新聞社やキー局勤務のジャーナリストでは、利害の絡む相手を悪くいう記事は当然書けないわけで、そこに切り込んでいけるのは、彼らの真骨頂だ。

    先の東日本大震災やその直後で、既存の大手メディアが原発事故やその被害状況を隠蔽したり、大規模な市民デモを意図的にさも局地的に起こった小規模なとるに足らないものだと報道していたことを、主にツイッターやニコ動などのメディアが暴いてみせた。

    この事実だけでも、多くの人がリアルタイム・メディアの可能性を感じたのではないだろうか。

    岩上氏は言う。

    『実際には、記者クラブの制度を含めて、情報の発信は特権的な存在のみに許されているがごとく、一部の人間に占有され、独占されています。これは非常におかしなことです。すべての国民に「知る権利」、すなわち情報を受信する権利が等しく認められているように、情報を「伝える権利」、情報の発信権も認められるべきです。どんな世界にも、膨大な数のアマチュアがいて、そのうえに兼業のセミプロがいて、頂点にそれだけで食べているトッププロが存在しています。そうした状況が健全ではないかと思うのです。』


    SNSなどのメディアをただ受け身で利用するのではなく、自らも考え情報を発信したり、実際に会ってみたりして複雑怪奇な現代社会の中で少しでも確かな羅針盤として活用してみたいと思った。

    まだ、優れた情報を発信している人をフォローして、定期的に情報をチェックすることも必要だろう。(私はずいぶん前から実践しているが)

  • <第1講 市民運動とリアルタイムメディア by 八木啓代>
    1958年、キューバは当時革命戦の中にいました。最初、革命軍はキューバに上陸して、非常に少ない人数から革命戦を始めました。そして最終的に1959年、キューバ革命が成功します。
    この時、実に大きな役割を果たしたのが、この「ラジオ・レベルデ」という反乱放送でした。ゲリラ軍がラジオを作り、自分たちの活動を広報宣伝する。一般の人たちに知ってもらうという発想をしたのは、実は、このチェ・ゲバラなのです。
    当時のキューバではテレビもラジオも新聞もすべて検閲されていますから、実際に何が起こっているのかというのがまったく伝わりません。その中でゲリラ軍がラジオ放送を作り、そこから自分たちの側の情報を伝えていくのです。そしてそれが革命の中で非常に大きな力になりました。

    <第2講 戦場とリアルタイムメディア by 常岡浩介>
    【SMSが起こしたエジプトの革命】
    フェイスブックやツイッター利用者が日本よりもずっと少ないエジプトで、なぜ革命が起きたのか。実はエジプトで最も多用されたのは、ツイッターやフェイスブックではなく、SMSでした。つまり「ショート・メッセージング・サービス」です。p127
    [具体的にどのように使われたか]p128
    たとえば、「明日の何時にこういう名目のデモが行われる」という情報を誰かが受け取ったとします。すると今度は自分のアドレス帳にある全員にこのSMSをばら撒くのです。次に受け取った人はまたその情報をアドレス帳の全員に送信し、こうしてタハリール広場に何十万という群衆が集うことになったと言われています。
    (その一方で)ムバラク政権は必死で革命を潰そうと画策し、SMSが利用されていることも把握していたので、ボーダフォン・エジプトという会社を使うことにしました。ボーダフォン・エジプトのユーザーすべてに「警察を応援しよう」「社会を脅かす扇動に乗らないようにしよう」といったSMSをばら撒いたのです。この会社の社主はムバラク大統領の長男だったのです。p129
    [なぜSMS?]p129
    ツイッター、フェイスブック、スマートフォンを使う際は、携帯電話のパケット通信によるインターネットインフラを活用しますが、SMSは携帯電話の通話システムで送信するためインターネット回線をいっさい使いません。インターネット回線が全部潰されてもSMSは生き残るのです。

    【エジプトのような革命はどこまで波及するか】
    中東、エジプトで次々と革命が波及していきましたが、アフガニスタンやパキスタンにその余波は及んでいません。原因は非常に分かりやすく、今回の革命が起きたのはアルジャジーラの電波が届いている範囲内だったことが挙げられます。アルジャジーラのアラビア語放送が入っていたアラブ中東の22カ国では、ほとんどの地域で動きがあり、一番西のモロッコでは王政打倒のデモが頻発、一番東のイラクではアメリカ軍の戦略に反対するデモや反政府デモが起こりました。アラビア半島ではバーレーン、イエメンの反政府デモが激化し、サウジアラビアですら女性たちが車の運転を強行するデモンストレーションを行い、逮捕者も出ています。p135

    【ツイッターを活用したさまざまな革命】
    ツイッターが利用され始めた一番初めの革命は、じつはエジプトではなく、旧ソ連のモルドバという国でした。モルドバは旧ソ連の中でもロシア寄りで、旧共産党がそのまま政権を持ったような状態です。
    その少し後に、アメリカがイランを「テロ支援国家」「悪の枢軸」と批判したのですが、イランは中東のなかではそれなりに民主的なシステムを持った国です。
    イランのアフマディネジャド大統領は、保守派と言われています。この人が大統領に再選されるかどうかという選挙の時、対抗馬としてムサビという候補者が現れました。ムサビが選挙運動に使ったのがツイッターだったんですね。デモ中に治安部隊が発砲して20代の女性が殺された映像がユーチューブで世界中に流れ、これはツイッターにも書かれて、イラクの民主化運動に火がつくという展開になったこともあります。言ってみればエジプトの革命より数年も前に、ツイッターやSMSといったリアルタイムメディアは先んじて使われていたのです。p140
    →この革命はエジプトの革命に2年先んじていたため、下地になった?
    しかし、チュニジアやエジプトに一番大きな影響を与えたのはアルジャジーラです。10年間1秒も休まずに世界中のニュースを報道し続けたことで、中東の人たちは深いITリテラシー、情報リテラシーを身につけました。

    〈第4講 リアルタイムメディアが拓くジャーナリズムの新たな可能性 by 岩上安身〉
    【情報を受け手が編集し発信する時代へ】p186

    〈第8講 リアルタイム報道とメディア by 津田大介〉
    【ソーシャルメディア現象を読み解く5つのキーワード】p364
    ・「リアルタイム(速報性・伝播力)」
    ・「共感・協調(感情や思考の共有)」
    ・「リンク(具体的行動の促進)」
    : 感情が連鎖していくと、具体的な行動に繋がっていく。たとえば、怒りの感情が次々にリンクしていき、デモに繋がる。そして政治体制が変わるまでになる。
    ・「オープン(参加や離脱が容易)」
    ・「プロセス(透明性・興味喚起)」

    【ソーシャルメディア革命の事例】
    ・東ヨーロッパのモルドバ共和国: 反政府運動の契機に使われてデモが起きたが、半日で潰される。

    ・イラン: 大統領の不正をめぐって民主化の運動勢力がツイッターやフェイスブックを使って活動したが、これも潰された。

    ・中国やタイでも似たようなことが起きる。

    ・政治体制が変わるところまで変化が訪れたのが、まずチュニジアで、フェイスブックを中心としたジャスミン革命で、それがエジプトに飛び火し、さらにリビアにも飛び火した。

  • 識者が語る、リアルタイムメディア論。早大の講義録。わかりやすいネットワークの歴史、中南米、アラブのネット革命、日本の組織が抱える問題。8名の登壇者がそれぞれの視点からリアルタイムメディアを語る。若干読む時期を誤った感があるが、復習という意味では良かった。分かりやすい。これからの時代、俺らが返るんだ。

  • 12090.

    上杉隆、岩上安身、津田大介らネットジャーナリストたちの講義録

  • 図書館で借りました。

    ツイッターやフェイスブックなどのリアルタイムメディアが社会の構造自体を動かそうとしている、そして、既存のメディアともミックスし、さらなる変容を遂げようとしている。
    南米、イラク、アフガニスタンなどの革命の例がある。日本では東日本大震災がその契機となった。

    明治大学での学部間共通科目として開講された8人の講師による講座を文字に起こしたもの。2011年度前期に開かれた、ということなので、大震災の前に企画されたものだと思われるが、大震災のことも触れられる。後半になればなるほど、その度合いが多くなる。(大震災がいかに「生傷」で、それを「話す」内容にいれることが難しかったかがうかがわれる)

    国際社会と日本とのメディアの在り方の違いだけでなく、メディアをめぐる社会状況が丁寧に話されているため、非常にわかりやすかった。さらに興味がひろがる。

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著者プロフィール

1962年大阪府生まれ。作家、音楽家。著書に『禁じられた歌 ビクトル・ハラはなぜ死んだか』(晶文社)、『ラテンに学ぶ幸せな生き方』(講談社)など多数。

「2012年 『ハシズム!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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