ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方

著者 :
  • 東京書籍
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487806263

作品紹介・あらすじ

仕事も、ほしい物も、自分でつくるのは面白い。「ビジネス」でも「ワーク」でもなく、「趣味」でもない。DIY・複業・お裾分けを駆使した「ナリワイ」で、現代社会を痛快に生きる。ポストグローバリゼーション時代の滋味溢れる働き方、非バトルタイプのためのゆるやかな作戦。

感想・レビュー・書評

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  • これからの時代の働き方について、暗い観測ばかりではない、希望的な観測ができる本。おもしろかったです。

    長いので感想はブログにアップしました。

    http://rucca-lusikka.com/blog/archives/3820

  • 2012年当時は革新的な考え方だったかも。
    地域おこし協力隊とか、二地域居住・移住とか、副業が身近なものになった10年後の今はこういう考え方の人だいぶ増えたように思う。

    かくいう私も移住してやってみたい事がいろいろあるので、準備や資金が必要な「起業」という感覚より向いている気がするなと思って手に取った本。
    ”多様な仕事を組み合わせて自分たちの暮らし方をデザインする訓練と環境づくり”、それが必要なのがわかっているから読んだ本なのに、その必要性ばかり説かれた印象…。
    そして結論がはっきりせず、ふらふらいろんなところに話が飛んで、だらだら長く、さらに「かもしれない」の乱立で、特に後半はしんどかった…。

    <共感したこと4つ>
    ①専門家という既得権益者にひるまないこと
    ②情報は精神的な心の食べ物
    ③継続と挑戦ができる適正価格
    ④何が真のリスクヘッジなのか常識を再検討すること

  • ひとつの会社に勤めて、働き上げる。
    転職をするのは選択肢としてありだが、あくまでも一つのことをやり抜く。そういう選択肢しかなかった私にとって、複数の小さなナリワイを持ち、それらを組み合わせて生活していくだなんて、目から鱗の発想だった。そんなので生活していけるのかしら。最初は訝しげだったが、確かに田舎に住んでから、今まで必要だと思っていた生活費やランニングコストって本当にそんなに必要なのか?と思うことはままある。かつては狭いワンルームマンションに月々数万円払っていたが、今はその3分の1程度の金額で10倍広い古民家に住んでいる。

    でも、自分にはそんなお金を稼ぐような能力はない。そんなことができる人は一握りの限られた人。そう思いがちだが、周りを見渡してみると、田舎では若くて元気がある、だけでも確かに需要はありそうだ。一つの所に勤めてしまうと、そこにかなり時間を拘束されてしまうので周りが見えないだけで、実は小さな需要や小さなナリワイは、気付きさえできれば結構ある。らしい。

    ワークショップで習った何かの技術を、私は打ち上げ花火的にその場であー楽しかった、と終わらせてしまう傾向があるが、習ったものを自分のモノにして、今度は自分がワークショップをすることだって、小さな小さなナリワイだ。
    助産師として考えたとしても、助産院を立ち上げる!となると壮大だけど、小さなことでお小遣い稼ぎならできるかもしれない。

    自分にも、何かできないものか。この本を読んでからずっと考えていたところ、一つの場面を思い出した。友人の結婚式に呼ばれて行った時のこと。同じテーブルには、同年代の女子達が沢山いた。授乳中の赤ちゃんを家に置いて、参加している。つまり、結婚式から披露宴の間の3.4時間程度、授乳ができないのでおっぱいが張ってくる。必然的に搾乳が必要になるが、普段直母しかしていないと慣れない搾乳はかなり手がかかる。同じテーブルに座った人がトイレに搾乳に行くと行ったので、良かったら私手伝いましょうか、と搾乳をしてあげたら、めちゃくちゃ喜ばれた。搾乳なんて、毎日仕事でしているので、ちょろいものだ。自分には屁でもなくできることが、他の人には喜ばれる。この体験は、自分にとってとても新鮮で嬉しかった。

    じゃあ、搾乳事業を立ち上げるとか、そういう大仰なことではなくて、こういう小さなアイディアの種を、流さず残しておくことが大切なのだ。そして、小さく始めてみること。助産師も、病院に働くか助産院を開くかの二択しか今までなかったが、柔軟に色々な働き方ができるかもしれない。助産師×〈?〉の可能性とは。そんなヒントをくれた、画期的な本。

  • 仕事を辞めて、さてこれからどうしようかと出掛けたカフェで見つけた本。
    私はこの本に書かれている非バトルタイプの人間で、ナリワイは音楽を表現すること・教えることだと思っています。
    内容は何度か繰り返されますが、自分に言い聞かせている感覚にもなれて良いです。
    自分にできることを組み合わせて生きていこう、という気持ちになれたし、焦る気持ちが少し落ち着きました。

  • ただの自己啓発ではない新しい生き方のスタイルの提案書。収入を増やすのではなく、支出を減らす。月収30万円ではなく、3万円のビジネスを10個持つなど、価値観の転換を与えてくれる良書。多様性のある働き方をすることで変化に強い生活基盤を持てるのかもしれない。いま起こっているメイカームーブメントやDIYと相性の良い考え方だと思う。

  • 先日読んで面白かった『月3万円ビジネス』の著者、藤村さんのお弟子さんの本。なるほど、ナリワイか。
    生活費を稼ぐために、賃金と引き換えに人生を犠牲にするような働き方ではなく、昔の百姓のように、生業として、ただし自覚的に楽しく働こう、という。
    モヤモヤと感じていた方向性に名前をつけてくれた、という意味で感謝したい。
    ただし、何となく違和感が残るのも事実。ボルトとナットのピッチがあっていない感じ。演奏している楽器のチューニングが微妙にあってない感じ。
    手持ちの道具や材料でうまく言い当てることができないのがもどかしい。
    うーん、ノリが学生のアルバイトかフリーターの延長線上にあって、バックパック一つのお一人様で暮らす分にはいいかもしれないけど、家族で暮らしていくことや、地域社会と関わりを保ちながら日々の生活が成り立つように思えない。思考や行動の半径が、5mの次が50mや500m、5kmではなく500kmや5000km、と言えば伝わるだろうか。

  • まえがきだけでかなりまとまってるので、書店とかで立ち読みしてみるのもおすすめ。

    JALが破産したり、SHARPがやばかったり、そういうのが多い昨今の日本ですが、けっこう希望をもてそうな言葉が並んでたりする。

    そもそも経済再生!とかアジア各国に抜かれ気味GDPをなんとかしようとかあるけど、資源もないし自然災害ばっかの日本がGDP一位って相当なラッキーが重なったとしか思えないので、今の日本は凋落してるんじゃなくって、順当なレベルに調整されてるんだと思う。

    そんな日本でもういっかい原点に立ち返って、時間を自分のために使って、別に出世とかそんなんしなくてもわりとなんとかなってそれでけっこう楽しく生きていけるんじゃないかなって本。

  • 仕事と労働と活動がある、そんなこと考えもしなかった。
    中学生・高校生のうちに読んでおきたかった本。

    学校教育の仕組みで育てられた私たちはとにかく上質な「労働」者になるように育成されて、
    そこに当てはまらないことに傷ついたり悩んでいるってことが多いのだと気づいた。
    そんでもって、労働してるうちは基本的には儲からないし、仕事するにはセンスがいるし、活動に金を払いたがる人は日本には少ない。
    ドン詰まりのような、開き直れちゃうような。

    ナリワイをつくれる日はくるんだろうか。

  • 自分の健康と時間をマネーと交換する仕事から、生活の中から仕事を生み出し、仕事の中から生活を充実させる。そんな小さな仕事をいくつも組み合わせる生き方、暮らし方への転換を提唱。

  • とても良かった。
    一点突破、一つの分野にかけるのではなく、
    外貨獲得のためのグローバルな経済(サッカーでいうW杯)に挑戦するのではなく、
    ワークとライフを完全に切り離してしまうのでもなく、
    自分の足元の生活で困ったことを解決したり、
    その過程でスキルを身につけて、他の人にも役立つ様に活用したり。
    資本金を貯めてから、とか店舗を借りてから、ではなく、生活と地続きのやり方でやってみる。
    ナリワイ的な考え方がとても魅力的。何でもお金で解決しない生き方。

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著者プロフィール

伊藤洋志
個人のための仕事づくりレーベル「ナリワイ」主宰。1979年生まれ、香川県出身。京都大学農学部森林科学専攻修士課程修了。個人が身一つで始められ頭と体が鍛えられる仕事をナリワイと定義し、研究と実践を行う。主な著作に『ナリワイをつくる』『イドコロをつくる』(いずれも東京書籍)。「遊撃農家」などの個人のナリワイとチーム活動による野良着メーカー「SAGYO」のディレクター、「熊野マウンテンビル」運営責任者などの活動に加え、タイアカ族の山岳村落の学術研究プロジェクトにも参画する。

「2023年 『山岳新校、ひらきました』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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