ブータン 幸せの国の子どもたち

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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487807529

作品紹介・あらすじ

あなたは幸せですか?GNH(国民総幸福量)を大切にするブータン。世界が注目するブータンの取り組みと子どもたちの姿を生き生きと伝える。

感想・レビュー・書評

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  • どこの国も子供達は可愛らしい。この子も素晴らしい笑顔を見せてくれる。しかし、ブータンの子供達の穢れのない瞳と笑顔には一種独特のものがある。両親のみならず、すべての大人たちが、子供達の幸福を願い行動していることが子供たちに伝わっているのであろう。不安や怯えのない安心感が屈託のない笑顔を作る。そんなブータンも今、消費経済の拡大により様々なところで歪みが生じている。若者が仕事を求めて都市部に流入し、都市部の人口が増えることで、ますます若者の高失業率を招く。農村地域では過疎化が進む。経済が発展する中で、国民総幸福量とのバランスの取り方が大きな課題となっている。ブータンの行方はマネー経済の暴力に苦しむ世界の人々にとって大きな関心事となっている。

  • 2012年にNHKのドキュメンタリー取材班が製作した番組内容と、その時、ユニセフ協会大使としてブータンを訪れたアグネス・チャンさんの感想、および旅のインフォメーションから構成されている。
    写真が多く、美しい自然や独特の建物、伝統的な衣装を身につけた人々、そして「都会」の顔も見ることができる。

    豊かとはいえない国で人はなぜ「幸せ」だと言うのか。
    アグネスさんは、仏教への篤い信仰があり、「足るを知る」という思想が浸透しているからではないか、と言う。同様の教えは様々な宗教のなかにあるが、それを実践しているところは稀ではないか。なかには為政者がその考えを悪用し、国民には今の生活で満足するようにしむけて為政者達だけが潤っている、というようなところもあるが、ブータンではその思想がとても健全に機能しているようだ、と。
    「通常は、苛酷な状況に生きている人々の話を聞くと、教育をまともに受けられない環境に生まれたことを嘆く声が聞かれます。しかし、ブータンは、そういった不平・不満がまったく聞こえてこない珍しい国なのです」(p.86)
    現実には、都会では若者が希望の職に就けない、とか、また難民問題などもあり、何もかもうまくいっている、というわけではないようだけど、若い人たちもポジティブ思考は身についているのだろうか。
    教育を受ける機会のなかったお年寄りたちの言葉に含蓄があり、心にしみるものがある、とアグネスさんは書いておられるが、学校教育はそれと同等以上のものを与えることができるのかな、と思ったり。
    とにかく行って、ブータンの人と話してみたい。

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