アンゲラ・メルケル: 東ドイツの物理学者がヨーロッパの母になるまで

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感想 : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487814695

作品紹介・あらすじ

2021年9月、長きにわたりドイツならびにヨーロッパを導いてきた、ドイツ首相アンゲラ・メルケルがついに退任し、政界を引退する。
フランスの女性ジャーナリストが、メルケルの東ドイツでの生い立ちから、宗教的バックグラウンド、政党内での権力闘争、各国指導者との関係、移民問題、前アメリカ大統領トランプとの確執、COVID-19への対応、そして、首相退陣までを描く本格評伝。
フランス大統領エマニュエル・マクロンへのインタビューも緊急掲載。

感想・レビュー・書評

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  • Marion Van Renterghem - Babelio
    https://www.babelio.com/auteur/Marion-Van-Renterghem/183659

    【東京書籍】 一般書籍 歴史・地理 アンゲラ・メルケル
    https://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/81469/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      ドイツのメルケル前首相をねぎらうIKEAのユーモラスな広告 | TABI LABO
      https://tabi-labo.com/302246...
      ドイツのメルケル前首相をねぎらうIKEAのユーモラスな広告 | TABI LABO
      https://tabi-labo.com/302246/wt-ikeadeutschland-merkel
      2021/12/24
  • コール氏と比べて革新派、でも同じCDU出身者として改善型ではなかったのかなと感じました。

    科学出身の人なので客観的、普遍的で再現性を重んじるかと思ったのですが、彼女は主観性が目立った気がして本書を読み、そこを再確認しました。

    柔軟で熟考を重視すると同時に対話は少なく、一歩先を見るのが苦手だった印象です。

    ただ、自身のキャリアより目の前の問題を常に真剣に考えていた人だと感じました。

    • hirokiさん
      "イイね"したったで〜〜!
      "イイね"したったで〜〜!
      2021/11/12
    • yuさん
      うっそ
      コメントできるの?w
      うっそ
      コメントできるの?w
      2021/11/12
  • なぜ彼女は国民の、そして世界のMutti(母)にまでなったのか?

    題名:C'était Merkel
    訳:それはメルケルだった

    1954年当時の西ドイツ、ハンブルクにて生まれその後東ドイツに移住。61年にベルリンの壁がつくられ、多感な少女時代を冷戦真っ只中のドイツで過ごした。
    また、首相となっても庶民に交じり庶民と同じように買い物をし、特別豪華な場所で暮らすのではなく普通の生活をおくり、国民のMutti(母)と呼ばれるようになった。

    その彼女の生まれから政界引退までの半生を、彼女ゆかりの人物達のインタビューをもとに語っていく。

    この本の著者が同じドイツ人のジャーナリストではなく、フランス・パリ生まれのジャーナリストがであることにも意味があると思う。

    読んでいくと、彼女が引退するのを惜しむ各国の首相や要人たちの言葉がたくさん出てくる。
    それほどに彼女は自国の国民だけでなく、他国からも信頼、愛されていたのだとわかる。

    2011年のG20の会期中にあったユーロ危機の話題に関して、オバマに詰め寄られたりその他の首相や国民から非難されようとも、銀行の独立性のため憲法を遵守しようとする、そんな彼女の政治的価値観は、冷戦という激動の時代、特にその中心であるドイツで過ごしたことが大きいだろう。
    何よりも国民のことを第一に考え冷静、慎重である彼女。時にはそれを緩慢だと言われたりもするが、東京震災後すぐに自国の原子力発電を廃止するなど迅速な面もある。

    また、苦悩も書かれている。メルケルは最初バラク・オバマのことが好きではなかったことや、トランプ大統領就任、その後の政策に対して。フランスとフランスの4人の大統領、ロシア、プーチン大統領との関係。その他いろいろ・・・そんな裏話的なこともわかるのは面白い。
    特にオバマに関してはホワイトハウスを去る前にわざわざベルリンにメルケルを訪ねてメッセージを残したのだそう。
    裏話といえばメルケルという性は元夫(一人目)の性であり、現夫の性は「ザウアー」とのこと。
    そんな事情を知らなかった人は間違えて夫のザウアーにたいしてメルケルと呼んでしまうという面白エピソードも書かれている。

    そんな自国民だけでなく世界から愛されていた彼女が引退してしまった今後、世界はどうなっていくのだろうか。

  • フランス人ジャーナリストによるメルケルの評伝。大統領制であるが故、強いリーダーが望まれるフランスと議院内閣制による合議を重んじるドイツ政治の対比が面白い。
    こんにちのウクライナ戦争はメルケルが続投していたら防げていたかもしれないという意見がある一方、メルケルが脱原発に舵を切ったためにエネルギーのロシア依存が進みロシアの強硬姿勢を生んだという意見もあり評価は定まらないが、プーチンがウクライナを狙っていたのはメルケル在任中の時から変わらないということは本書からもよくわかる。そして東ドイツ出身であるがゆえ西側諸国のどの首脳よりもEUと民主主義の価値を理解しているのはメルケルであった、ということもよくわかった。

  • “「私は虚栄心の強い方ではありません。男性の虚栄心を利用するのがうまいのです」”(p.160)


    “アンゲラ・メルケルは身なりに構うことには心底うんざりしている。(中略)メルケルはファッション誌をぱらぱらめくったり、きれいな服の女性を見たりするのは好きだが、わが身に生かそうとは思わないのだ。ある雑誌のカメラマンに、「十年前に撮影した時と同じデザインの服を着ていらっしゃいますね」と言われたので、「私はドイツ国民に尽くすために選ばれたので、モデルになるためではありません!」と答えたものである。”(p.172)

  • 面白かった。
    最近、眼のために、あえて時間を区切って読んでいたら、
    読了の今朝、メルケルの後任が決まる、ドイツの総選挙の
    見通しが報道されていた。
    案の定、どの政党も、過半数に足らず、
    連立政権への道を模索することになるだろうと。

    政治的問題に疎く、さしたる関心も無いのだが、
    本書、フランス人女性ジャーナリストの書く評伝を通し、この16年の西側情勢を再び見た思いでいる。

    メルケルという東ドイツの物理学者であった、国家元首と掃除する人物として、著者は英国エリザベス女王を挙げる。「揺るぎない存在感」「モラルと政治のよりどころ」「統一と安定とミン主義の保証人の二人」と。
    そこに、メルケル長期政権の所以があるのだろう。

    「50年後の歴史書に、どう書かれたいか?」の問いに「彼女は労をいとわなかった」と答えたというメルケル。
    それが全てだ。

  • 東ドイツ出身、敬虔なキリスト教、女性、科学者としてのキャリアといった多彩なルーツは、メルケルの人格形成に大きく寄与しており、政治家としてのあり方や実際の政策にも大きく影響している。中でも東ドイツ出身であること、牧師の父の存在は中でも大きい。

    著者はかなりメルケル寄りということで、ある程度バイアスがかかっていることは注意が必要。ただ彼女はフランス出身のジャーナリストという背景から、違った視点もあって読み応えがある。

  • 2022年8月
    メルケルさんの半生に迫った本。有名な人、有名でない人、名前を出してくれる人、出さない人、いろんな方に取材していて、読み応えありだった。訳文は読みやすかったが、いかんせん無知でヨーロッパの歴代首脳たちとのエピソードは読んでいて時間軸が混乱しがち。政治家の名前をググりながら読んだ。
    東ドイツの全体主義的な世界から西ヨーロッパの自由主義に解き放たれた才能ある女性のサクセスストーリーではあるはずなのだが、読後感としては愚直に任務を実行する辛抱強い人間の物語だった。

  • 16年間の長きにわたってドイツの首相を務め、昨年政界を引退したメルケルさんの評伝本。 著者はフランスのジャーナリスト。
    メルケルさんは東ドイツに生まれ、物理学者への道を歩んでいたが、ベルリンの壁崩壊後のドイツ統合を機に政治を目指す。 物理学者らしい論理的な思考と、人間関係の抜群の調整力で頭角を現し2006年に首相になる。 任期16年の間には、リーマンショックや原発問題、ギリシャ危機、移民問題、ポピュリズムの台頭など様々な問題があったが、うまく乗り切り任期を全うする。東ドイツ出身の女性で離婚経験有り等、自由主義社会の政治家から見ると大きなハンデと思われたが、彼女はそれを利点として考えていたように見える。 決断の遅さがウィークポイントだが、逆にそれが良かったこともある。彼女の一貫した政治姿勢が信頼を得ているのだろう。 メルケルさんについてはほとんど知らなかったけれど、この本を読んで、イギリスのサッチャー首相と並ぶ素晴らしい女性政治家だと思った。
    ちなみに彼女が首相の間に、日本では小泉首相から岸田首相まで8人も政治家が変わった。 長かった故安倍首相でも任期は9年。 その2倍近くの長きにわたって首相であり、また任期途中で投げ出すこともなかった。 メルケルさんに比べると、日本の政治家はともかく、アメリカの大統領でさえも小粒な政治家に見えてしまった。

  • ●G20に出席する首脳陣の中で、平穏な民主主義制度化ではなくソ連参加の独裁政権のもとで育ったただ1人の、強大な民主主義国の偉大な指導者となろうとしていた。
    ●西側の世界で彼女だけが、自由がどれほど尊いかを知っている。

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著者プロフィール

著者:マリオン・ヴァン・ランテルゲム Marion Van Renterghem
1964年、パリ生まれ。ジャーナリスト、『ル・モンド』元記者。
2018年、Angela Merkel, I`ovini politique (『アンゲラ・メルケル—政界に降り立ったUFO』2017年)でシモーヌ・ヴェイユ賞を受賞。

「2021年 『アンゲラ・メルケル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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