自由からの逃走 新版

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488006518

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしかった。南米旅行のお供として頗る役割を果たしてくれた。ありがとう。これからの人生で何か考えたい時また立ち戻りたい。

  • 3/26 TV紹介日本IBM初の女性役員座右の書
    「Newsモーニングサテライト」リーダーの本棚で、
    NPO法人J-Win内永ゆか子さんが紹介し話題!

  • 個人が自由から逃走するメカニズムに納得。
    アドラーの『嫌われる勇気』へ繋がる部分が多いと感じた。
    論理的な文章構成で、理系の自分には読みやすかった。
    人によっては、回りくどく読みづらいと感じるかもしれない。

  • 1941年に出た本とは思えない。ISとかネオナチとか排他的なイデオロギーは今も大きな影響力を持ってる。かつての一次的な束縛の状態のほうが自由より良いのでは?という気もしてくる。ただ自己の成長を実現する愛と仕事というのは、思えばティール組織で目指されてたこと。懐疑ではなく信頼で結びついた組織、社会が自由により生ずる孤独を抑えてくれると思う。

    メモ
    人は自由になって寄って立つところがなくなり、孤独になり、猜疑心、自己嫌悪に陥っている。第二次大戦のころと宗教改革のときの社会経済状態が近い。カルヴァンは完全な神への従属、自我の滅却をうたい、それが受け入れられた

  • 社会
    思索

  • 「自由からの逃走」E.フロム著・日高六郎訳、東京創元社、1951.12.30
    337p ¥1,600 C1036 (2018.12.25読了)(2000.09.25購入)(1993.03.15/101刷)

    【目次】
    序文
    第一章 自由―心理学的問題か?
    第二章 個人の解放と自由の多義性
    第三章 宗教改革時代の自由
      1 中世的背景とルネッサンス
      2 宗教改革の時代
    第四章 近代人における自由の二面性
    第五章 逃避のメカニズム
      1 権威主義
      2 破壊性
      3 機械的面一性
    第六章 ナチズムの心理
    第七章 自由とデモクラシー
      1 個性の幻影
      2 自由と自発性
    付録  性格と社会課程
    訳者あとがき  日高六郎  1951年12月12日
    新版にさいして  日高六郎  1965年11月18日

    ☆関連図書(既読)
    「社会心理学」清水幾太郎著、岩波全書、1951.10.15
    「超訳『資本論』」的場昭弘著、祥伝社新書、2008.05.01
    「超訳『資本論』第2巻」的場昭弘著、祥伝社新書、2009年4月5日
    「超訳『資本論』第3巻」的場昭弘著、祥伝社新書、2009.04.05
    「高校生からわかる「資本論」」池上彰著、ホーム社、2009.06.30
    「職業としての学問」ウェーバー著・尾高邦雄訳、岩波文庫、1936.07.15
    「職業としての政治」マックス・ヴェーバー著・脇圭平訳、岩波文庫、1980.03.17
    「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」マックス・ヴェーバー著・大塚久雄訳、岩波文庫、1989.01.17
    「精神分析入門 上」フロイト著・豊川昇訳、新潮文庫、1956.06.10
    「精神分析入門 下」フロイト著・豊川昇訳、新潮文庫、1956.06.15
    「ヒトはなぜ戦争をするのか?」アインシュタイン・フロイト著・浅見昇吾訳、花風社、2000.12.31
    「わが闘争(上)」ヒトラー著・平野一郎訳、角川文庫、1973.10.20
    「わが闘争(下)」ヒトラー著・平野一郎訳、角川文庫、1973.10.20
    「アドルフ・ヒトラー」ルイス・スナイダー著・永井淳訳、角川文庫、1970.06.30
    「ヒトラーの抬頭」山口定著、朝日文庫、1991.07.01
    「ヒトラーとユダヤ人」大澤武男著、講談社現代新書、1996.05.20
    「悪について」E.フロム著・鈴木重吉訳、紀伊國屋書店、1965.07.05
    「フロム『愛するということ』」鈴木晶著、NHK出版、2014.02.01
    「愛するということ」エーリッヒ・フロム著・鈴木晶訳、紀伊国屋書店、1991.03.25
    「愛するということ」E.フロム著・懸田克躬訳、紀伊国屋書店、1959.01.26
    商品説明(amazon)
    『自由からの逃走』はドイツ生まれの社会心理学者エーリッヒ・フロムによって1941年に発表された。フロムはヒトラーの全体主義に世界が震撼するその最中に、この作品を世に送り出した。このことは本書が単なる研究者向けの論文ではなく、ナチに追われてアメリカに帰化した著者自身の「時代の狂気に対する叫び」でもあったことを物語っている。
    本書はナチズムに傾いていくドイツ国民とそれを先導した独裁者の心理状態を詳細に説明し、人々に「なぜ」を明らかにしている点で非常に興味深い。あの狂気を生んだ悲劇の根源は、「自由」という人類に与えられた恩恵であった。その分析に触れるとき、読者は、本書が今もなお警鐘を鳴らし続けていることに気づくだろう。
    自由であることの痛烈な孤独と責任の重さを受け止め、真に人間性の実現といえる自由を希求することなくしては、人類にとって望ましい社会は生まれない。フロムは問う。幸福を追求するために選んだ自由が果たして「本当の自由」といえるだろうか。「選ばされた自由」にごまかされてはいないか。気づかぬうちに他者に対する加害者となっている自分を許してはいないか。
    フロムは、個人が生きるその社会の姿を理解することなしに、自由に生きることなどありえないと語る。本書は、国家のあり方という問題に対してだけではなく、現代に生きる個人がその人生を充足させるためにはどう生きるべきかという問題に対する重要なヒントとなっている。(齋藤佐奈美)

  • よく版を重ねている。後半のナチズムの分析と、自由とデモクラシーの部分は考えさせられるところが多いが、デモクラシーについて楽観主義的なところが時代を感じさせる。

  • これまたものすごい本だった。愛するということを読んでいたため、現代に生きる人間が孤独を抱えて生きており、それは第一次的な絆からの自由によって引き起こされたことだということをすんなりと理解できた。しかしそうした〜からの自由が人間の孤独をさらに深め、〜への自由ではなく隷属や支配を受けることを求めてしまうということがこの本では明らかにされていた。そしてそれが明確に表出したのがナチズムだとフロムは指摘する。今日本の現状を考えた時に、フロムが警鐘をならした状況は変化しているだろうか?今まさに日本の中でも孤独と強い力を求めそれに支配されることを望むマゾヒズム的な現象が起きているのではないか?難しい本だがまた読み返したい。

  • 価値が変わる凄まじい読書体験だった。只一点、結論がどうにも竜頭蛇尾で、ソリューションとして「自主的な仕事と愛」「計画経済」と置いてみただけで、そっけないほど何も言及していない。だが、書かれたのが1941年ということと、筆者がユダヤ人で、その当時ということを鑑みるに、これはとんでもない書であったとは想像できる。「自由の希求」の重みは吉田拓郎世代のそれとは比較できないほどであろうから。現在でも、現在だからこそ有効なこの知に、ただただ読み込むことで報恩としよう。

  • ミラン・クンデラが"キッチュ"とみなして嫌悪しているものについて少し分かった。
    『動物農場』の物語がソ連にもナチスにも当てはまるように、この本で表されていることは普遍性がある。
    サディズム・マゾヒズムに関する考察は、この部分だけで、サディストの犠牲になった人を癒すのではないか。

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著者プロフィール

ドイツの社会心理学者、精神分析家。1900年、フランクフルト生まれ。ユダヤ教正教派の両親のもとに育ち、ハイデルベルク大学で社会学、心理学、哲学を学ぶ。ナチスが政権を掌握した後、スイス・ジュネーブに移り、1934年にはアメリカへ移住。1941年に発表した代表作『自由からの逃走』は、いまや社会学の古典として長く読まれ続けている。その後も『愛するということ』(1956年)、『悪について』(1964年)などを次々と刊行する。1980年、80歳の誕生日を目前にスイス・ムラルトの自宅で死去。

「2022年 『今を生きる思想 エーリッヒ・フロム 孤独を恐れず自由に生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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