コリーニ事件

  • 東京創元社
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本棚登録 : 592
レビュー : 92
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488010003

作品紹介・あらすじ

殺人事件と法廷で繰り広げられる緊迫の攻防戦を通して、事件をめぐる人々を見事に活写する。著名な刑事事件弁護士が研ぎ澄まされた筆で描く、ヨーロッパ読書界を席巻した傑作。

感想・レビュー・書評

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  • "「人間に白も黒もない……灰色なものさ」"(p.65)

  • 2001年のベルリンが舞台。
    イタリア人、コリーニが殺人容疑で逮捕される、被害者は大金持ちの実業家。
    主人公のライアンは国選弁護士として名乗りを上げた、本案件が初仕事、気軽に引き受けた弁護だったが、何も語らない容疑者と、さらに被害者は少年時代の友人の祖父であったことから、ライアンの苦悩は始まる。
    容疑者は容疑を認め、裁判は早々に決着するかに見えたのだが、ライアンの調査で明らかになる驚くべき事実。
    コリーニを凶行に駆り立てた本当の動機とドイツで昔本当にあった法律の落とし穴。
    刑事事件専門の弁護士である著者ならではの臨場感あふれる法廷劇に圧倒される。
    また著者の出自や少年時代の学友たちの先祖たちにも触れられている通り、ドイツ独特の因縁めいたものを感じる。

  • 現代に起きた殺人事件から歴史の闇が浮かび上がる異色の法廷劇。登場人物の様々な視点から描くことで重厚な作品にすることもできただろうが、著者は潔くストレートに事件の持つ問題点に切り込んでいく。

  • 著者初の長編だが、長さからみると中編と言える。訳ありの被疑者の弁護についた新人弁護士が、その真実の迫ると意外な事実に突き当たる。書かれている言葉だけを捉えても、そこには冷静かつ落ち着き払った空気感しか伺えないが、背景に見え隠れする人間の感情は激動している。それをサラッと描き出す。読んでいて、読んだページより多く読んだ気がする。

  • 大金持ちの老実業家を射殺した男は、自分から警察を呼んでおきながらがんとして動機を語ろうとはしなかった。
    新米事件弁護士で被害者と親しかったライネンは公職と私情に挟まれながら事件の真相を探り当てる。

    シーラッハ初長編。
    相変わらず研ぎ澄まされた文章で濃密なものを書いてくださる。
    ページ数を遙かに凌駕した満足感。
    そして未だにドイツに深い影を落とす第三帝国に、日本の現状を考えたり。
    事件の真相もだけど、冒頭から深いことがさりげに書かれていて唸ること数多であったよ。

  • 「私たちは生涯、薄氷の上で踊っているのです。その下は冷たく、ひとたび落ちれば、すぐに死んでしまいます。多くの場合、氷は持ちこたえられず、割れてしまいます。私が関心をもっているのはその瞬間です」社会や秩序と無法は相容れない。淡々とした筆致の根元には魂の息遣いが感じられる。

  • 2019年3月3日 30冊目(3-1)

  • 面白かった。文体がサッパリしているんだけど、たまにガツンとくる言葉があったりして、この作家の本は面白いなぁ。

  • この人、短編のほうがいい。以上

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