ハリー・クバート事件 上

制作 : 橘 明美 
  • 東京創元社
3.89
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本棚登録 : 264
レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488010263

作品紹介・あらすじ

新人作家マーカスは少女殺害事件の容疑者となった大学の恩師で国民的作家のハリー・クバートの無実を証明すべく調査を始めた。全欧州で200万部のメガセラーとなったスイス人作家ディケールのミステリ登場。アカデミー・フランセーズ賞・高校生が選ぶゴンクール賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 新進作家が恩師の容疑を晴らせるか?
    失踪した少女をめぐる事件もの。

    マーカス・ゴールドマンは1作目が大ヒットした新人作家。
    一躍セレブの仲間入りをしていたが、1年半たっても次の作品が書けず、催促され、契約違反にも問われ始めていた。
    かってひとかたならぬ世話になった大学の恩師ハリー・クバートに助けを求め、懐かしい海辺の家に滞在することに。
    ハリー自身作家でもあり、長身でハンサムな町の名士だった。

    ところが、ハリーの住む家の庭から白骨死体が発見され、33年前に失踪した美少女ノラだとわかる。
    ハリーは15歳のノラと秘密の恋に落ちていたと告白するが、殺人は否定。
    誰にでも好かれていたノラだったが‥
    事情を探るマーカスの前に、意外な展開が?

    作者は1985年ジュネーブ生まれ。
    高い評価を受けている若い作家です。
    フランス語で書いているんでしょうね。
    アメリカのニューイングランドでも毎年夏を過ごしていたそうで、そこが舞台になっています。
    さて、後半はどうなるのでしょう?
    期待してます☆

  • 若い人の処女作だからか、やや冗漫な気が。その全てが伏線になっているのかも知れないが。会話が多いのですらすら読める。これも若い作家の特徴かもね。それにしても、これだけ中身が空っぽのマーカスのどこにハリーは才能を見出したのか、そんなマーカスがどうして処女作のベストセラーが書けたのか、ノラ殺しより、今のところそれが一番の謎だ。

  • 30年以上前に失踪した少女の遺体が見つかったことから、静謐な港町に住む人々の秘密のベールが一枚一枚めくられていく。それ自体は北欧辺りによくありそうなパターンの設定ながら、舞台はアメリカ。しかもメインプロットと絡んで、主人公とその先生の友情が話の根幹をなしていてこれが良く、主人公の成長と再生の物語ともなっている。しかもそれは30年にわたる物語で70年代の青春小説のような側面もある。そういう意味では少しトマス・H・クックを彷彿とさせるところもある。
    複雑なプロットに、現在、過去(事件の起きた時点、さらにそれ以前の主人公の青春時代)と様々な時制が絡みながら真相が明らかになっていくさまは見事としか言いようがない。果たして後半は?

  • 処女作が大ブレイクしたものの2作目が全く書けなくなったマーカス・ゴールドマンが頼りにしたのはかつての恩師で有名な作家のハリー・クバートだった。

    大学時代の教師であり、ボクシングではパートナーであり、作家としての在り方を教えてくれたハリーには決して言えない秘密の恋があった。

    ハリー邸の庭から33年前に消えた少女の白骨遺体が発見された。彼女こそハリーが愛した当時15歳のノラ・ケラーガンであった。

    恩師ハリーにかけられた殺人容疑を晴らすため、マーカスは事件を追うことに。

    出て来る事柄にいちいち振り回されたのはマーカスだけではないはず。あー、とかおぉ!とか反応しながらも少しもすっきり出来ないんだ、これが。だから読み続けてしまう。章ごとに書かれるハリーのことばに幾つも付箋を貼ってしまった。

    ノラの姿が、見えるのに本当のノラはその度に遠ざかって行くようで。彼女の存在が1番の、謎。

  • 面白かった!どんどん本に引き込まれて、夏のニューハンプシャーで過ごしている気分になった。
    主人公は2作目が書けない新人作家。気分転換にのどかな田舎町に住む恩師のところを訪ねていくが、その恩師が殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう。容疑を晴らすために事件を追い始めた主人公。明らかにされる新しい事実、新しい容疑者。二転三転する展開にどんどん読み進めてしまいます。読み終わるのが少しさみしくなるほど引き込まれました。

  • ファム・ファタールもの?
    非常に読みやすい。
    感想は下巻で。

  • 読みやすい。15歳のノラが謎だ。黒幕は誰か。

  • 二転三転する展開に引きまわされ、最後まで息つく間もなく読んでしまった。ミステリだけでなく師弟ものとしても恋愛ものとしても読める濃密な一作。

    中盤から終盤にかけての展開は見事だった。最後の風呂敷のたたみ方がちょっと急だったのと、犯人にそこまで驚けず「ふんふん」と流せてしまったのは残念だが、デビュー作としては素晴らしいと思う。

    そうそう、これ面白かったんですよ。新刊とか無いのかなー

  • ちょっとしたやりとりまでアメリカンなノリの、典型的ジェットコースター・エンタテイメント。言われてみれば確かに、「アメリカ像」がテンプレを越えて戯画的ですらあって、スイス人がフランス語で書いたものと聞いて納得したような、しないような。
    つかみと引きは一級。ただし底は浅めだし、ちょっとどんでん返しすぎの気味はある。四の五の言わずに楽しく読むための作品だろう。いわゆるひとつの「徹夜本」である。

    特筆すべきは、「15歳の少女を恋愛・性愛対象として見ること」に対する世間の目だ。本書においては「信じられない!」・唾棄すべき変質者・絶対に許すべからざる犯罪者…そういった反応で統一されている。どこかの後進国のような、「オンナは若ければ若いほどいいというのは男性の当然の本能」「アバズレメスガキにたぶらかされた気の毒な男性」などとふざけた声はかけらもあがらない。
    自分たちが生きる社会、自分たちの目に映る「常識」がいかにあてにならないものか、その事実をこれ以上ないほどくっきりとつきつけられた。
    まだまだマッチョなアメリカでさえこうなのだ。我が日本も、いいかげんに重い腰を上げないと、本当に亡国一直線だろう。

    2019/2/8〜2/9読了

  • 100:思いもよらない展開……! 下巻も気になる!

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