• 東京創元社
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本棚登録 : 282
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488010478

作品紹介・あらすじ

サンタクロースの扮装でめった刺しにされた男。一人の男の栄光、悲劇、転落、そして死。世界でシリーズ累計1000万部突破。世界を驚愕させた『湿地』『緑衣の女』に続く第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • ちょうど手元にあった時、本書が今年の翻訳ミステリー大賞と読者賞ダブル受賞と知る。読み始める時点で、もうウキウキである。
    クリスマスを目前に賑わうホテルの地下であった殺人。被害者は孤独なドアマン。彼の周囲を探りつつ、刑事は自らの孤独とも向き合っていく。
    誰にも言えぬ過去と傷。すれ違う家族の気持ち。
    賑やかで楽しげなホテルの裏に流れる不穏な空気…。
    さんざん多くのミステリーを読んできたので、いまや謎解きにはあまり期待をしなくなっている。それより、人物造形に深みがほしい。その点でこの作品は言うことがない。さらに、謎解きの点もうまい。さすがのダブル受賞。堪能した。

  • シリーズ3作目。相変わらず少し暗い影を落としながらストーリーが展開していくが、今回が一番読みやすく、面白かった。今後の娘との展開など楽しみ。

  • エーレンデュル刑事の第3弾。
    今まで2作も傑作ではあったが、3作目にして早くもこの作家は円熟の領域に達している。
    今回はホテルで起きた殺人が1件のみ。しかも刑事がホテルから一歩も出ないまま事件の解決まで話が進む。
    まるで舞台劇のような構成だ。それで全く飽きることなく話が展開していく。最後まで真相が絞りにくいストーリー展開もさることながら、北欧らしい切ないドラマも健在。
    特に今回は主人公の哀しい過去、被害者の栄光から挫折への半生、そしてそれにかかわった人々の転落とが微妙に絡んで物語に陰影を与える。
    クリスマスと言う明るい時期を背景に孤独な人々の姿が描きこまれるが、娘との関係改善、新しい出会い?を仄かに示唆するラストに救われる。
    見事な小説だが、残念なのは翻訳のペースが遅いこと。
    この作品が2005年作だから。10年遅れになる。
    早く次の作品を出してほしい!

  • インドリダソン三作目。これが一番読みやすかった。クリスマス前高級ホテルの地下室でサンタの姿のまま殺された男。捜査官エーレンデュルたちの地道な捜査で、被害者の悲しい人生が少しずつ明らかになる。今回はさらにエーレンデュルが自分の過去を見つめ、娘との関係を考えるパートが出てくる。強烈な過去の体験からどうしても解放されずに囚われてしまう人の心を、安易に解決しないのが良い。犯人の動機といい、今回は家族がテーマなのかな。

  • 昔気質の刑事、エーレンデュルのシリーズ3作目。クリスマスで忙しいホテルの地下で、ドアマンの死体が発見される。調べていくうちに、ドアマンは昔子どもスターだった事がわかる・・・。
     読んでる途中でこれは傑作じゃないかと思った。エーレンデュルが山での遭難を思い出すところ。ミステリーの枠にはまらない作品。人生でどうしようもない悲しさや喪失を抱えて生きていくのが人間なのだ。そういうエーレンデュルの内面深くが今回は描かれていた。この気持ちが娘に少しでも伝わればいいと思う。本国では次作もあるらしいし、本当に楽しみにしてる。

  • クリスマスソングが流れ、華やかな飾り付けがされたホテル。
    その地下室で、サンタクロースの姿をしたドアマンが殺害された。
    捜査官エーレンデュルは事件の真相を探っていく。
    ドアマンの過去
    捜査官エーレンデュルの家族
    そしてもう一つ、ある家族のエピソードが並行して描かれる。
    目に浮かぶ地下室はヒンヤリと冷たくて。
    誰もが孤独で淋しくて。アーナルデュル、良いわ。

  • 読み始めたらほかのことが手につかなくなる。クリスマスまでのカウントダウン、高級ホテルという限られた空間。巧みな設定のうえにいくつもの家族の物語が重層的に描かれる。子どもに見果てぬ夢を託す親は多い。が、子どもが自分にとって思いもしなかった「異形」の姿をあらわした時、親はどこまでそのありのままを受け止めることができるだろうか。それは、主人公の刑事エーレンデュルとドラッグとの離別に苦しむ娘エヴァとの問題でもある。幼少時のトラウマに苦しむエーレンデュルに幸あれと思わず願ってしまう。同僚の二人の刑事も実に人間的に描かれている。イブの日のラストは、あまりにもせつなく胸に迫った。「おお、父よ、この短い人生にわずかでも光を与えたまえ……。」

  • 孤独なキャラクターが多いのが、印象に残りました。
    前の2作より、身近に感じられるストーリーで、家族の関係性についていろいろと考えさせられました。
    訳者の方の後書によれば、この後の作品も、翻訳予定があるようなので、とても楽しみです!

  • エーレンデュル捜査官シリーズの3作目。

    アイスランドが最も賑わうクリスマスシーズン。
    たくさんの観光客で溢れる華やかなホテルで、そんな場所と対極にあるような暗い地下で起こった悲しい物語。
    まるでグドロイグルの子ども時代と、殺されてしまった現在との対比のよう。

    3作目のテーマは「家」だったように感じた。
    グドロイグルの「家」、サイドストーリーである暴力を振るわれた少年の「家」、そしてエーレンデュルの「家」。
    どの「家」にも、他人が踏み込めない影の部分があって、その心理に迫っていく描写に惹きつけられる。
    謎に包まれていた、エーレンデュルの過去に迫る部分もあり、シリーズとしてとても面白く読めた。

    今後のエヴァやヴァルゲルデュルとの関係も気になる。

  • 行きつ戻りつのストーリー、なかなか核心に迫らないけれど、それだけに引き込まれました。家族って、つくづく重いです。この作者の作品は3作目。これまであまりにドロドロと陰鬱なストーリーばかりだったので、これくらいだと軽いと思えてしまう、すでに病気です。

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