カールの降誕祭

制作 : タダ ジュン  酒寄 進一 
  • 東京創元社
3.62
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本棚登録 : 205
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488010508

作品紹介・あらすじ

ドイツでは、クリスマスに最も殺人が多い。十世紀から続く貴族トーアベルク家のクリスマスの惨劇を描いた表題作と、日本人の女子留学生に恋をしたパン職人の物語「パン屋の主人」、公明正大だった裁判官の退職後の数奇な運命を描く「ザイボルト」を収録。本屋大賞翻訳小説部門第1位『犯罪』のシーラッハによる珠玉の短編を、気鋭の版画家タダジュンの謎めいたイラストが彩る。ふたりの天才が贈るブラックなクリスマス・プレゼント。

感想・レビュー・書評

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  • 不必要な文飾を極端なまでに削ぎ落とした簡潔な文体で描ききだされるのは、人間の内面に抑圧されてきた狂気とも、悪とも、暴力とでもひとまずは言える。これが、ゲルマン気質なのだろうか。秩序を愛し、中庸を尊び、ひたすら恭順に世間を生きている人びとが、ひとたび、世間の秩序だった世界の中に自分が容れられないと気づくや否や狂気に囚われた戦士のように衝動的な暴力沙汰を起こす。まるで、それまでの自己が偽りで、今剥き出しにされたのが、本来のあるべき自己なのだとでもいうように。淡々と事態を叙する記述がかえって、その世界の酷薄さを物語るようで、居ても立ってもいられないような強烈な読後感をもたらす。主人公の内にあって常に抑圧を義務づけられた欲望のようなものはもしかしたら誰の裡にもあって、抑圧の激しさゆえに奇妙に捻じ曲げられ歪みきった怪物の姿をしているのではないか。読後、そんな恐怖感に襲われること必至。とんだクリスマス・プレゼントである。

  • シーラッハ作品は、「犯罪」しか読んでいなかったので、本作が2作目になります。

    が。

    大分前に読んだから、詳細覚えてません←

    この本を読んでる時に浦沢直樹のMONSTERに出てきた絵本を思い出した、ってことを思い出しました←←

    クリスマスには殺人事件が増えるっていうフレーズ、クリスティ作品に無かったっけか。

  • ★3.5
    全3編が収録された短編集。相変わらず無駄のない文章で、どんな事件が起こっても良い意味で淡々と読み進められる。中でも印象的だったのは、表題作「カールの降誕祭」。絵画への興味を母親に踏み躙られ、代わりとなる数学の世界を見付けたものの、その世界の無限を見た時に悲劇が起こる。そして、カールが鏡文字に認めた言葉の余韻が、恐ろしくも素晴らしい。表紙を始め、タダジュンの挿絵も印象的で、シーラッハの世界観にピッタリ。なお、「パン屋の主人」は『コリーニ事件』のスピンオフ作品らしいので、そちらの方も読んでみたい。

  • シーラッハの作品をチェックφ(..)

  • めちゃ考えさせられる内容。
    ただもう少し膨らましてほしいかな。

  • 文学

  • 人生が劇的に変化する様を観てきた著者だからこそなのかな?独特の読後感が味わえる三篇の短編集。面白かったです。

  • カールの降誕祭

  • 短編3作
    絵本っぽい

  • シーラッハの作品は初めて読んだ。罪とは何か?罪悪とは何か?シンプルな言葉で、考えさせられる。

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