犯罪

制作 : 酒寄 進一 
  • 東京創元社
3.83
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本棚登録 : 1670
レビュー : 352
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488013363

感想・レビュー・書評

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  • 嫌いではないが、物足りない。突き抜けたところがないのが残念。最初の1話が身に迫っていけない。何度かあったプロポーズを未だに一度も受けない理由がまさにコレ。軽々しく他人の神に誓えない(笑)消えてしまったが「阿南」「アブサン」のバタイユに似ていて今後を期待。

  • 得意ではないサスペンスものなうえに翻訳小説なんだけれど、淡々と説明される文章だからか、短編だからか、はたまた訳者さんのセンスなのか、読みやすかった。
    猟奇的な事件も多くてゾッとするけれど、「犯罪」と「人」について考えてしまう。
    ちょっと出来すぎと思う話もあるけれど、そこはまぁ、事実を元にしたノンフィクションということで納得(笑)
    最後の「エチオピアの男」は、ちょっとした感動話になっているんだけれど、確かに犯人の生い立ちとか事件の背景とかを考えると、、とは言うものの、最初の犯罪は100%罪だと思う。なのに、「いい話」になってしまっているのがちょっともやもや。

  • ドイツの弁護士であるフェエルディナンド・フォン・シーラッハが実際に経験した刑事事件をモチーフにした連作短編小説。
    どの話も短編の割には濃密だし、さくっと読めるのはいい感じですね。このミス海外編の2位に選ばれてますが、ミステリーと呼べる話は”サマータイム”ぐらいじゃないかなw
    読み始めた当初は平山夢明の『他人事』みたいなグロテスクな犯罪を淡々と描いてるだけだと思ったけど、後半もテーマは同じ犯罪だけどもっとやんわりした話とかもあって良かったです。著者の引き出しの多さを感じますね。
    淡々と感情を込めずに犯罪が語られるのは結構怖い。そして、そこに描かれる人間(犯罪者)たちは実際の事件がモチーフなだけあってどれもすごくリアルです。そんな11個の物語をどれも数十ページで描き切るのはすごいの一言ですね!
    でもやっぱ個人的には長~い長編の方がどっぷりとその世界感に浸かれて好きですねw
    普通に面白かったけど、そこまで絶賛するほどなのかは少し疑問です。

  • 弁護士でもある作者による、犯罪に関する短編集。
    乾いた語り口は、なぜ犯人が犯罪を犯したか、真相を語っているようでもあり、さらなる闇を映し出しているようでもある。

    弁護士の「私」がときどき顔を出すが、ストーリーは実話とも想像ともつかない。寡黙な男が強い酒を前に語ると似合いそうな、孤独を匂わせる11の物語である。

    とても好みか、と聞かれればそうではないが、不思議と記憶に残りそうだ。
    特に、「フェーナー氏」「チェロ」「棘」あたりが、犯人が犯罪を犯すまでの心情描写が哀しく淋しくて味わいがある。
    背後に闇組織の存在を匂わせる「タナタ氏の茶盌」「正当防衛」は、自分が疑い深いからか、説得力に欠けて、ちょっといただけない。特に前者の日本人の名前が「タナタ」というのがよろしくない。別の名字と間違えてるんじゃないかという感じがして、話全体の信憑性が薄れている。
    「幸運」「エチオピアの男」は希望を感じさせる、いい話だ。これはこれでよいが、ちょっといい話過ぎて、この作品集を象徴するストーリーではない気がする。


    *訳者の名前に見覚えがあると思ったら、先日読んだ『この世の涯てまでよろしく』の訳者と同じ。そう言えば、出版社も同じ。

    *1編、「それって共感覚なのか?」と思わせる話があったのだが、描写がさらっとしすぎていてよくわからない。作者が、真実を描くことに主眼を置いているとも思えないので、あまり追究しても仕方ないかな・・・。

  • 現役弁護士が自分の見聞きした犯罪から作り上げた短編集。薄目の味わいで、小説家ではない人が書いた感じ。つまりもっと肉厚にしたら面白いんじゃないかなーという個所がなくはない。でも薄味だからいい話というのもあって、特に冒頭と巻末の二編は作者の文体によく合った話だった。

    • だいさん
      冒頭の一遍は、デジャヴ
      冒頭の一遍は、デジャヴ
      2012/07/10
  • 様々な犯罪の短編。弁護士が語るせいなのか淡々としていて面白かった。

  • 淡々とした語り口でちょっと不思議な風合いの短編が並ぶ。ありていな表現で言えば犯罪者心理も人それぞれといった感じか。

  • 短編集。簡潔で、巧妙で、誠実で、フラットな語り口なのに、語られる内容に終始かき乱される不思議な感覚。むしろ、その語り口が生々しく鮮やかにするんだろうな。

  • 弁護士でもある著者が、自らの経験を元に書いた短編集、らしい。
    それぞれの犯罪者が抱える事情や事件の背景などに絡んだ、ちょっといい話、あるいは世にも奇妙な話、のような物語が並んでいる。
    数々の受賞を始め、非常に評判の高い作品だが、個人的にはそこまでの凄味は感じなかった。

    長編、短編の違いはあるが、思わず宮部みゆき氏の「理由」を連想してしまった。

  • 最後の話がむちゃくちゃイイ!

    弁護士である著者が実際に携わった犯罪をベースにした短編集。

    最初の話は淡々とした狂気が感じられて、実話ベースの醍醐味があったが、あとの話はう~んって感じ。

    実話ベースゆえの得体の知れない行動が、ナタのような重みのある切れ味になってますが、事件の再現ドラマを見ているみたいで、小説のような盛り上がりはあまり無いかな。

    ただ、変に脚色したり解説したり推理したりせずに淡々と語る文章が、犯罪なんて常人には理解不能なんだよと言ってるみたいで、創作とは違う刺激はあります。

    で、異色なのが最後の「エチオピアの男」
    ちょっとした感動ストーリーでラストを飾るに相応しいお話。

    普通の小説としてはイマイチだが、実話と知って読むとそれなりに面白いと思いますよ。

    まぁまぁオススメです。

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