薔薇の名前〈上〉

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488013516

感想・レビュー・書評

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  • 再読。公開された映画を観て原作を手に。クリスチャンですが異端や神学論争などとは無縁で知識もなく、ただただ圧倒されっぱなし。本書の舞台の奥座敷にスクリプトリウムと文書庫(螺旋型塔内図書館)。その図書迷宮のひとつひとつの書物が、あたかも当時のカタリ派やヴァルド派や小兄弟派やパタリーニ派やドルチーノ派などの、ようするに当時の異端各派の思索内容と対応しているかのようで、錯覚というかめまいがしそう。下巻感想に書くべきことだが、当時学生だった自分は本書に出てくるアリストテレスに無謀にも手を出した。

  • 中世北イタリアの修道院が舞台のミステリー。

    迷宮の文書館の描写が秀逸。
    こんな文書館があったら行ってみたい。
    特に写字生たちが仕事机に向かっているときの雰囲気が好き。

    書物が特別な存在だった時代に思いを馳せつつ次は下巻。がんばれ!

  • 推理小説としても秀逸。

  • 登場人物の名前が長かったりで、はじめはちょっと読みづらかったけど、慣れてしまえばかなり楽しい。
    下巻も楽しめそう。

  • 長ぇよ!(;>_<;)

    ……とはいえ、どっぷりハマるとこの雰囲気がたまらぬ~。妖しい中世宗教史。不可解な自殺。惨殺死体。抜け道。迷宮。謎の美少女。

    次巻が楽しみ。( ^ω^ )

  • ブクログでエーコとくれば、同時代ライブラリーの『記号論』の登録者だけが多くレビュー投稿は少ないこと。

  • 「わたしたちは、書物のために生きているのです」――上巻本文178ページより。
     グーテンベルクの印刷術が発明される約100年前、本がまだ特別なものだった時代の物語。中世イタリアの修道院を舞台に、修道士たちが書物を巡って繰り広げる事件の顛末を描いています。歴史小説としても推理劇としても人間ドラマとしても面白いのですが、ぜひ注目して頂きたいのは文書館の描写。当時の人々が知識や書物に対して抱いていた畏敬の念が伝わってきます。この本を読めば、図書館に対する見方が変わるかもしれません。
    (ラーニング・アドバイザー/図情 YAMAMOTO)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=326529

  • はじめは難しい本かと思ったが、とてもおもしろかった。ただ、キリスト教とかの背景が全くわからなかったのでそこがつらかった。

  • ミステリーの部分は悪くない。いやむしろおもしろいのだが、宗教のくだりがかなりつらい。仏教の宗派にも私は疎いのだからキリスト教の宗派なんてさらにわからないのだ。
    この部分が後々物語の核に大きく絡んでくるんだろうと信じて読んでいるが、正直流し読みしている感じは否めない。
    久し振りに結構つらい翻訳作品を読んでいる気がする。文章が、何とも。


    ちなみに映画のおかげでウィリアムは常に私の頭の中でショーン・コネリーが好演してくれている。

  • 上巻を読んだ時点での感想。

    特使として派遣された修道士ウィリアムと見習いのアドソが、とあるカトリック修道院で起こった事件を捜査していく。物語は成熟したアドソが遺した手記という形で語られる。

    第二、第三の事件がおこる中、教皇と皇帝の権力闘争や聖書の解釈や教義などの論争などが何度も繰り広げられる。舞台背景やキリスト教に対する教養がないと情報の波に圧倒されてしまう。正直、かなり読むのがつらかった。

    ひたすら難解なだけかと思いきや、優れた洞察力や推理力を披露するウィリアムと、それに感嘆するアドソはホームズとワトソンのようでもある。世間と隔てられ、俗世以上に宗教的戒律や思想が優先される修道院は、閉鎖的で横溝正史の小説にあるような閉鎖的で陰惨な空気が感じられる。

    また、ずっとウィリアムについていき、彼の見聞きしたものに驚くだけだった語り部のアドソが、ある展開においてそうではなくなっていくところなど、動きのある見所もある。

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著者プロフィール

1932年イタリア・アレッサンドリアに生れる。小説家・記号論者。
トリノ大学で中世美学を専攻、1956年に本書の基となる『聖トマスにおける美学問題』を刊行。1962年に発表した前衛芸術論『開かれた作品』で一躍欧米の注目を集める。1980年、中世の修道院を舞台にした小説第一作『薔薇の名前』により世界的大ベストセラー作家となる。以降も多数の小説や評論を発表。2016年2月没。

「2022年 『中世の美学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ウンベルト・エーコの作品

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