名探偵たちのユートピア (キイ・ライブラリー)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488015220

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  • 100、初、並、カバスレ、帯付。
    2011.4/1.鈴鹿ベルシティBF

  • 石上さんは「男たちのための寓話:私話ヒーロー論」というワタシにとってはバイブルのような本を書かれてる方で、エンタテイメントを分析的に読み解かせてはずば抜けた人だと思う。その方が探偵小説を分析したというので是非読みたかった本。

    「探偵小説」について
    「私にとって「探偵小説」とは、まるで「夜」のように不可解な「謎」が、強力な理性によって「昼」となる物語」
    「私自身の抱える「夜」的な「謎」つまり「コンプレックス」を、ひとつひとつ打ち破ってゆく道標になる。」

    このあたりが探偵小説の本質なのかもしれない。

    またこうも書いている。

    「いわゆる才能などまるでないと思い、体力気力にもてんで自信のない、そんなタイプの子供は、できるといったら「頭を使うこと」ぐらいなのかなと考えるのが関の山。そんな時「名探偵」に出会ったら、「ああ、これだこれだ」と自分の未来を夢想するのが当然だ。」

    ワタシが探偵小説にのめりこむ気分というのもこうしたものなのかもしれない。小さい時、トリック集をノートにつけていたというあたりも同じだなと苦笑する。

    ここで紹介されている黄金期の探偵小説はほとんど読んでいるが、もう忘れてる。おおまかなイメージくらいしか残っていない。石上さんはそこでこれらの本を読み返して5年かけてこの評論集を書いている。500冊くらい読んで途中でやめたとあるがなんというひたむきさ。

    年とって小さい頃に住んでいた町を訪ねたりするが、ワタシがするならこの時代の探偵小説を読み返すことかなと思う。今読むとまた発見もありそうだ。さりとて500冊も読みかえす情熱はない。

    クイーンを書くために全部読んでみたとカンタンに書いているが驚嘆しますね。

    評論としてはシャーロックホームズは西部劇小説であるとか、江戸川乱歩は性格が悪く、探偵小説のイメージを悪くしたという評論や横溝正史が甲斐甲斐しく世話を焼いていた話が面白い。

    それにしても懐かしい。

  • 国内外の古典と呼ばれるミステリ小説を読み解く一冊。石上さんの文章は読んでいて本当に楽しいし、発見もたくさんあります。脱線しますが、「ハヤカワミステリマガジン」の2007年2月号の大林監督との対談は面白かった。

  • <07/4/4〜07/4/14途中放棄>

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