- Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488015428
作品紹介・あらすじ
幼少期に触れた数多の名作。中学時代に萌芽したオカルティズムへの興味。洋書・洋雑誌の蒐集と耽読。翻訳に明け暮れた学生時代……荒俣宏氏をはじめとする先達らとの交流から、サンリオSF文庫で企画・翻訳した数々の作品、そして膨大な蔵書から翻訳術に至るまでを余すことなく綴る。ラヴクラフトほか怪奇幻想翻訳に一家を成す翻訳家による貴重な書き下ろしエッセイ集。書影・図版多数。
感想・レビュー・書評
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タイトルを見て、一流翻訳家の蔵書とはどのようなものか期待して読んでみた。内容は、著者の半生、読んだ本、集めた本、翻訳者としての仕事、翻訳技術、翻訳ツールまで、著者の思う事が細かく書かれていて、翻訳家を目指す人には、その仕事振りが参考になる本だと思った。ただ自分のような一般読者には、取り上げている本があまり興味が湧かないジャンルで、それに対する記述が緻密過ぎて理解できない部分が多かった。(蔵書とは関係ないパソコンの話も多い)また著者の自慢話としか読めないような記述も多く、興味が無い分野の蔵書のタイトルをこれでもかと並べられても、読み飛ばすしかなかった。著者は翻訳技術の精確さに自信があり、同業者のいい加減な翻訳を読むと憤りを感じるようで、英語のおかしな発音や「翻訳もどき」の事例を挙げて批判する記述がしつこいくらい何度も出てくる。(読者にも本を緻密に読み込む事を求めるが、それは大きなお世話かも)蔵書の写真や本のタイトルは盛り沢山だが、本の内容に関する話はかなり少なくて期待はずれだった。正直、翻訳技術やパソコンの話ばかりなので、タイトルと本の中身が全く違う印象を受けた。この本は「翻訳家の蔵書」というより「翻訳職人の翻訳論」にしたほうが良かったかも。
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正しい発音を細かく記載するのは、少しめんどくさい。
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分厚いし二段組で時間かかるかと思ったけど、蔵書の写真がたくさん載っているので、楽しく読めた。