12人の蒐集家/ティーショップ (海外文学セレクション)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 253
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488016593

感想・レビュー・書評

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  •  不思議な味の作品集。阿刀田高(例えば『街の観覧車』)、星新一作品を連想。12の奇妙な蒐集(家)にまつわる物語(連作形式)で、自らが奇妙な蒐集にのめり込んで自分を見失うに至る話、または奇妙な蒐集家の方から言い寄られる(品物の譲渡を乞われる)話がならぶ。どれも水準作以上の出来映え。物語にはそれぞれ(登場人物の周辺の)どこかしらに紫色おびた色彩のものが含まれている(通奏低音)。その色は象徴的に表されて不吉・不穏を醸し出している。蒐集という行為に憑かれ、運命を絡めとられた人物たちの異様な様に惹きつけられた。
     連作とともに収録されている中編「ティーショップ」はたいした秀作で、登場人物たちそれぞれの語る物語の連鎖、その自在(錯綜や円環)さに幻惑と眩暈を覚えた。物語られ、そしてそれに浴するという魅惑。小説(物語)の本質を巧く捉えたユニークな秀作。

  • (2016/03/15購入)(2016/03/15読了)

  • 読んでいる最中、これは東欧の星新一か?という思いがずーっと頭の隅にあった。

  • 奇妙な話。
    各話が最終話につながるのだけど、そこにどうつながったのか、理解できなかった…奇妙なまま読み終えてしまった…。

    小川洋子の『薬指の標本』を彷彿とさせる。

  • 何かをコレクションするってのは何故なのだろう。どういう心理なのだろう。と思わず考え込んでしまう。蒐集癖のある人々が登場するが、普通という幅から少し外れた処にいる人々のコレクションは、やはり少し奇妙な結末を招くのだろう。ユアグローとかアンドリュー・カウフマンではなく、ツヴァイクかホフマンに近い感じのちょっと不思議な話はとても面白い。

  • 著者はセルビアの作家で英語圏で注目されているというのでこれは無視できないと思い手に取ったが、なんとすばらしい!とっても不思議な世界に連れて行かれる短編12編+中編。ハードカバーで表紙のビジュアルなどブックデザインも内容にぴったりで秀逸。このデザインはおそらく著者自身もよろこぶのではないか。不思議といっても、後味の悪い不条理なお話が続くわけではなく、人情話ではないけどなんだかいい話、笑える話などのバランスがよくて、読んでいてたのしい。
    著者は70年代に主に英語圏のSFをユーゴスラビアに紹介する仕事をしていたという(翻訳だけでなく出版も)。その後40代になってからオリジナル作品の執筆を始めたとか。著書は20冊ほどにも及び、ほとんどが同じ人によって英訳されているようだ。ジヴコヴィッチさんの作品をもっと読みたいのでさらに翻訳が出るのを熱望。

  • ++ 「フシメ」 に ++

    サラッと読んでしまいましたが、

    残ったものが

    何かしら と

  • 12編の連作短編と中編一本が収録されている。
    「12人の蒐集家」はAかBかとオチを考えながら読んでいたら、Cだったという展開に圧倒されっぱなしだった。
    「ティーショップ」はひとり旅をしている女性が、ティーショップでお茶を注文したら、とんでもないことに!
    しかし、夢のある素敵なお茶でした。
    どの作品も独特な匂いのするものばかりで、久しぶりに充足感を感じた。

  • 素晴らしい!
    好みです。
    花切れまで紫とは、装幀も凝りまくってるなあ。

  • 黒田藩プレスから出ている『ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語』が面白かったのでこちらも購入。著者の表記が東京創元社版では『ジヴコヴィッチ』に改められた。
    帯には『東欧のボルヘス』とあるが、読んで連想したのはブルーノ・シュルツ。ボルヘスっぽさがあるのは確かだが……。また、訳者あとがきにあった『床だと思って歩いていたら、いつのまにか床が天井になって逆さまに歩いていた』というのがピッタリ。『紫』に拘った造本も美しい。

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