- Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488017088
作品紹介・あらすじ
導師と名乗る男に拾われ、共同生活を送りながらロックバンド"ディシーヴァーズ"を結成したストリート・キッズたち。導師の危険思想に多大な影響を受けつつバンドの練習に精を出す彼らが初のライヴを敢行したとき、楽屋で惨劇が勃発する。-そして十年後。列車脱線事故、百貨店炎上、ホテル爆破など大規模な惨事の現場に残される、かつてのメンバーの死体と動物の玩具。玩具には何の意味があるのか?そして犯人は誰なのか?横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞の鬼才が放つ、狂熱の本格ミステリ。
感想・レビュー・書評
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教祖がどんな暴れ方をするのか楽しみにしていたら、いきなり殺されミステリーになってしまったのは、残念。
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ミステリ。ロック。宗教。ストリートチルドレン。
密室殺人に見立て殺人にテロと、ミステリとして悪くない構成ながら…読みにくい。
漢字、干支、ロック、宗教などの薀蓄が、どれも興味ないからだろうか。 -
入念に書き込まれた前半部。導入部としては長いなあと思っていたら、後半部にジェットコースターのようなアップダウンが待ち受けている。警察と主人公、そして雑誌記者の3つの視点で進行するストーリーで前半部で仕組まれた仕掛けが次々と明らかに。既に何回か体験済みのトリックもあったが、予期せぬところで出くわすと驚かされた。生き残っているのは誰か、犯人は誰かと言うサバイバルゲームの様相を呈してくる。次々と登場人物が退場して、「そして誰もいなくなった」かと思ったら、ちゃんと生き残っていた人物が真犯人。後半の展開で存在をすっかり忘れていた自分が恥ずかしいが、それだけストーリーにのめり込ませる勢いがあった。
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ストリートキッズたちを集め、ロックにより自らの思想を喧伝しようとしていた導師・泉水和彦。
そのロックバンド・ディシーヴァーズのデビューの日、楽屋にて導師が殺害された。
それから10年後、導師の作った曲<啓示>の通りに市内で爆破テロが敢行されてゆく。
その現場にはバンドメンバーの死体と動物の置物が残されていた。
導師の啓示を理解し、行動しているのは誰?次に殺されるのは自分だろうか。。。
これ、鳥飼さんですか??これまで読んだものと随分違った印象なのですが。
なにより、虫がでてきませんよ!?
ロック史に輝くスターたちの名前や曲名では楽しめましたが、ミステリ的にはたいしたこともなく、干支などの薀蓄についてもよく調べたなぁ、よく盛り込んだなぁ、ぐらい。
そしてあの危険思想にはげんなり。
「宗教」「テロ」というとオウムを思い出しますが、現実のほうがインパクトがあり、特に入り込める部分もなく淡々と読み終えてしまいました。 -
タイトルに惹かれて読んでみました。
タイトルや小見出しにお気に入りアーティストの曲名などを付けている本を結構見かけます。
この小説もその手と思いきや・・・
「バンド名は導師の好きなキング・クリムゾンの名曲にちなんでディシーヴァーズに決定。」
なんて台詞が堂々と出てくる。
どうもキング・クリムゾンというバンドは『破壊』という言葉と同一視される傾向にあるようです。
この物語もご多分に漏れず破壊的です。ここまで書いていいのか?というくらい。
ロックに関するウンチクが沢山出てくるので、好きな人は案外楽しめるかもしれません。
これを購入した書店では
「最後に待ち受ける衝撃。あなたはこれを認められますか?」
みたいなコピーがついてました。
衝撃?認める?ちょこっと過激ではあるものの、普通過ぎるラストにちょっとがっかり。
ちなみにキング・クリムゾンというバンドはその音楽性とは対照的に、酒やドラッグに関する噂と
あまり縁が無い、ある意味珍しいバンド。ヘビーなのはあくまでその技術に対する異常なまでの
執着心からくる純粋性の表れなのかもしれません。
そして、この本のタイトル「太陽と戦慄」とは、キング・クリムゾンのアルバム「Lark's Tongues in Aspic」の日本語タイトルです。
KEY WORD>>太陽と戦慄(著:鳥飼否宇)
様々な理由で若くして行き場をなくした主人公を始めとするストリートチルドレン。
そんな彼らを連れてロックバンドを結成した、彼ら曰く『導師』。このスラッグ・ハウスではそんな彼らが導師の教えのもと、日々バンドの練習に明け暮れていた。
そしてついにバンドの初ライブの日にちが決まり、それが行なわれと時。今までの幻想が崩れ去るかのように悪夢の幕が切って落とされた。導師の死によって。 -
前半部分の導師の教えには確かに肯けるところもあるけれど、ああも延々と聞かされると、さすがにうんざりしてしまいます。もう、独り善がりの戯言にしか聞こえて来ません。それに洗脳されている主人公の考え方も、もちろんあまり好きではありません。そして、ディシーヴァーズの音楽性が私には合いませんでした。泉水導師が作る歌詞が何て言うか…ぶっちゃけダサい…。
楽屋で導師が殺された事件については、うっすらと犯人の目星が付いていたのですが、その導師が作った「神託X」の歌詞についての謎掛けは私には複雑過ぎて、ちょっと解りにくかったです。流し読みしてしまった箇所が無きにしも非ず…。でも、こういう方面(ネタバレになるのでハッキリとは書かないでおきます。)が好きな方や詳しい方には面白い謎掛けかも知れません。 -
「見立て」(?)の意味については、これはわからないよなあ……という印象。でも妙に気になってしまう要素だったので、それに引っ張られてさくさく読めた。個人的には音楽に詳しくなかったので、あまり雰囲気に馴染めなかったのが少し残念かな。
犯人は……分かりそうで分からない(苦笑)。破ったつもりのミスリードに落っこちた、かも。でも真の動機には感嘆。 -
「導師」と名乗る男性の指示により、ロックバンドを形成した家出青年たち。彼らがデビューした日、密室となった楽屋裏で「導師」は首を吊っていた。そして数年たち、「導師」の作った詩をなぞるように連続無差別大量殺人が起こる。
前半はロックバンドの仲間や導師の身の上が濃密に描かれているのだけれど、それが後半の連続した事件とうまくからんでいない気がする。 -
-20070816
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逆説探偵―13人の申し分なき重罪人 みたいな感じのが読みたくてこの頃鳥飼 否宇さんの作品をたくさん読んでるのですが、なかなかめぐりあえません。残念。