少年検閲官 (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017224

感想・レビュー・書評

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  • 場所は日本で、書物が排除された世界。
    日本というイメージが保持しづらい感じで
    こういう、世界観はちょっと苦手なのだけれど、
    後半はとても引きつけられた。

    二人の少年、エノとクリスが
    暗い物語を救いあげていたように思う。

  • いやあー、面白かった!
    本が検閲官により焚書される時代。ミステリーなのに少しファンタジーとSFが混じっているような。わくわくしながら読みました。
    森の中の壁ってなんだったんだろ。
    クリスの言葉遣いが少し可愛らしすぎるような気もした。
    続編があるようなので読みたいです。

  • 読了、85点。

    **
    何人も書物の類を所有してはならない。
    ミステリー小説が誰からも忘れられた世界では謎が謎とされずあるがまま受け入れられてしまう。
    その世界でクリスはかつて父親から聞かされたミステリに思いを募らせながら旅をし、やがてある村で凄惨な殺人事件に遭遇する。
    村のあちこちの家に赤い十字架の刻印がなされ、さらに首切り殺人が起きている、そしてクリスは書物を検閲するために育てられた少年エノと出会う。
    **

    初北山作品読了です。
    最初に読み進めて行くと書物が無くなりミステリというものを誰も知らず、不思議なことの理由を不思議であると考えない(幽霊の存在をそのまま受け入れてしまうなど)世界を主人公の目を通して少しずつ明らかになって行く。
    そういう過程が僕は凄く好きなので最初からドキドキしっぱなしでした。

    またミステリの要素をガジェットというアイテムに落とし込んで、それを持つ者だけがその要素を理解出来る、というアイデアも非常に斬新で面白く読むことが出来ました。

    終盤の真相が若干突飛過ぎるのと、タイトルにある検閲官という少年の存在があまり掘り下げられず、続刊に期待、のような終わり方になった部分だけがやや残念でした。

  • ミステリ・フロンティア・シリーズ。
    この世界感を作り出した事。その作った世界感における
    ルールで非常に上手く書かれています。溺れることなく
    しっかりと(いくつか未回収はあるけど)「ミステリ」しており
    面白く読めますー。
    ちゃんと動機も方法もそして探偵も犯人も矛盾はしていない。

    タイトルにもなってる少年検閲官の登場が半分を過ぎてから
    ってのがやや、遅い気もしますが、それまでにたっぷりとこの
    独特の活字のない世界、書物のない世界、ミステリのない世界、
    犯人も探偵もいない世界をじっくり書いている分、後半の謎解き、
    真相究明が活きてきますね。
    とは言え流石の北山氏、トンデモなトリックだったりしますがw。

    書物のない世界で主人公のクリスくんがミステリを探し、
    ガジェットを探す冒険談。そして少年検閲官のエノくんのルーツの謎。
    いっぱい続編読みたいなー。

  • 書物、物語が禁じられた世界を舞台にしたミステリ。

    先日、北山さまのデビュー作『『クロック城』殺人事件』を読んだ時にも感じましたが、
    特異な世界の在り様と、そこでしか起こり得ない事件の現れ方が、とても印象的でした。

    今回の真相は特に衝撃的で、
    真相を知った時に、理解できない怪物を見てしまったような不気味さと、
    それが成立してしまう哀しさを同時に感じました。

    ミステリの無い世界でミステリ的事件が起きたら、という仮定も面白かったです。

  • 期待通り予想のつかないトリックと動機でとても楽しめた。

  • 本がない世界。想像もした事がないような世界で事件が起こる。それはあまりにもむごいもの。本がないので当然ミステリというものを知らない人々。そして明かされる事件の顛末。壮大な世界観と想像を超えた真相。北山猛邦の表現する世界は何にも変え難いものがある。

  • 設定に興味をひかれながらも、長い間手に取ることがなかった本。舞台は日本のはずだが、あまり日本らしく感じず、むしろこの世のどこにもない国のような、不思議な感じが終始漂っていたのは、焚書により築かれた概念が支配するからなのか。タイトルにもなっている少年検閲官は魅力的だし、ガジェットの扱い方も好きだが、トリックがどうも……元々変にトリックの凝ったミステリーは個人的にあまり好まないので、その点だけいささか鼻白んだものの、少年たちの今後の物語を夢想させる、よい1冊ではあった。

  • 焚書により書物が駆逐される時代。旅をしてきた英国人クリスの目で見る情景だからなのか日本のはずなのにどこか西洋のような雰囲気が漂います。序章や間奏による話の流れや「探偵」という言葉の使い方、ガジェットの作成された経緯など本当に読み手を惹きつけるのが上手いと思います。一気にひきこまれて読み進めました。ミステリという概念がない世界というのはこうなるんですね。犯人の見当は意外と簡単につきましたが、死体処置の必然性にはわかったとき鳥肌がたちました。ラストの展開もとても好きでした。続編を読むのが楽しみです。

  • Over The Moonさんで知った本。

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著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビュー。代表作として、デビュー作に端を発する一連の〈城〉シリーズなどがある。

「2022年 『月灯館殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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