配達あかずきん (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017262

作品紹介・あらすじ

「いいよんさんわん」-近所に住む老人に頼まれたという謎の探求書リスト。コミック『あさきゆめみし』を購入後、失踪した母の行方を探しに来た女性。配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真…。駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の良いアルバイト店員・多絵のコンビが、さまざまな謎に取り組んでいく。初の本格書店ミステリ、第一弾。

感想・レビュー・書評

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  • 書店員が日常の謎を解決。
    1.パンダ:独居老人リクエスト,隠れた犯罪を暴く。
    2.標野:音信不通の理由
    3.赤頭巾:得意先配達
    「名探偵に乾杯」「宙の旅」読みたい。

  • 書店員だった作家ならではの、書店の実態、日常、舞台裏が、書かれている。
    それらをエッセンスに、主人公で、しっかり者の杏子が、不器用だけど、勘の鋭い女子大生の多絵に助けられながら、謎解きをしていく。

    「本を見つけて欲しい」と言われるが、ヒントは、日本語にはなっていない、寝言よりひどい物だった。《パンダは囁く》

    「母親が、本を買った後に、行方不明になった。どんな本を買ったか教えてほしい」
    と尋ねられる。謎を解いていくうちに、弟の悲しい過去の恋が、明るみに。《標野にて 君が袖振る》

    配達先の美容院で、本の中に、客の盗撮写真が、挟まれていた。犯人は、配達ルートを、熟知している者か。《配達あかずきん》

    「ワーカーホリックで、胃を壊し、入院している時に、母親が、持って来てくれた本を選んでくれた、書店員に、お礼が言いたい。」と、女性が来た。ところが、いくら探しても、該当者が、見つからない。《六冊目のメッセージ》

    ディスプレイコンテストに参加するべく、奮闘する、新人アルバイト。
    対象商品は、超人気コミック。ところが、そのコミックは、今、盗作問題で、世間を騒がせている真っ最中。《ディスプレイ、リプレイ》

    私的には、六冊目のメッセージが、ほのぼのとした読後感があり、好み。

    書店員だと思っていた人は、版元の営業マンだった。
    「本屋さんって、私の知らない世界が詰まっている場所でした。」
    書店員を探していた女性は、言った。

    ワタシも、今すぐに本屋さんに行きたくなった。

  • 本が好きな人には最高のミステリーですね。
    ほのぼのな感じがします。
    次が読みたくなりますね。

  • やっぱり本好きって本屋さんも大好きですよね。
    でもってブクログを始めてから、本屋さんが舞台の小説が沢山ある事に気付かされました。

    今回のこの本も凄く読みやすかったし、
    作中にタイトルだけ出る本も読んでみたいと思ったり。
    どのお話しも良かったけど、「標野にて 君が袖振る」は心臓にジワ~っときました。
    「六冊目のメッセージ」もその後の2人が気になる感じで。

    第2弾、第3弾も読まなきゃ。

  • 私は最近知った作家さん。

    本屋で起こる謎を解くミステリー。

    始めは謎解きよりも本屋さんの仕事が具体的で面白く、ミステリーとしては、最後の2つがよかったです。

    本屋の店員も、図書館の職員も、それほど大変な仕事だと思われていないと思いますが、お客さんの質問に答えたり、本を手に取ってもらうためのコーナーを作るのにはかなりの知識が必要で、陰の努力が欠かせないということが、これらの仕事を知らない人によく伝わるかな。

    たくさん本があるのに買いたい本が見つからない本屋、スペースは小さくてもすぐ「買いたい!」と思う本が目に留まる本屋、その違いはやはり書店員さんの知識、そして自分との相性によるのかな、と思います。(図書館にも言えます)

    駅ビル内にある、カフェが併設されている、建物がおしゃれ、など利便性やデザイン性が何かと話題になるたび、中身が肝心なのになあと思わずにはいられません。

    日頃本屋にあまり行かない人にこそ読んでもらいたいと思います。

  • 書店が舞台のライトミステリー。書店員がそこまで首を突っ込むか?という感じもするが、無事解決するのでいいのだろう。六冊目のメッセージが一番良かった。

  • 本好きとは別に本屋好きってのがいるのね。
    最寄駅前の大型書店を普通に愛用しているわたしには、なかなか奥深い部分がありました。

    お話もドキドキしつつもほのぼのしたところがあって、読んでて楽しかったです。
    本屋さんを見る目がちょっと変わっちゃうなぁ。
    本屋さんに行くのがより楽しくなりそうです。

  • 書店を舞台に色々と事件が起こるけど、実際でもありそうだなっていうものが多かった気がします。個人的に好きなのは、配達の時の話です。女の子に大きな怪我が無くてよかった。最後の実際に書店で働いている方々の座談会も楽しかったです。私も少しだけ書店で働かせてもらっていた時があったので、お話を読みながら「分かるー!」ってなりました。

  •  「書店の謎は書店人が解かなきゃ!」という帯コピーのまんまの内容です。
     駅ビルの6Fにある書店「成風堂書店」のしっかり者店員杏子さんと、手先は不器用だけど、勘の鋭い推理力を持つアルバイト店員多絵ちゃんという名コンビが、書店を舞台にした日常の謎を解き明かしていくというシリーズ。
     これがシリーズ第一弾。短編5本を収録している。2006年の刊行だけど、今年初めてこの著者もこの作品も知った。
     本や読書についての本なら詳しいと自負していたのに悔しい! いつの間にか本屋や本から遠ざかっている自分が不甲斐ない。
     でも、この本を読んでいると、とても書店という空間に身をおきたくなるから不思議。暖かな空間が、ふわりとイメージできる連作集です。

     各タイトルと私の評価は

     「パンダは囁く」 ★★
     「標野にて、君が袖振る」★★★★★
     「配達あかずきん」★
     「六冊目のメッセージ」★★
     「ディスプレイ・リプレイ」★★★

     といった感じ。本の内容と物語がリンクする「標野ー」は、本をめぐる小説としては、素晴らしい出来だと思います。
     切なさや、ラストの意外さも◎
     
     ネット書店では、こんなストーリー構築は難しいよねえ。
     とかいって、既にネット書店を舞台にしたミステリーがあったりして。。。

     

  • 書店を舞台にし、本のネタが沢山盛り込まれていて、本好きにはたまらないストーリー。店員もお客さんも本を愛している気持ちがベースにあり、読後感もよい。魅力的な短編集。

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著者プロフィール

大崎梢
東京都生まれ。書店勤務を経て、二〇〇六年『配達あかずきん』でデビュー。主な著書に『片耳うさぎ』『夏のくじら』『スノーフレーク』『プリティが多すぎる』『クローバー・レイン』『めぐりんと私。』『バスクル新宿』など。また編著書に『大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー』がある。

「2022年 『ここだけのお金の使いかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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