贖罪 (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
3.53
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本棚登録 : 5768
感想 : 963
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488017569

作品紹介・あらすじ

美少女殺害事件から3年後、投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を変えた。

感想・レビュー・書評

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  • 米ミステリー小説界で最高の栄誉『エドガー賞』にノミネートされた本です。

    「贖罪」では伏線やどんでん返しが少ないと言われていますが、そうゆう類の本ではないという事をご理解いただきたいと思います。
    罪に対する向き合い方、過去の罪は周り回って帰ってくるという世の恐ろしさ、そして理不尽なまでに罪悪感を抱き続けた少女たちの将来の姿など、見事に「ウラガワ」を本作では見せてくれたと思います。

  • 湊さんの作品が大好きで、全部は読みきれてないけど結構たくさん読んだと思う。
    一番の思い出は、やはり好きになる切っ掛けとなった告白だけれど、一番胸に残っているのはこの贖罪。最近久しぶりに再読したが、初めて読んだ時はなんとも表現できない衝撃を感じた。どんどん嫌な予感が明かされていく感覚とか。
    改めて、この本における償うということについて思いを馳せてしまう。人生ってなんだ。それぞれの登場人物の視点に立って読めるのがいいよね。

  • 約12年ぶりに読んだ。
    忘れている部分もかなり多かったけど、読んでいるうちにみるみる思い出していった。
    この本とは昔からすっごく相性がいい。12年前と変わらず、スッと入ってくる。

    湊かなえ先生の作品はいくつか読んでいるけれど、この『贖罪』は特別に好き。

    でも、何故そこまでこの本を気に入ったのかがよくわからない。はっきりとわかっているのはひとつだけで、このベリーの装丁。
    発売当初に単行本で買って、その時の表紙がこれだったのね。単行本なんだけど、がっしりしたハードカバーではなくて、ぐにゃっとできるタイプのやつ。
    私の中で『贖罪』は、文庫本じゃしっくりこないの。このデザインの単行本じゃないと。

    それはいいとして、内容についてなんだけど、なにがそんなに自分の心を掴んだのかを知りたい。
    この物語を読んで、なにを得たのか。どうして満足したのか。
    私にとって重要なものはなんなのか。

    だから考えてみたんだけど、わからなかった。ただ物語にのめり込んだ、それだけ。「好きなことに理由なんてない」そんな感じ。

    このお話はイヤミスに分類されているみたいだけど、私は全然イヤミスだと思わないよ。スッキリした終わりかただし、読み終えたあと、まったく嫌な気持ちにならなかったから。

  • 静かな田舎町で殺された女児。犯人の目撃者となった4人の女の子は、みな「顔を思い出せない」と言い、事件は迷宮入りする。

    「あなたたちを絶対に許さない、必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、私が納得できる償いをしなさい」

    少女たちに、死んだ女児の母親から呪いの言葉をかけられる。
    そして事件から年が経過し、殺人の時効を目前として、次々と成長した少女たちが事件の当事者となる。
    女となることを拒み続けた少女は、異常な性癖をもつ夫を。
    償いを選び学校の教師となった少女は、学校に侵入した変質者を。
    自らを責めひきこもりとなった少女は、優しかった実の兄を。
    そして、親からの愛情を受けられず非行に走った少女は、姉の夫を。

    しかし、呪いの発端は、被害者の少女の母親の隠していた過去にあった。

    少女たちのせいではないのに、呪いの連鎖のように次々と起こる事件。
    すごく続きが気になって、1日で読んだのだけど、たくさんの方のレビューにもあるとおり、読後感の悪い(というか重い)話でした。

    一番わからなかったのは、犯人像と、話の核となるべき動機。
    麻子さんがしたことって秋恵を想う男の子を唆したこと、遺書を隠したことくらいで、それは娘を殺されるようなことなのかと。
    親友の気持ちを知らなかったのは、彼女の無神経さや無頓着さによるものだとしても、二人とも何も言ってないからそれを責められてもね。
    最終的に秋恵ではなく彼女を結婚相手として選んだのは本人なのだし、焦って事故を起こしたのも本人なのだし、秋恵の自殺の原因は彼の結婚にあって(しかも「妊娠」は本当にしていたわけだし)。
    彼がどんな憶測をしたのかわからないが、犯人が知ったであろう事情を元にしても、彼女をそこまで恨む理由がわからない。
    自分を捨てて逃げたことを恨んでいるのか、
    自分宛ての遺書を隠していたことを恨んでいるのか、
    どっちにしたって逆恨みとしか思えないのですが。
    そして、教師をしていた熱い男が、なぜ母親を恨んで罪のない幼い子供を殺すのか、それも性犯罪という形で。
    どんなに恨みがあったって、ロリコン癖のある異常者じゃないと、そこまでできないとしか思えないのよね。そういう伏線はなかったしね。
    しかも、そんな事件起こしてから、のうのうとフリースクールの運営をするって、どういう男やねんと思いました。
    麻子の独白では、まっすぐで情熱的な男、という描写しかなかったから、幼い子にこんなひどいことをする犯人とはうまく結びつかなかった。

    そんなわけで、読んだ後も空白部分に色々と想像を巡らし、胸に残る話だったけれど、★は3つですいません。

  • 取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方六時には「グリーンスリーブス」のメロディ。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる―これで約束は、果たせたことになるのでしょうか?衝撃のベストセラー『告白』の著者が、悲劇の連鎖の中で「罪」と「贖罪」の意味を問う、迫真の連作ミステリ。本屋大賞受賞後第一作。

  • 「告白」に続き著者2作目。前回がイマイチだったから期待はしてなかったけど…やっぱりなぁ、というかんじ。面白くなくはないんだけどね。ここまで人気があるのは本当に疑問。
    内容に対して「贖罪」というタイトルが大仰。幼い頃、友人の母親に言われたことがトラウマになって…結果に対しての動機が希薄というか。もちろんトラウマになりえるだろうし、少なからず後の人生に影響を及ぼすでしょう。でも、みんながみんなこういった結末を迎えるほど強いものとは思えない。
    湊かなえってやっぱり小説家ではなく脚本家だな、という印象。もしかして第三者視点の情景描写が苦手?映像にしたらそれなりに面白そうだけど小説としては疑問符。

  • 湊 かなえ 著
    湊さんの「告白」って本を思い出した作品だった。
    作者は告白文というか 出来事の詳細を語るのが とても上手ですね…ある田舎町の日常生活に潜んでる危険な被害に子供の頃、遭遇した 子供が大人になってどのように その時の問題に対峙しているのか?トラウマを持ったまま生きてるのか?連鎖なのか?まわりの大人たちの受け止め方…現在にも起こりうる事件を掘り起こしながら 心情も投影させている。
    ミステリーというより 事件が起こった事から現在に至る経緯が 告白文(手紙)によって白日の下に晒される
    なんだか 気分が重くなるようなストーリーであった。
    忘れている部分が殆どな子供時代の自分 忘れたフリをして自分の中でも思い出したくもない記憶
    子供の時の自分が 何かに遭遇した事は覚えていても その時に どう感じたのか?は思い出せない というか大人になって その時点の気持ちを推し量る事は出来ない。
    ただ、大人になって振り返ってみると 子供だったから…ってすまされないような 罪悪感を感じる事がある(多分 それは 大人になったから理解出来るようになったからかもしれない)忘れる事も人生だし、忘れるから生きていられる事実もあるが…大人になると 子供の頃の自分や子供が どう捉えているのか?気持ちを同じに出来ない事(同じ視点に立って見れない)は沢山あると思う。経験のある大人が その子供の気持ちを汲み取る事が どんなに大切な事かを この作品は改めて感じさせてくれたし、大人や親が 子供に気を使うということではなくて…正しく 物事を判断出来るように導いていくことが大切だと感じた。
    もしも…あの時 こうしたら こんなふうに捉えていたら…なんて事を 今でも 思うことが沢山あるけど、残念ながら?人生において 「もしも…」なんて事はない!存在しない事なんだと肝に銘じなければと思う。

  • イチゴの装丁が気になって買ったけど
    内容はまったくうつくしくもかわいらしくもなく

    どろどろのイチゴジャム

  • 母親の愛情と呪縛、罪、偶然と運命がずっしりと重たい。
    苦しくて目を逸らしたくてじっとり気持ち悪いのに何度も読み返してしまう本。ぐいぐい引き込まれます。
    読後の不快感が凄まじく、個人的には告白を超える「イヤミス」の頂点だと感じました。

    湊かなえの作品によくある 独自形式(章ごとに主人公が変わる)で書かれており、面白さは折り紙付きです。イヤミス大好きで沢山読むのですが一番好きな作品。

    作中のキーポイントとなる「グリーンスリーブス」もまた気味悪さのある美しい曲なので、聴きながら読むと雰囲気倍増します。

  • この作者の構成力に脱帽。一つの事件を巡って一話一話別の人の告白として語られ、最後はつながり、単なる謎解きでなく、罪と贖罪の意味を問う。

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著者プロフィール

1973 年広島県生まれ。2007 年「聖職者」で小説推理新人賞を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビュー。本著は、「2009 年本屋大賞」を受賞。12 年「望郷、海の星」(『望郷』収録)で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。16 年『ユートピア』で山本周五郎賞受賞。18 年『贖罪』がエドガー賞ベスト・ペーパーバック・オリジナル部門にノミネートされた。その他の著書に、『少女』『高校入試』『物語のおわり』『絶唱』『リバース』『ポイズンドーター・ホーリーマザー』『未来』『落日』『カケラ』などがある。

「2021年 『ドキュメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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