超動く家にて 宮内悠介短編集 (創元日本SF叢書)

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  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488018269

作品紹介・あらすじ

「深刻に、ぼくはくだらない話を書く必要に迫られていた」――雑誌『トランジスタ技術』を“圧縮”する謎競技をめぐる「トランジスタ技術の圧縮」、〈ヴァン・ダインの二十則〉が支配する世界で殺人を企てる男の話「法則」など著者自ら選んだ16編を収録。吉川英治文学新人賞・三島由紀夫賞受賞、直木・芥川両賞候補など活躍めざましい俊英の正体を目撃せよ。

感想・レビュー・書評

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  • 2018年2月 短編集作品

    TVで「トランジスタ技術の圧縮」の話を聞いて
    懐かしく思い読んだ。他は読まず。

    単純な作業を大会にしたり、修行にしたり、笑わずにはいられなかった。笑ってくれる読者は理系だけかな?

    作者の経歴を聞いて、理系の血を感じた。
    今後、読んでみたいと思った。
    東野作品が好きなので、似たテーストに期待。

  • ユーモアに満ちた異色SF短編集。
    『トランジスタ技術の圧縮』5…謎競技
    『文学部のこと』2…発酵?
    『アニマとエーファ』4…物語を紡ぐロボット
    『今日泥棒』3…日めくりカレンダーコント
    『エターナル・レガシー』3…MSXで碁
    『超動く家にて』5…マニ車連続密室殺人事件
    『夜間飛行』3…AI飛行機
    『弥生の鯨』5…海女とメタンハイドレート
    『法則』3…ヴァン・ダインの二十則
    『ゲーマーズ・ゴースト』4…駆け落ちドライブ
    『犬か猫か』2…ぬいぐるみ
    『スモーク・オン・ザ・ウォーター』3…隕石と癌の父
    『エラリー・クイーン数』4…Wikipedia
    『かぎ括弧のようなもの』2…バールじゃなくて
    『クローム再襲撃』3…ギブスン春樹
    『星間野球』5…野球盤真剣勝負

  • シリアスでない宮内さんも面白い。

  • くだらなくてマニアック過ぎて意味不明な作もあるが、さすがに面白い短編もあり。彼の全ての分野についていける人、いるのか?

  •  これまで『盤上の夜』や『ヨハネスブルグの天使たち』など、シリアスな作品を書いてきて直木賞・芥川賞の候補にもなった気鋭の作者による、バラエティに富んだ16編の短編を収めた初の自選作品集。
     収められている作品は、作者がこれまでの作風から「洒落や冗談の通じないやつと思われてしまわないだろうか」という不安の反動から選んだという、思いっきりライトでくだらない、ある種の”バカSF”や”バカミステリ”ばかりだ。

     冒頭の『トランジスタ技術の圧縮』という作品は技術革新の話かと思いきや、「トランジスタ技術」という分厚い雑誌からすばやく広告ページを切り取って収納しやすいように圧縮するという、アナログな手作業の競技を扱っている。そのほかの作品も多かれ少なかれ、ばかばかしいアイデアを存分に膨らませて書きなぐった感じで、決して粒揃いとは言えない。
     このなかでも、消えゆく言語で物語を作るロボットが主人公の『アニマとエーファ』がもっとも作者らしい作品で印象に残っており、結局それ以外の短編はただ変わった面白い作品というレベルだった。

  • 玉石混交の短編集。とはいえそこは宮内悠介、石の方もキラっと光っている。

    表題作のバカげっぷり、冒頭作の荒唐無稽…、これら真面目にやっちゃうんだもんなぁ。面白さを感じる作者の視点が好みである。

    作者の有名諸作に比べたら、これってネタ帳?的な粗っぽさがあるものの、緻密だけない勢いがあってこれはこれでよい。ただし、このレベルの作品ばっかり読まされると「どうした宮内」と思ってしまうのは否めないが。

  •  鉄ならば駅の窓口に広告ページのないJR時刻表が常備されていることを誰しも知っているだろうし、ドスマガのような広告だらけの厚い雑誌の広告ページを取り除いて薄く仕立て直す話はきいたことがある。技であればこそ競い合いも生じ極めるものもあらわれるのは道理でなんの不思議もない。超動く家のあっと驚く墜死トリックもどこかで見たことがある。そんな物語にほほうと膝を乗り出すか馬鹿馬鹿しいと斬り捨てるかは人それぞれというしかない。その前者であるぼくにはこの珠玉の短編集はたいそうおもしろく読めた。駄作がほとんどなく粒ぞろい(人によってはすべて駄作(笑))。自由自在、才能あるなこの人。

  • 発売と同時に買ったんだけれど、えらい時間がかかってしまった ...... というのも電子書籍に初挑戦してみたのだけれども、どうにも合わなくて、ついに観念して紙本で読んだ。

    さてボツにするには惜しい作品を集めたという短編集。
    素材はバラエティに富むものの、やはり IT系や宇宙モノ多く、そのあたりが科学に縁遠い身としては、緊張感あっていい。
    いささか柔らかいというか、途中でくじけて流れた?というか、検索したくなる欲が通常よりは低めモード。
    軽く楽しめました。

    なのに、電子書籍だと進まなかったのよね。。
    気が散っちゃって。
    慣れだろうけどね。

  • 好みの話が多くて嬉しかった。「ネタに偏った作を選んだ」とのことだけどバラエティにとんでて楽しい。「星間野球」を最後におけなかった『盤上の夜』を読んでみないとな

  • 解説にある通り「宮内悠介バカSF短編集」
    1話目がバカバカし過ぎて、かなり好き。

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著者プロフィール

1979年生まれ。小説家。著書に『盤上の夜』『ヨハネルブルグの天使たち』など多数。

「2020年 『最初のテロリスト カラコーゾフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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