仮面の大富豪 下 (sogen bookland サリー・ロックハートの冒険 2)

  • 東京創元社
3.14
  • (0)
  • (5)
  • (15)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 48
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488019631

作品紹介・あらすじ

劇場で裏方をつとめていたジムは、命を狙われているという奇術師が劇場から脱出するのを助ける。海運会社の倒産事件を調べるサリーと、命を狙われているという奇術師の事件を調べるフレッドとジム。一見ばらばらの事件が、調べを進めるうちにひとりの大富豪に集約していく。イングランド北部に広大な工場を建て、貴族の令嬢と婚約。華やかな活躍の陰に秘められた怪しい過去。核心に迫るサリーと仲間たちの上にも魔の手が…。巨大な悪に立ち向かうサリーが最後に下した決断とは?カーネギー賞70周年記念オールタイムベストに輝く『黄金の羅針盤』の著者による感動の大作。フェニックス賞オナー受賞作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • [ 内容 ]
    <上>
    「マハラジャのルビー」事件から六年。
    サリーは財政コンサルタントとして、忙しい毎日をすごしていた。
    冒険を共にしたフレッド、ジムとはいい仲間だし、シャカという忠実な犬もいる。
    そんなある日、サリーのオフィスにひとりの老婦人が訪ねてきた。
    二年前にサリーの薦めで投資をした先の海運会社が倒産、老後の貯えをすべて失ってしまったのだという。
    背後に見え隠れする、謎の大富豪の存在。
    やがて事件は、巨大な渦となって、彼らを巻き込んでいく…。
    名作“ライラの冒険”にも負けないスケールと感動。
    ヴィクトリア朝冒険物語第二弾。
    フェニックス賞オナー賞受賞作。

    <下>
    劇場で裏方をつとめていたジムは、命を狙われているという奇術師が劇場から脱出するのを助ける。
    海運会社の倒産事件を調べるサリーと、命を狙われているという奇術師の事件を調べるフレッドとジム。
    一見ばらばらの事件が、調べを進めるうちにひとりの大富豪に集約していく。
    イングランド北部に広大な工場を建て、貴族の令嬢と婚約。
    華やかな活躍の陰に秘められた怪しい過去。
    核心に迫るサリーと仲間たちの上にも魔の手が…。
    巨大な悪に立ち向かうサリーが最後に下した決断とは?
    カーネギー賞70周年記念オールタイムベストに輝く『黄金の羅針盤』の著者による感動の大作。
    フェニックス賞オナー受賞作。

    [ 目次 ]
    <上>


    <下>


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 水戸黄門に京劇とホラーをブレンドしたような内容。
    しかし、黄門様がいないため、助さん角さんが暴走列車のように暴れちらかす。

    終盤、ある女が男を殺害する描写があるが、全ての読者は「逃げてー」と思うにちがいない。前科者の女だから。
    浮ついた表情で元彼の仇を射殺。何やらブツブツ呟きながら。
    恐ろしさを超えて、ちょっと笑ってしまう。

    そしてラストの「できちゃった」宣言。
    安心してくれ!みんな予想してたから!
    でも、カミングアウトは次回作かと思ったので予想を裏切られた。

    前作で共同生活を送っていたメインキャラ2人。まあ人殺しと一緒に生活だなんて常人には無理だよな。納得。本作では主人公がどんなに困ろうと協力なんて一切しなかったし、主人公も求めなかった。
    そうか、あのヤクザ神父は異常な環境から美女を救出したのか。


    作品全体を包むナンセンスなユーモアと、シリアス風なストーリー。おもしろかった。

  • 下巻です。
    やっぱり、推理って観点からみるとかなり粗い。
    敵か味方か?っていう要注意人物もいない。
    なのに次々明らかになる、意外だけれど納得の新事実。

    (悪役サイドがはっきりしているんだよね。サリーたちの調査を読んでると「壁に耳あり」って教えたくなったり、おいおいこいつが敵サイドだったらどうするんだよ!って、こっちがおろおろすることが多い)

    総じて前作よりも面白い。
    ただし、前作を読んだからこその感情移入で読めるのだな。
    青年になった3人の恋模様も混ぜながら(不覚にも泣いてしまったよ…)。

  • ストーリーが安易な気がする。

  • (上下巻共通の感想です)
    1878年。22歳となったサリーは、ケンブリッジを卒業後、財政コンサルタントとして事務所を構えている。また友人のフレデリック・ガーランドの写真店の共同経営者でもあり、写真店も順調に売上を伸ばしていた。ジムは劇場の裏方の仕事をしながら小説を書いていた。

    ある日、サリーの事務所に老婦人が訪ねてきた。サリーのアドバイスで海運会社に投資していたが、船が突然会場から姿を消し、保険金も支払われなかったことから海運会社は倒産寸前で、老婦人は財産を失った。だが、この事故が釈然としないため、老婦人はサリーに調査を依頼する。船の荷主は大富豪のベルマン氏。サリーは周辺を調査するうち、ベルマン氏が不審な事業に携わっていることを突き止めるが、氏は強硬な手段で妨害工作を仕掛けてくる。

    同じ頃、ジムは、劇場で命を狙われていると怯える奇術師マッキンノンを助ける。霊力を持つマッキンノンは、殺人事件を霊視したことから追われているという。ジムはフレデリックの助けを借りて調査を開始するが、この事件にもどうやらベルマン氏がからんでいるらしい。


    -----------------------------------------------------------------------------------

    前作「マハラジャのルビー」から6年。少女だったサリーが、若い魅力的な女性に成長した姿で登場。まだ女性の社会進出が困難な時代(女性は大学を卒業しても学位がもらえない!)に、財政コンサルタント(今でいうところのフィナンシャルアドバイザーといったところか)として事務所を構えているのだからキャリアウーマンの先駆けだ。だが、それで私生活が順調かというと、恋人のフレデリックとどうもしっくりいかない。お互い愛し合っているのだが、当時は結婚すると女性は自分の財産を持てず、所有していた財産は夫のものとなる。もちろんフレデリックにサリーの財産を自分のものにしようという気などさらさらないのだが、社会的に対等な立場でなくなることからサリーは結婚にイエスといえずにいる。

    というところが前作からの空白の6年についてで、サリーの追う海運会社の事件もフレデリックとジムの追う奇怪な奇術師の事件も黒幕は謎の大富豪ベルマン氏で、彼が起こした会社のよからぬ企みが明らかになるにつれ、サリーたちの身辺に危険が忍び寄ってくる。
    舞台はビクトリア朝のロンドン。蒸気エンジンや鉄工所など産業革命の時代を示すものと、怪しげな降霊術や奇術、幻術など当時の流行が登場。登場人物が大人に成長しているため、会話や人物の描き方がより生き生きしてみえる。

    「ライラの冒険」でもそうだったけれど、少々粗っぽいがスピーディな展開で物語は進行。ベルマン氏の差し金により、サリーは大きな痛手を受けることになるのだが、それが「えええ!」と言いたくなる衝撃で、この後作品が続くとは思いがたいほど。

    ちょっと脇役陣が都合のいい存在というか行動をとるのが気になるかな。あと、前作で魅力的な登場人物だった、フレデリックの妹ローザが登場しなかったのが少々残念。いま思うとラストシーンには出てきてもおかしくなかったのでは?というかなぜいないのか。

    この作品は「YA(ヤングアダルト)扱いで、中高生を対象とした作品なのだが、訳も少し変えて一般向けの作品にしてしまってもよかったのでは、と思ったり。

  • あっと驚くストーリー展開で引きずりこまれるように読み切りました。

  • ヴィクトリア朝のイギリスで、若い女性が自立した人生を求めもがくようすが好ましく描かれている。陰謀を暴こうとする中で愛するものを次々失いながらも、心の強さを増していく主人公はカッコイイ! 『ライラの冒険』シリーズにつながるテーマも見え隠れする感じ。

  • えーっ、こんな展開ってありなのね。四部作なのでサリーの冒険はまだまだ続く!

  • 今回の相手もまた手ごわくて、ハラハラしました。
    ところで、このシリーズは4作あるとの事ですが(3、4作目はまだ未翻訳)
    まだ2作目の本書で“シリーズ物としての”サプライズ展開があり、「えーっ」って感じでした。

  • 児童小説と思って油断した。衝撃!

全10件中 1 - 10件を表示

フィリップ・プルマンの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ラルフ・イーザウ
荻原 規子
有川 浩
上橋 菜穂子
上橋 菜穂子
ガース・ニクス
ジョゼフ ディレ...
ジョナサン・スト...
上橋 菜穂子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×