- Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488020040
作品紹介・あらすじ
これは、もうすぐ21世紀がやってくる、というころに起きた、愛すべき子どもたちの闘いの物語です。――不可能状況から煙のように消え去ってみせる子どもたちと、そのトリックの解明に挑む大人の知恵比べ。単なる家出と思われた子どもたちの連続失踪事件は、次第に地域全体を巻き込む大事件となっていった! いま最も将来を嘱望される俊英が新境地を切り拓く、渾身の傑作長編。ミステリ・フロンティア100冊刊行記念特別書き下ろし、遂に刊行!
感想・レビュー・書評
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1996年の夏休みの終わり。同じ団地に住む小学4年生がありえない状況で失踪し、数日後に戻ってくる事件が繰り返し起きた。新人雑誌記者猿渡はベテラン記者佐々木とのタッグでこの事件の謎に挑む。序盤で失踪は子供達が起こした事が見抜かれ、少年探偵団的な知恵比べ展開が続くのかと思っていたら「何故」事件を起こしているのか?に焦点が合ってからは一気に読み応えが上がった。過去の失火事件や地域格差等が生んだ重荷を全部解決しようとした彼等の行動は大人には出来ない真っ直ぐさが眩しい。出された答えは苦味もあるけど爽やかに纏まっていて様々なエピソードも綺麗に回収されていて良かった。正に忘れられない一夏の思い出物語だ。
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子供の冒険??物って感じ。冒険って冒険ではないけど、なんかそんな感じ
ミステリーランドシリーズみたいだなと思った。
少し違う感じのを想像していたので、いまいちだったかな~ -
夏休みに塾通いだった団地の小学生が、次々一時的に行方不明になるミステリー。
小学4年生が考えた失踪にしては上手く出来てるなぁーという感じ。
別な事件との絡みもあってドキドキした。
でも、大学生や大人の対応にちょっと違和感。 -
小学4年生の子ども達の純粋な心と、まだ大人になりきれていない大学生、自分達の生活に追われる大人、団地という、ある意味、特殊な環境、そこに雑誌の編集者とフリーの記者が介入して、少しずつボタンのかけ違いから起きた不幸な出来事が解明していく。爽やかなラスト。あとがきでタモリさんの偉大さ、再確認。
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「失踪する子供たち」
消えていた期間は短く。
警察が関与しないであろうレベルを考えられているこらこそ、見つかることなく上手く居なくなることができたのかもな。
「光の密室」
二人に続いてまた一人。
誰一人大人が関与していないというのであれば、誰にもバレないように消えてしまうことが出来るのは凄いことなのでは。
「春は戻らない」
関係のある言葉なのか。
子供達だけでなく他にも隠し事をしている人間がいるとなると、ただの失踪事件だけでなく他にも問題がでてきそうだな。
「秋分の決戦」
見張りがいるからこそ。
馬鹿正直に相手の言い分を信じて出向いてしまうなんて、あれだけ外からは自分たちが見ていると言った意味がないよな。
「夏を取り戻す」
ついに見つけた場所は。
問題解決のためには証拠が必要かもしれないが、それ以上に今まで見て見ぬ振りをしていた現実と向き合うのも重要だろう。
「冬が終わるまで」
一人だけ目的が違った。
せっかく外に出てきて楽しい想いをすることが出来たとはいえ、危険に晒してしまった可能性がある時点で言うべきだろう。 -
夏休みが終わり、新学期が始まる頃 小学生の連続失踪事件が発生した
月刊ウラカワの新人編集者の猿渡とフリーの記者佐々木が事件を追う
「夏休みをとりもどせ!大作戦」最初は小学生の軽いイタズラと思われたが、そこには隠された真実を暴こうとする悲しい理由があった
なんとなくスタンド・バイ・ミー風味のミステリー
エピローグが効いてます -
団地に住む子供が一人ずつ順番に数日間姿を消す。彼らは一様に怪盗に連れ去られたと答え…。自作自演と思われるそれを、ある雑誌編集者とフリー記者が追います。事件の中心の子供たちは小学4年生なので、それほど難しいトリックは使わないのですが、それでも小学生が考えるには高度だなというのが少し引っかかります。でも団地に住むということ、過去の事件等いろいろなものが絡み合って、考えさせられ、なかなかのリーダビリティで一気に読まされてしまいました。ジュブナイルとしても雰囲気もよくいいと思います。タイトルが秀逸ですね。
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塾通いが嫌で夏休みを満喫したい子供たちが考えた失踪事件。そもそも小四で塾に通うのは私立中学に進学するためであり、なぜ公立に通えないのか、というのもポイント。大人からすると迷惑な話だけど、子供たちはよくやったと思う。
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2019/03/07 読了。
図書館から。
著者作品初。
読みやすかったし、面白かった。