夏を取り戻す (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 124
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488020040

作品紹介・あらすじ

これは、もうすぐ21世紀がやってくる、というころに起きた、愛すべき子どもたちの闘いの物語です。――不可能状況から煙のように消え去ってみせる子どもたちと、そのトリックの解明に挑む大人の知恵比べ。単なる家出と思われた子どもたちの連続失踪事件は、次第に地域全体を巻き込む大事件となっていった! いま最も将来を嘱望される俊英が新境地を切り拓く、渾身の傑作長編。ミステリ・フロンティア100冊刊行記念特別書き下ろし、遂に刊行!

感想・レビュー・書評

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  • タイトル通りのストーリーでした。しかもそこには結果として二つの意味が込められる展開に…。
    止むにやまれず私立中学へ進学するための受験をせざるをえない状況を解消するための子供たちの行動とその結果は、スッキリとした読後感を味わいました。対処療法ではなく根本的な原因を解消するための行動は子供ながら、適切な着眼点だなと思いますし、美しくもあり崇高なものを感じずはいられません。
    作品としてはページ数も多くなかなか読み応えのある一冊でした、多少の読み疲れもなくはないのですが…。スピード感という点では若干物足りなさはありましたが、ラストで子供たちが学校の体育館で一連の経緯を説明するあたりからはちょっと前のめりになってしまいました。

  • 小学4年生の子ども達の純粋な心と、まだ大人になりきれていない大学生、自分達の生活に追われる大人、団地という、ある意味、特殊な環境、そこに雑誌の編集者とフリーの記者が介入して、少しずつボタンのかけ違いから起きた不幸な出来事が解明していく。爽やかなラスト。あとがきでタモリさんの偉大さ、再確認。

  • 塾通いが嫌で夏休みを満喫したい子供たちが考えた失踪事件。そもそも小四で塾に通うのは私立中学に進学するためであり、なぜ公立に通えないのか、というのもポイント。大人からすると迷惑な話だけど、子供たちはよくやったと思う。

  • 2019/03/07 読了。

    図書館から。
    著者作品初。

    読みやすかったし、面白かった。

  • よくもこう考えつくな。
    え、どうなってるの? と思うのがワクワク。
    この場面に出くわしたら、しっかり騙されそう。

  • 最初は単なる家出だったはずが、イタズラとなり次第にある目的を持つようになる。大人たちと子供の知恵比べや過去の事件の解明も読んでいて面白かった。
    一番良いのは、人間が出来た校長先生。時代背景を少し前にしたのは、今の時代だとあんな校長はリアリティが無いからでは無いかと思わせるほど。
    タイトルも内容と合っていて良いと思う。

  • 2018年9月東京創元社刊。書下ろし長編。西暦2000年という時代を舞台にした世界構築は緻密かつ巧妙で、エピローグが光る構成の力作だ。子供たちの事件が、地域をゆるがす大事件となって行く様子に驚きがあり、共感と納得する。しかし、展開が地味で、もう少し、花があっても良かったのかなと思う。

  • なんで96年だったのかな? とはいえ、懐かしいあの時代を舞台にした、読み応えのある話でした。

  • +++
    これは、もうすぐ二十一世紀がやってくる、というころに起きた、愛すべき子供たちの闘いの物語。―不可能状況下で煙のように消え去ってみせる子供たちと、そのトリックの解明に挑む大人の知恵比べ。単なる家出か悪ふざけと思われた子供たちの連続失踪事件は、やがて意外な展開を辿り始める。地域全体を巻き込んだ大騒ぎの末に、雑誌編集者の猿渡の前に現れた真実とは?いま最も将来を嘱望される俊英が新境地を切り拓く、渾身の力作長編。ミステリ・フロンティア百冊到達記念特別書き下ろし作品、遂に刊行!
    +++

    小学4年生の子どもたちが考えたこととは思えない出来事の連続だった。初めは単純に、子どもらしい動機からだと思って読み始めたが、ほどなく、なにかもっと深い理由が隠されているのではないかと思い始めた。城野原団地の内と外(傘外)との確執や、雑誌記者の佐々木と城野原との関わり、キャンプで起きた哀しい出来事、などなどが絶妙に絡み合い、事実が単純には見えてこないのも興味をそそられる。当事者の子どもたちが、意外過ぎるほど深刻にいろんなことを考えていることにも驚かされ、また、大人もその気持ちをないがしろにはできないと思い知らされる。ラストは、明るい未来を感じさせられるものになっていて、ほっとした。ほんの短い期間の出来事とは思えないほど濃密な内容の一冊だった。

  • ある団地の子どもたちの「夏をとりもどす」ための戦いと冒険の物語。

    最初はずいぶんと単純なトリックが続き、これは引っかけなんだろうなと思っていたら、やはりまあ、そういうことだった。

    子どもたちがとても健気。事件をおこした動機もいじらしい。

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著者プロフィール

岡崎 琢磨(おかざき たくま)
1986年生まれ、福岡県出身。京都大学法学部卒業。元々ミュージシャン志望であったが作家を志すようになり、大学卒業後に福岡県に戻って執筆を続け、第10回『このミステリーがすごい!』大賞の最終選考に『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』が残った。手直しして刊行されたところ、大ベストセラーとなり第1回京都本大賞を受賞。のちに「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズ化された。
ほかにもミステリ作を多数刊行しており、新刊に『夏を取り戻す』『九十九書店の地下には秘密のバーがある』。

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