九度目の十八歳を迎えた君と (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488020088

作品紹介・あらすじ

通勤途中のホームで僕は、高校の同級生の姿を目撃する。あの十八歳の時の姿の彼女を――。僕が卒業してからもずっと十八歳のまま高校に通っているという。周囲も不思議とは感じないらしいが、彼女に恋した僕だけが違和感を拭えない。何が彼女をその姿に止めているのだろう? 最初の高校三年生の日々の中にその原因があるはず、そう推理した僕は同級生たちや恩師のもとを訪ねる。『教室が、ひとりになるまで』で注目の俊英が贈る、追憶と青春のミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 『特殊設定を受け入れられるか…』

    昔 恋をしていた高校の同級生・美咲と約10年ぶりに偶然再会。でも美咲は歳を取らずにまだ高校3年生のままだった…。という不思議な設定。彼女の時間を塞き止める"石"を取り除くために主人公・間瀬が奔走し、美咲の過去を探る巡礼の旅に出る。

    浅倉先生の作品は高校生を主人公に据えた青春学園ミステリーが多い。本作の主人公・間瀬は社会人であるが、現在を中心に高校時代の様子をフラッシュバック形式で描く。昔の恋を思い出すような甘酸っぱい青春と、ミステリー要素を掛け合わせた、やはり浅倉先生代名詞の青春学園ミステリーである。

    歳を取らないという有り得ない設定はファンタジー要素として許容範囲であるが、歳を取らない事象を主人公以外がすんなり受け入れていることに違和感があり、物語に没入できなかった感は否めない。歳を取らないことがまるで個性であるかのようだ。この設定を設定として受け入れられるかで評価が割れる作品だろう。

  • 最後までよく分からなかった、、。でも年齢を患う、ということは少からず意識的にはありそうな話だと思った。

  • なかなか面白かった。
    18歳のままときが止まって高校三年生を継続している片思いだった人をみつけて、その理由をときかあそうとする。
    最後にラブレターの彼女から返事ってどんなんだっただろう。とても気になる。

    高校を卒業して、大人になると現実を知り夢を諦めてしまっている。そういうことにならない人はごく限られた少数派。
    夢を追いかけたいけど、制約が多すぎるから、どうも変わっていくよね。

    私のやりたい事はある程度できたけど、しんどい事の方が多い。生きるのは大変。

  • だらだらと話が流れていく印象。
    世界観からしてよくわからない。
    29歳になった主人公は、高校時代に片想いしていた同級生を駅で見かけるが・・・その同級生は18歳の高校生のままだった。
    この同級生の時間が止まっていることについて、解き明かしていくファンタジーミステリー。
    なのだけど、世界観が。

    なんで変やと思わないの?
    話を聞いてるだけの人達は、何を言うてるの?ってなるのに、同級生の周りにいる人は違和感を感じてない。
    年取らないことを受け入れてるようなフシもあるけど、そこがまたバランス悪く見えてくる。
    全体的にファンタジー感が中途半端やから、違和感あって面白くなくなったんかな。

  • 高校の同級生で恋心を寄せていた彼女が、現在も高校生のまま過ごしていたのを目撃するところから物語は始まった‥。「教室が、ひとりになるまで」よりは読みやすく引き込まれるように読めたけど、ラストはちょっと‥納得がいきませんでした。

  • ハマれませんでした。なぜこうなってるのか理解しにくかったところが敗因です。

  • 十八歳が9回回る。根本原因の究明物語なんだけど、周囲にそれを認識する人としない人がいる。この違いはなんなんだ?ファンタジーと思えばそれで済む。細かい前提条件がうまく理解出来なかったなあ?

  • 18歳から卒業できない二和と同級生だった30歳の間瀬。
    なぜ?なぜ?と不思議な感じで話は進み、続きが気になってグングン読み進めていったけど、現実味がなかったのと私の納得の行く終わり方ではなかったので⭐️2にしましたが、不思議現象が好きな人は好きな作品なんだろうなと思いました。

  • もうすぐ30歳になる間瀬は、駅のホームで高校の同級生だった二和美咲を見かける。美咲は18歳で時を止め高校三年生のまま生きることを選んで留まっている。タイムリープ物ともちょっと違う不思議な世界。美咲の選択した理由を探るため間瀬は高校時代の思い出を辿る。表題に違和感があったのですが結末で意外な展開になりびっくり。

  • 2023/10/30

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著者プロフィール

1989年生まれ、小説家。関東在住。第十三回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。『教室が、ひとりになるまで』で推理作家協会賞の長編部門と本格ミステリ大賞の候補作に選出。その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』『六人の嘘つきな大学生』など。

「2023年 『六人の嘘つきな大学生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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