午前零時のサンドリヨン

著者 :
  • 東京創元社
3.42
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本棚登録 : 1058
レビュー : 225
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024499

作品紹介・あらすじ

ポチこと須川くんが、高校入学後に一目惚れしたクラスメイト。不思議な雰囲気を持つ女の子・酉乃初は、実は凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』でマジックを披露する彼女は、須川くんたちが学校で巻き込まれた不思議な事件を、抜群のマジックテクニックを駆使して鮮やかに解決する。それなのに、なぜか人間関係には臆病で、心を閉ざしがちな初。はたして、須川くんの恋の行方は-。学園生活をセンシティブな筆致で描く、連作ミステリ。全選考委員が「うまい」と評した第十九回鮎川哲也賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 2020/10/25読了
    #相沢沙呼作品

    日常の謎を扱った青春ミステリ。
    人間関係に臆病な凄腕マジシャンの
    女の子が謎を解く。
    細かな伏線をスマートにさらう。
    ただ謎解きだけに比重を置かず
    甘酸っぱいストーリーもgood。

  • 落ち込んでいるときに通りすがりの人がかけてくれた、なにげないひと言。
    心配のあまり、いてもたってもいられずに、親友が真夜中に送信してくれたメール。
    そして、友達以上恋人未満の男の子がおずおずと差し出す、
    トランプのチャームが煌めく華奢なペンダント。

    他の人から見たらこんなものが?と思うようなものが、その時の自分には紛れもなく
    目の前の霧をすうっと払ってくれるような、素敵な魔法だったということ、ありますよね。

    さみしくて、不安で、そんな魔法にかかりたくてたまらなくて
    だからこそ自分も誰かの魔法使いになりたいと切実に思う女の子と、
    魔法使いの箒にちょこんと乗っかった猫のように
    彼女の役に立ちたい、支えたいと願う男の子が、
    高校で起こる様々な事件の謎を解きながら近づいていく、
    ロマンティックで可愛らしいミステリ♪

    学校では誰に話しかけられてもまともに答えずクールに振舞っているのに
    放課後アルバイトしているレストラン・バーでは
    艶然と微笑みながら、トランプを手に
    目も醒めるようなマジックを披露する酉乃(とりの)さん。
    彼女の学校とバーでのあまりのギャップに心奪われ
    孤独な彼女の力になりたいと思いつつ、なかなか近づけない須川くん。
    草食系男子度をはかるゲージがあったら、一瞬で針が振りきれそうで
    クラスメイトからは「ポチ」と不甲斐ないニックネームを付けられる
    須川くんを、「ほらほら、もうひと押し!」と応援したくてたまらなくなります。

    「私を見て。ほんとうの私を見て!」といつも心の底で叫んでいるような
    女の子たちの姿が懐かしく、可愛らしく
    お城や馬車や薔薇の背景をトランプのカードが舞い飛ぶ表紙も
    物語の印象にぴったりで、とても綺麗。

    やさしく背中を押すくらいじゃ足りなそうだった須川くんが
    怯え、震える酉乃さんを励ますために用意した最後の魔法に
    「おお!これはもう、魔法使いというより、王子様?!」と
    きゅんきゅんしながら拍手したくなること請け合いです♪

  • 第19回鮎川哲也賞受賞作品。
    ごく平凡な男子高校生を主人公に、日常の謎を描いた作品。マジックが色々出てくるのが目新しく面白かった。友情やいじめ、自殺などリアルな高校生の姿が書かれており謎解きも複雑ではなく、本当にいそうな等身大の人物達ばかりで話の中にすんなり入っていく事ができた。
    主人公が若干ヘタレというか鈍感というか…またそこがリアルな男子高校生らしくて良かった。

  • 全てを明らかにするミステリと、ネタばらしはご法度なマジック。
    この二つが共存した所に、矛盾と面白さがある作品。
    それでいて全体を通して可愛らしくて、まるでいちごのケーキの上で繰り広げられる人間模様。
    ミステリとしては一つ一つの謎が添え物のようでちょっと物足りなかった。
    でも、初ちゃんをまるっと受け止めるラストは、ヤングアダルトかライトノベルとしては素敵な結末だ。

  • マジックを絡めた日常ミステリーってのは、ちょっと新しいと思ったけど、全体的に冗長だったかな。
    最初のやたらと軽い口語調のことや、人物像がなんかぶれてない?といった印象を受けたとこが、読み方が少々雑になってしまった原因かと。

    ミステリーとしては唐突な感じがしたし
    マジックは文章だと驚き半減してしまうので、もう少し洗練度が欲しかった。
    でも、初ちゃんや須川くんの心の葛藤は青春だねぇと応援したくなりました。

  • 初めましての作家さんで、最初はちょっと失敗したかもしれないと思って読みはじめたのですが、途中からすすみかたがすごく早くなった。次もあるみたいなので早く読みたいな。

  • 高校生の須川は、バーで鮮やかにマジックを披露するクラスメイトの少女・酉乃に一目ぼれ。
    二人は校内で起きた事件や騒動に巻き込まれ、酉乃のマジックを使って謎解きをしていく。

    ミステリとしては日常の謎系で、そんなに凝ったトリックはないのですが、謎解きにマジックが効果的に取り入れられています。
    こなれた筆致で読みやすいし、謎が伏線が綺麗に収束されていく構成力の高さも凄い。
    新人離れした老練な手つきに魅せられました。

    また、思春期の葛藤を丁寧に描いているのですごく好感が持てました。
    自分を成長させることのできる鍵は、かけがえのない人と深くかかわりあうことにある、と教えてくれた気がします。

  • 【読了】今年30冊目は学園ミステリーもの。主人公の須川君もその一目惚れの相手ヒロインの酉野さんも、純な性格でいまどきこんな高校生がいるのか?と思ってしまう。最後が非常に痒いが青春の一コマということで大目に見よう。

  • 「認めて」って勇気を持って声に出すことで、
    魔法が使えるようになる奇跡の話。
    初のマジックは魅せるためのものではなく、
    自分の苦しみを、辛さを、存在を、
    誰かに気付いてほしいためのもので
    それに気付いてくれて受け入れてくれたことが
    まさに魔法だったと思う。

  • ヒロイン酉野初はレストラン・バー「サンドリヨン」でバイトする美少女マジシャン、でも人間関係が苦味な女子高生。
    その酉野初に一目惚れしたクラスメイトの須川くん。
    学校での謎を酉野さんの華麗なマジックテクニックで紐解いていく、日常系学園ミステリー恋愛マシマシ小説。
    ミステリーだが2人の青春ラブストーリー感が強く、特に須川くんの酉野さんへのアプローチと一人称のおしゃべりは少ししつこい感じがする。
    ミステリーとしての謎解きはあまり複雑ではなく、問題の後にすぐ答えあわせをするように須川くんの酉野さんへの丸投げが笑える。
    主要登場人物の感情の起伏が激しい気がするが、これが多感な高校生の本当の姿なのだろう。
    学園の謎を紐解く、ミステリーのある青春ラブコメディ·····最後は胸キュン!
    ✩✩✩ 3.0

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著者プロフィール

【相沢沙呼(あいざわ・さこ)】
1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2011年「原始人ランナウェイ」が第64回日本推理作家協会賞(短編部門)候補作、2018年『マツリカ・マトリョシカ』が第18回本格ミステリ大賞の候補作となる。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化が発表された。最新作『medium 霊媒探偵城塚翡翠』が『このミステリーがすごい!(宝島社)』『本格ミステリ・ベスト10(原書房)』『2019年ベストブック』にてそれぞれ1位を獲得し三冠を達成。

「2020年 『小説の神様(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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