綺想宮殺人事件

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 183
感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024543

感想・レビュー・書評

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  • 濃厚な探偵小説を読みたいと手に取れば、かなりかなりの濃厚さでした。
    作中に「うんちくにペダントリーにトリヴィアルな知識のひけらかし」とあるように、これでもかと薀蓄とトンデモ学説と見立て殺人が詰め込まれる。それが作者の大いなる仕掛けとなるから堪りません。

  • 第五の奇書と称される三大奇書の正当系譜といえる作品群の中では現在のところ最新の作品。琵琶湖畔に聳える奇怪な建築群「綺想宮」を訪れた探偵森江春策が連続殺人に巻き込まれる。本格ミステリのコードを踏襲しながらも膨大な薀蓄で溢れかえり、主体が転倒してしまう様はまさに『黒死館殺人事件』のオマージュとして正統であるといえる。しかし黒死館に込められたアンチミステリの要素は更に深化し、本作ではその先の結論へと読者を引きずり込む。「最後の探偵小説、探偵小説の最期」と銘打たれたこの作品最大の特徴は綺想宮を彩るペダントリーの先にある。

  •  好きな探偵を殺された。

     初芦辺拓がこれってどうよ、と思わなくもないです。ちゃんとほかのも読んでみたい。うぃきぺでぃあで「自称第五の奇書」に挙げられていたので、読みました。やっとこ。ほか二作は読んでたので、これもどうしても読みたかった。
     面白かった。次から次に重ねられるペダントリーに顔面をグーでぶん殴られ続けてる感じ。正直、菊園さんよりも早く「もうええわっ!」ってなった。普通はなると思う。
     ただね、今まで重ねに重ねてきた300ページをね、ラストで一気にめっちゃくちゃに破り捨ててくれたところがほんと、すごい爽快でした。いくつか挟まれてた意味深なシーンも最後に全部回収されてたし、すごい上手いな、と。
     あと、忘れてたもんね、語り部の存在。嫌いなひとは嫌いなオチだろうなぁって思うけど、まあうん、そんなもんよね。探偵原理主義ってあれでしょ、めがねかけたこまっしゃくれた小学生とか、じっちゃんの名にかけてって言ってる高校生と旅行先が一緒になったら危険だっていう。そういうことでしょ。
     キルヒャーって世界図絵(だっけ)の? フロイトってそんなに悪いひとだったのね? とんでも学説は読んでて面白くて好きです。いろいろ読んでみたいものがたくさんできました。ファウスト、読まなきゃなぁ。あと、バベッジとかニコラ・テスラとかの名前を見て、蒸気吹き出すメカとか、雷纏ってるハハハハのおっさんが出てくるのはFGOのせいです。オリオンとアルテミスもくまと「ダーリン大好き!」が脳内に出てくるもんな。
     最後はやっぱりゲーデル先生ですね。
     四大奇書読んでるひとでこれ読んでないひとは、読んだほうがいい。

  • 薀蓄多すぎて途中で飽きた(笑)
    よく分からん話が多かったですが、ミステリ自体は面白かったので、その辺をもう少し作り込んでほしかったなと。

  • ウンチクというのはどこらへんからイラッとさせられるのだろうか。皆がある程度知ってる話なら?それもう知ってるわーってなるのかな。皆が全然知らない話なら?何言ってるか分からんわーってなるのかな。要するにどんなウンチクも聞かされる方は別にそんなに楽しくないのかもしれん。でもでも、やっぱりこんなこと知ってるよ、私!って言いたくなる気持ちは分かるんだけどもね。やっぱ自分の話を聞いてほしいだろうしね。
    というウンチクオンパレードを聞かされ続ける話なわけで、もうあかんわーってなるんだけど、極限まで行くと、なんかもう解脱してそれはそれでも良いかって思い始める恐ろしさ。てかwikiがこんなに流行るのも、結局ちょっとした知識を皆が知りたがってるからなわけで、結局ウンチクに繋がっていくんだよなぁ。ウンチク恐るべし。

  • このミスベスト10、2011年版10位。文庫化されてないやつで、このミスの典型的なあかんやつです。全編、うんちくの嵐。とんでも系の話がエンドレスで続いていく。連続殺人起ってるのにそんなのそっちのけでうんちく合戦が進んで行く。苦痛。うんちく語り続ける理由について探偵が終始裏をかき続けていたことを説明するところで少しおもしろくなったけど、そのあとまた哲学的な話になって、結局、何のこっちゃかさっぱりわかりませんでした。<探偵>って何?全然物語が成立してないじゃん。こりゃ単なるこけおどしですな。

  • 琵琶湖畔にそびえる壮麗な怪建築群―“綺想宮”を訪れた名探偵・森江春策を待ち受けていたのは、美しき案内人・二十重亜綺楽と七人の奇怪な滞在客だった。
    この不可思議な宮殿に森江が到着した晩、自動的に詩をつむぐ機械「大発見」が火精、水精、風精、土精の呪文を歌い上げた。
    翌日から、天地創造の七日間を表わす曲が奏でられる中、滞在客は次々謎の死をとげてゆく。
    暗室で発見された五芒星の上の焼死体、毒草園に描かれた九芒星と地中に埋められた死体…それぞれの死体に過剰なまでに凝らされた「見立て」は何を意味するものか?
    (アマゾンより引用)

    何かイマイチ…
    ちょっとよく意味も分からなかったんだけど(´゚ω゚)
    ビミョー…

  • 探偵小説を極めようとしたと思われる意図はわかるがはっきり言って読むのが大変な探偵小説で全然楽しめなかったというのが正直なところだ。これは残念ながら人には勧められないなあ。探偵小説好きにも??では。ただいわゆる『探偵』と言えばと聞かれたときに出てくる答えのすべての要素を主人公の探偵は満たしているし、著者の博学度合いも凄いので頭を疲れさせ眠気を起こしたいと思っている不眠症のかたにはおすすめかも。

  • 「平成の奇書」というべきでしょうか。科学、数学、文学、歴史、芸術などの蘊蓄が邪魔して真相を見えにくくするという構図は「黒死館殺人事件」そのもの。だた蘊蓄を羅列しているだけで、成功しているようには到底思えません。単なる「『黒死館殺人事件』の真似ごと」という印象でした。

  • ウンチクのオンパレード 読みずらかった

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著者プロフィール

一九五八年大阪市生まれ。同志社大学法学部卒業。
一九八六年、「異類五種」が第2回幻想文学新人賞に佳作入選。
一九九〇年、『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞受賞。
代表的探偵「森江春策」シリーズを中心に、その作風はSF、歴史、法廷もの、冒険、幻想、パスティーシュなど非常に多岐にわたる。主な作品に『十三番目の陪審員』、『グラン・ギニョール城』、『紅楼夢の殺人』、『綺想宮殺人事件』など多数。近著に『大鞠家殺人事件』(第75回日本推理作家協会賞・長編および連作短編集部門、ならびに第22回本格ミステリ大賞・小説部門受賞)。

「2022年 『森江春策の災難』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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