Nのために

著者 :
  • 東京創元社
3.21
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本棚登録 : 4252
レビュー : 690
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024550

作品紹介・あらすじ

「N」と出会う時、悲劇は起こる-。大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。台風による床上浸水がきっかけで、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。努力家の安藤と、小説家志望の西崎。それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めた。すべては「N」のために-。タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件。そして、その真実をモノローグ形式で抒情的に解き明かす、著者渾身の連作長編。『告白』『少女』『贖罪』に続く、新たなるステージ。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。既読の湊作品の中で一番好きかも。それぞれの「Nのために」が絡まりあって、ほどけなくなった感じ。 前回同様感想を書くことが非常に難しいんだけど、湊さんは人の気持ちのすれ違いをとらえるのが本当にうまいなあと。 そしてなぜか、希美父より希美母に激しい嫌悪感を覚える。。

  • ある殺人事件の真相を当事者たちの独白でつづるミステリー。

    「告白」以来の湊作品ですが、真相を独白で明かしていく手法は同じでも、真相がお互いをかばいあるものであることが「告白」の真逆で、ラストもすっきりしています。
    ただ、記述の不足(主語、所有格、目的語など)が目立って、意味を逆にとらえたりしちゃいました。
    ヒットしている作者なので時間がないのかもしれませんが、推敲が足りないような気がします。

  • 湊かなえさんの作品ははずれがないので
    ずっと気になっていた一冊でしたが、よむ機会がなく。
    そしたらドラマ化されたのでドラマを先に見ました。
    登場人物と俳優さんたちの顔を思い浮かべながら読みました。
    ドラマ化されると、よく原作が台無しにされてしまうことが多々ありますが(東野圭吾氏の「流星の絆」なんて最悪でした"(-""-)")、「Nのために」はほぼ忠実に再現されていましたね。でも、原作のほうでは成瀬くんはドラマほどズームアップされてないかな。成瀬君実家の旅館を放火したのは誰なのかも原作では明らかにされていないし…。
    でも一番辛い思いをしてきたのは希美。
    父親に捨てられ、重すぎる母親に苦しめられて、父親の愛人に土下座をして夕飯をわけてもらう屈辱。
    そんな彼女が最後には病気??悲しすぎる!
    最後には安藤か成瀬君、どちらかと幸せになってくれたらな・・・そんな終わり方がよかった(T_T)

  • 湊かなえ作品で一番好き。ちょっと耽美的~
    安藤と杉下で幸せになってほしかったなぁ
    ただ、最初の安藤の性別に対するミスリードって必要無かった様な

  • ドラマ放映中に読了。
    私の場合、大抵「ドラマや映画より原作の方が良いし、好きである」となるのだが、本書はその逆。
    ドラマを見ているから本もサクサクっと読めたが、そうでなければ、「これはいつのこと?誰のこと?」とつっかえながら読み、相当読みにくかったに違いない。

    ドラマのお陰でだけれど、サクッと読めたから★ひとつおまけ。

  • ドラマが始まったから思い出して再読。イヤミスだな〜これも。
    個人的には安藤が好き。
    最後でやっぱり、なんか辛くなった。

  • 「Nのために」
    TBS 金曜22時
    出演:榮倉奈々、窪田正孝、賀来賢人、小出恵介
    http://www.tbs.co.jp/Nnotameni/

  • Nのために。このタイトルに惹かれて告白に続いて購入した湊さんの本。そしてそのまま積読になっていた一冊。
    沖縄でのスキューバダイビングで同じツアーに参加していた一組の夫婦と、その出会いから親しくなった杉下希美と安藤望はその後も夫婦と親睦を深め、そして事件へとかかわっていく。
    始まりはそれぞれに警察での事情聴取で、それぞれからの視点で知っている経緯を話していく。
    夫婦と連絡が遠のいて心配した杉下は夫の野口氏に奈央子さんの具合でも悪いのかと電話をする。野口氏の話では少し体調を崩しているが今は状態が少しいいからまた安藤と一緒に遊びに来てほしいという話になった。その招待で知った奈央子さんの流産の事実と夫婦の住む高級マンションのドアに外側からかけられた安物のチェーン。彼女は流産のショックで自殺をしかけたことから仕方なくつけているという話を聞き、何とか元気づけようと昔夫婦が記念日を祝ったことのある高級レストランの出張給仕を頼む計画を立てる。その会食の日、奥さんの不倫相手が彼女を連れ出そうとやってきたところを野口氏が鉢合わせし、激昂した野口氏が奈央子さんを刺し、目の前で彼女を殺された復讐に不倫相手は野口氏を刺した。これは単純な事件のはずだった。
    杉下希美、彼女の同郷で同級生だったレストランで給仕を勤めている成瀬慎司、杉下の隣に住む小説家志望の男西崎真人、そして二人の上に住む安藤望。彼らはそれぞれの過去から植えつけられた自分にとっての大切なものを守るために事件の真相をそれぞれに隠した。小さな嘘と物語で。
    Nのために。そこにある確かに誰かを想った事実が唯一の希望だった。

    相変わらず読みやすく、感情移入しにくそうな人の心情をすんなり理解させてくれる文章の組み立て方をする作家だと思った。告白を読み、映像で贖罪を見た。この作家は物語の中の人物を愛していないのだろうかと思った。そういう作家が苦手だったから、この小説を長く読まなかった。でもこの物語を読んでそうではないのだろうと感じた。人間をどうしようもない生き物だと感じながら愛しているから小説を書くのかもしれない。次は文庫化のときを狙って“母性”を読んでみよう。

    • フーミンさん
      こんにちわ~。
      「物語の中の人物を愛していないのだろうか…」確かに湊かなえさんの小説に出てくる人物はどこか冷たく感情の起伏もないような印象...
      こんにちわ~。
      「物語の中の人物を愛していないのだろうか…」確かに湊かなえさんの小説に出てくる人物はどこか冷たく感情の起伏もないような印象を受けますもんね。
      ところで、『少女』は読まれた事ありますか?今のところ湊かなえさんの小説で、私の中では断トツに大好きなお話です!相変わらず独特の暗さはありますが、このお話は珍しく愛を感じて感動しちゃうんです。
      ラストはあ~、結局はそうなるのか、と湊節満載な感じなんですけど…^^;
      機会があれば是非読んでみてください☆
      2014/09/03
    • akitukiyukaさん
      コメントありがとうございます。感情の起伏もなんですが、告白の犯人二人の内面や贖罪の女の子を殺した犯人の動機と殺し方とかが…。
      少女はまだ読...
      コメントありがとうございます。感情の起伏もなんですが、告白の犯人二人の内面や贖罪の女の子を殺した犯人の動機と殺し方とかが…。
      少女はまだ読んだことないですね。表紙はすごく好みだったんですが、あらすじを読んで夏の庭を思い出していいやとか思ってました。でもこれはそんな先入観は横に置いておいて読んでみたくなりました。明日ちょうど本屋さんに行くので買って読んでみようと思います。
      2014/09/04
  • やっぱり湊さんの書く女性に共感を覚えることはないなぁと思いました。でも読んでしまうのは、そういうドロドロしたものを見たいからかもしれません^^;
    今回は全体がよく分からないという印象です。読み終わった後も、中途半端な気がしてすっきり感がありません。もともと爽快な読後感を期待できる作家ではないのですが、今回は特に、それぞれの登場人物の真相が見えないというか、動機がよくわかりませんでした。それぞれがNのために、ということだったのだとは思いますが、うーん…。
    それにしても安藤にはやられました。 あれは作家の意図だったのでしょうか^^ 何度も前に戻って読み直してしまいました。

  • マンションの一室で起こった殺人事件。
    死亡したのは、その部屋に住む夫婦。
    その場に居合わせた人々の証言から、事件は早期解決したかのように思えたが・・・。


    単純な事件のようで、とっても奥が深い。

    すべては“N”のために。

    殺された夫婦も含め、事件現場にいた全員が、それぞれ自分が想う相手“N”のために行動していた。

    たくさんの想いが交錯して、すごく複雑なんですけど、人ってそういうもんだろなって思ったり。
    人の心って見えないですからね。

    誰が誰を想ってるのか、それぞれの“N”って誰なんだろうって考えて読み進めると、それぞれの心が少し見えてきて、深く楽しめる作品です。

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著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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