夜の国のクーパー

著者 :
  • 東京創元社
3.44
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感想 : 801
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488024949

感想・レビュー・書評

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  • 2019.08.06読了。
    今年26冊目。

  • だいたいのオチが読めたのと、物語が本格的に動くのが全体の半分を過ぎてからのため、かなり中だるみしたのがもったいない所。ただ小説の構造上の部分としては非常に興味深く、単なるエンタメで切り捨てることのできない話にはなっている。作者の小説を長く読み続けてきた人間には感慨深い物語かもしれない。

  • 動物の方が人間らしいような物語。人の当たり前と思っている事がパタパタとひっくり返される、冒険活劇。

  • 伊坂作品では時々現れる『現実世界と繋がっている異世界(?)』が舞台のお話。
    世界設定としてはオーデュボンの祈りに近いかな?

    今作ではその不思議な世界で事件が起こるわけではなく、(その国が隣国と戦争してるのを事件と呼ぶなら事件はあるけど)日本から迷い込んだ男が、その国の様子を伝え聞くところからお話が始まる。
    その話は、所々違和感や謎がある。
    最後には、その謎が全て明かされる仕組み。

    登場人物のうち半分ほどが猫なのだけど、猫の習性や仕草が盛りに盛り込まれていて想像しただけで可愛い。
    伊坂先生、猫飼ってるのかな。

  • 伊坂さんの作品では珍しく他の作品とリンクしてないところが個人的には好ましい(あんまりそういうの好きじゃない)。

    ネタバレになるので詳しく書かないけど、メタ構造になってるのがイロイロ考えさせられていいなーと思った。

  • うーん、残念!

    呆気ないラストに暫し唖然。自分の中では伊坂作品はハズレもあるで仕方ないとはいえ、帯と表紙が素敵だったので期待度が高過ぎたかな(宣伝文句はかなりのブラフ)。やはり読んでみないと分かりませんね。

  • 不思議な国の不思議なお話。

    猫の目線で語り部も猫が中心なので
    面白いんだと思います。

    途中からネタはわかっちゃったし、
    伊坂さんらしさは薄かったけど、
    こういう物語も面白かった。

  • さすが伊坂幸太郎。おもしろかった!

  • 途中、○○○○じゃね?と思ったら、その通りだった(笑)
    すごく楽しませてもらった。
    伊坂作品は読み終えるとにやにやしてしまう。

  • いまいちだなぁ。現代人の”私”が出る意味もあまり感じられない。
    終盤の展開は、後付けのよう。

  • 小説

  • さすが伊坂幸太郎で、一気に読めた。でも期待値が高いだけに最後がもう一歩。

  • 2012年に書き下ろし出版された伊坂幸太郎作品。
    ちょっと自分には合いませんでした。
    壁に囲まれた小さな国を舞台に、侵略者の来訪で不安に陥る人間達の様子が、小さな国に住む猫トムによって語られる、というファンタジーというかメルヘン。
    猫のトムが、割と冷めた目で人間達を観察しているせいなのか、登場人物達に感情移入できず、退屈しながら読み進めました。が、中盤すぎ、トムが傍観者のままではいられずに活躍し始めると、やっと面白くなってきました。相棒のような猫ギャロとの会話が、まるで『陽気なギャング~』の成瀬と響野のようで最高。ですが、面白かったのもつかの間。続くクライマックスは、探偵小説のように滔々と真相が語られる展開。二つの大きなドンデン返しがありましたが、騙される喜びを感じることは出来ず。
    自分が最初に読んだ伊坂幸太郎作品は『砂漠』でしたが、もしこの作品を最初に読んでいたら、他の伊坂幸太郎作品を読むことはなかったかもしれない、そんな作品。

  • 好みは大きく振れそうだけど、自分はとても好き
    。独特のスピード感も、何となく猫の日常のイメージが感じられて心地よかった。
    「読みよう」が人によっていろいろありそう。

  • 進撃の

  • 謎感が面白かった。
    双方を等しく疑う、大事なことだと思う。
    歴史は、勝者が書き換えられるもの。

  • 図書館で借りたもの。
    猫と戦争と、そして何より、世界の理のおはなし。

    猫の「トム」が、仙台から小舟に流されてやってきた「私」に語る。
    「クーパーとは何なのか」「国の皆はどうなるのか」と物語にぐいぐい引き込まれた。
    鉄国の兵長が実は複眼隊長で、さらに小人の国の話だったというどんでん返し。

  • 投げっ放さないスタイルの小説。
    その分すっきり感はあるけど、教訓めいて聞こえてしまうとも言える。

  • お話としては面白くない。日頃強者は弱者のことなど何も考えずに生きているということかな?

  • ネコのトム君が語る、不思議な国のお話。

  • 大江健三郎の同時代ゲームからインスパイアされているとのことなので同時代ゲーム読んでからならより楽しめるのかも。といってもそんなことしなくても十分楽しめる。
    ガリヴァー旅行記の要素もある(あそこまでの人間憎悪に近い毒はないが)。

  •  これはなんというか荒唐無稽な寓話というべきか。この作者もともとそういう指向はあったのだけれど最近はそれが色濃くでてきて前衛的というか破調というかまあファンタジーなんだろうな。評の書きにくい小説だ。クーパーという謎の杉の木の化け物退治の伝説をもつ国が隣接する鉄国と戦争して敗れ支配者がやってくる。そこでは物語の主人公でもある猫がしゃべり鼠と会話したり、ひょんなことからその国に流れ着いた私という外部の人間に事情を説明したりしている。などとあらすじを書き綴ってもまさに荒唐無稽にしか思えないな。猫との意思疎通は別として、終末部では現実離れしたクーパー伝説や鉄国との戦争に意外と合理的な種明かしがされて、さらには外部者の私とその国の住民とのあっという関係も明らかになり、めでたしめでたしとなる。ん、これは一種のミステリだったのだろうか。いやそうじゃなくてやはり寓話としかいえないものだろうな。ネタバレになるので書けないけどある有名な童話が下敷きだろうし。

  • 面白かった。
    図書館で借りてきて、次の日には読み終わった。これは☆5でも足りねぇぜ!とか思ってたのに、他の人の評価が意外にも低くて驚いてる。

    最近では伏線を回収し切らないお話も結構あったけど、今回は久しぶりにこれでもかってくらい回収してってたので、とてもスッキリしました。


    ココカラネタバレアリ〼(´・ω・`)


    最初から何かと、裏がありますよー!って主張してる感じだったので、いろいろ予想しながら読むのがとても楽しかったです。

    冠人は登場早々に悪いやつな気配がすごかったし、クーパーはきっと存在しないだろう感じもあったし、トムとの出会いからしてガリバーな雰囲気がじわじわ出てたし。

    トムの語る世界は、人間を客観的に見られているようでもあるけど、その実は一匹の猫から見た思いっきり主観的な世界だから、それがとてもよかった。トムの見る世界は実際と違うだろうことは容易に想像できるし、どれくらいずれているのか考えたらぞくぞくして、早く真実を知りたい気持ちでいっぱいになりました。

    壁の中に住み、外の世界を知らない人たちと、そんな国民を騙しながら保身に必死な王様。知らないことのこわさというか、隔絶された世界の独特な気味の悪さみたいなものが最高でした。また、最後にはちゃんと救いがあるのが伊坂さんのいいところだなあって思いました。

  • 久々にファンタジー色の強いやつがきました。

  • ハズレかと思ったけど最後まで読んだら面白いなって思った

  • 裏切らないわあ
    なるほどねえ

  • 進撃の巨人(猫仕様)

  • 舞台というか、時代背景があまり好きじゃないなと序盤は飛ばし読み気味でページを捲る。伊坂のファンタジーねぇ…どうなの?と思いつつ読み進めていったのだがちょっと面白いかも!と結局は最初から読み直すことに。なんとも微笑ましいオチでなかなか楽しめた。にしてもなー猫とお話し出来るなんて、いいな。羨ましすぎる。

  • 猫視点で描かれていて、猫の気持ちと尻尾の関係の描写が素敵。
    オーディボンの祈りに似たような、閉鎖した国の話。

    どんどん明らかになっていくストーリーの、ラストが良かった。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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