アリス殺し (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
3.53
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  • (79)
  • (23)
本棚登録 : 2456
レビュー : 310
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488025465

作品紹介・あらすじ

複数の人間が夢で共有する〈不思議の国〉で次々起きる異様な殺人と、現実世界で起きる不審死。驚愕の真相にあなたも必ず騙される。鬼才が贈る本格ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かったです!結果的に何人もの人が、むごい殺され方をしてしまったのはやるせないですが。

    広山准教授が公爵夫人ではなく、メアリーアンだったことが第一の驚き。栗栖川亜理がアリスではなく、眠り鼠だったことが最大の驚きでした。そこを疑った人は誰もいなかったのでは…?

    李緒の「びっくりパーティーを内緒にしておいて」ってセリフは、何かの伏線かなとは思いましたが、真相に気づくことはできませんでした。あのセリフが、あれほど重大な意味を持っていたとは…。世界が2つあるからこその伏線ですね。

    読んだことのない、というより、もはや唯一無二のタイプの小説でした。先に『不思議の国のアリス』を読んでいたら、なお面白かっただろうなと思いました。

  • すごく面白かった。
    噛み合わない会話が多く前半読んで疲れてしまいそうで好き嫌いは別れそうな話ではあったけど私は好き。
    独特の世界観とちゃんとした伏線回収。
    ラスト一気に事実が分かるのがおもしろい。予想出来なかった。
    ラスト10ページは思わず首を抑えてしまった。

  • してやられた!のような驚きはなく、淡々と読み終わりました。私には登場人物が多くて覚えることができませんでした。殺すシーンの描写がとても細かく、痛々しい場面が鮮明に頭の中で再生されるようでした。

  • 複数の人間が夢で共有する〈不思議の国〉で次々起きる異様な殺人と、現実世界で起きる不審死。驚愕の真相にあなたも必ず騙される。鬼才が贈る本格ミステリ。

    ・レビュー

    これ評価★4か★5で迷ったなぁ。まあ4.8くらいだと思っていただければ。個人的にはラストシーンと読者が忘れがちな序盤からの細かな伏線を評価して★5に落ち着けたいと思う。
    さてこれから読む人は注意点がいくつか。ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』『スナーク狩り』の知識が基本的な物語の理解に必要になる。もっとも、最低限必要なのは一部の設定とキャうラクターとエピソード。解らない固有名詞出てきたらWikipediaで調べるってやり方でも十分に理解できる。スルーして読み進めちゃうのはあんまり勧められないかな。できれば読む前に三作品のWikipediaに目を通しておくといいのかもしれない。感覚的には『鏡の』の知識が多く必要だったかな『スナーク狩り』に関しても作中では説明がなくてやや不親切だから調べておくのがいい、こちらはアリス好きでも知らない人が多いと思うし。
    中身に関して。この作品は、好きな人と読むこと自体が耐えられない人とで分かれそう。一つは原典に当たるルイス・キャロルのアリスシリーズの言葉遊びとか、会話のナンセンス節が肌に合わない人は、この作品も同じように無理だと思う。そう思う程には原典を踏襲しているというか、オマージュが非常に上手い。不思議の国の住人たちの性格や口調、言動もオマージュしつつ、それでいて連続殺人事件という背景に合わせたオリジナリティを持っている。もう一つ合わないとしたら、結末だろうと思う。結末に関してはあまり書くことはできないが、嫌いな人は嫌いだろう。個人的には大好きな終わり方だった。あとは、アリスに興味がなく、単にこのミスなどを観てミステリ目的で読んでみたという人はアリス系の知識がないかもしれない上にいちいちアリスを絡めてきて下手をするとSFともとれる設定でどこがミステリなんだろうと思うかもしれない。正直なところ、このミスは当然商業目的でもあるのであまり本格を期待すべきじゃない……と思う。でも僕は個人的にはこれはしっかりミステリであるとは思う。未読だけれど『生ける屍の死』のようにあえて現実世界にはありえない設定下でロジックを組むのはルールだと思って受け流してしまうのがいいのではないか。
    その特殊な設定なのだけれど、読者は現実世界と不思議の国を交互に読んでいく。登場人物は現実世界と不思議の国で相互リンクしている。不思議の国で死んだものに対応する現実世界の人間が死ぬ。これが最初なかなか戸惑うところだけれど、50ページくらい読めば慣れるとは思う。慣れれば面白い。前述の苦手ポイントをクリアした人なら(笑)
    絶対騙されると謳ったミステリである以上、当然トリックが仕込まれている。ところがミステリ好きなら違和感はミスでなく伏線であると勘が働くので正直気づく人は気づく。レビューを読んで見ると、気づいたつもりだったけど騙されたという人が多かった気がするから、騙されたくなければ油断せずに読み進めるといい。最初に書いたけれど、読み終える頃にはすっかり忘れてしまっている伏線がすごく多い。二度読むと、一度目にはミスリードにひっかかっていたということがよく分かる作品。ただし一度目に読み終えた時にはミスリードをミスリードと気づいていないからそんなに沢山伏線があったとは思わないようで、評価を下げている。一度目で納得したことは作者に「真の目的とは別の論点で納得させられた」ことであると思ったほうがいい部分がいくつかある。亜理やアリス、井森やビルの発言なんかは特に遠回しだから煙に巻かれる。気になった人は二度読んでみてもいいかもしれない。詳しいネタバレレビューを書いてる方のブログなんかでも確認できるかもしれない。
    順調に騙された人は終盤感心すると思う。清々しいほどに騙される人は多いかもしれない。トリックを全部見切った人も別の視点で驚くかもしれない。そして全てを看破したとしても設定が設定だけにそこそこ楽しめるんじゃないかなと感じた。エンターテイメント性というか実験的にミステリを変わったやり方でやってみたという雰囲気があって楽しく読むことができた。
    ダークファンタジー的な雰囲気のある二つの世界の平行殺人事件、アリス好きは一読の価値あり。

  • 不思議の国のアリスはディズニーのアニメくらいの知識しかありません。
    きっともっと知識がある方が読んだら、笑える所だったり唸るところがあるんだろうなという感想。

    犯人は最後まで予想できませんでした。そこも知識があったら予想できたんでしょうか。
    更に世界観がまさか逆転してたとは…。してやられました。

    他の感想でもありますが描写はグロテスク。
    好きな方は好きだと思います。私は好きです。

  • 独特な世界観で起こる殺人事件。
    頭のおかしい登場人物達の会話には苦労しながらも、楽しく読めました。
    "絶対に騙される"というキャッチコピーに「ほぅ、随分と強気だなそこまで言うなら…」という感じで読んだのですが、いつの間にか夢中になって読んでいて、最終的に見事に騙され本気で悔しかったのを覚えてます。今まで読んだ中で一番「騙されたぁぁぁぁ!!」っとなった本なのでオススメです。ぜひ騙されて悔しんでください。

  • おとぎの世界と現実世界。
    誰が誰で、どうつながって、誰が誰を殺めたのか。

    どんでん返しのオンパレード。

  • まさに不思議の世界。
    現実と思われる世界とアリスの国と思われる世界を交互に行き来して、訳のわからない人たちと堂々巡りをしながら真犯人を突き止める。
    最後まで一体全体何なん?と訝ったり、面白がったりしながら読みました。
    こういう本は初めてです。
    クララ殺しはまたそのうち読んでみたい。クララですよね~。どんな設定か想像するだけで楽しみ。

  • 主に会話文で進められる、ミステリーの様なファンタジーの様なホラーの様なSFの様な話。
    不思議の国での会話は見事に本家を踏襲していて、混乱するしたまに苛立ちもしながら、読み手までが不思議の世界に引きずり込まれた感覚になる。
    グロ描写は苦手なのだけれど読み進める事が出来たのは会話の軽妙さに加えて、それをされているキャラクター達が意外と淡々としているせいかもしれない。どこかファンタジックで作り物というか虚構っぽいのであまり生々しさを感じなかった。

    似た様な会話が繰り返される中で伏線の見落としがないように割と注意して読んでたつもりだったのに、しっかり騙された。終わり方は賛否両論有りそうだけれど、このしてやられた感が爽快だったのでミステリーとして満足出来る。

  • 「不思議の国のアリス」をモチーフにした、奇想天外なミステリ。雰囲気や馬鹿馬鹿しい会話の応酬が「不思議の国のアリス」ファンにはもうたまりません! でもオリジナリティもしっかりとあります。そして本格ミステリ度もかなり高いぞ。
    「不思議の国のアリス」ファンからすれば、不思議の国で起こった事件の犯人はすぐに分かってしまうなあ。あの勘違いは原典でもあったことだし。だけど、そんなのは全然問題じゃない! ラストの展開にはひたすら愕然。慌てて伏線を拾いまくりました。
    不思議の国での凶器も面白いなあ。まさかあんなものやこんなものを使っちゃうだなんて! 事件の数々や犯人の末路は実に凄惨なのだけれど、なんせ不思議の国なので。どことなくユーモラスです。

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2020年 『未来からの脱出』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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