ジェリーフィッシュは凍らない

著者 :
  • 東京創元社
3.56
  • (69)
  • (180)
  • (195)
  • (32)
  • (7)
本棚登録 : 1182
感想 : 191
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488025519

感想・レビュー・書評

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  • マリアと漣の会話が痛くて、うわーやめてくれ、もうそこ掘り下げないでーと悲鳴が出た。漣のマリアに対する皮肉が低レベル(小中学生か?と思われるほど)で、むしろ漣に対して引いてしまう……。

    トリックは“あれ”さえ先に見つかっていれば万事解決だったのでは?と思ってしまい、書き時にアンフェアさを感じてしまった。まあ、自然な成り行きとして有り得ることなので、そう感じたのは私の感性の問題かもしれないが。

    また、文章の論理性がこちらとずれている感じがして、「え?今そういう話をしているの?そこから導き出されるのはそういうことなの?」と戸惑うこと数回。
    説明不足であり詰め込みすぎと言おうか。読んでいてあまり面白くは感じなかった。

    驚かそうという意図を感じる文章に、そこまで驚きを感じなかったのも辛かった。

    答え合わせのページで、ところどころ犯人が上手くいきすぎなのも引っかかった。辻褄合わせの時間が始まったような感覚がしてしまい残念。

    確かにこれはエラリー・クリーンではなくアガサ・クリスティーだ。しかし本家「そして誰もいなくなった」の方が読み物として美しいことは言うまでもない。「21世紀のそして誰もいなくなった登場!」の帯に期待しすぎてしまったかな。

    個人的にだが、買わずに図書館での入荷を待っても良かったと思う作品。
    それでも★3なのは、設定は十分書き込まれているし、本としては成立していると思うから。

    ※ここからややネタバレ※

    単なる希望だが、北山猛邦「『ギロチン城』殺人事件」ばりに、後から読むと気付く叙述があると良かった。来るか!?来るか!?と期待してしまった……。

  • いやー面白かった!架空の飛行船内で次々起きる連続殺人が緊張感やスリルがあって良かった。犯人が分かっても1点辻褄が合わない理由が最後で分かってスッキリ!本当にジェリーフィッシュ(海月)は凍らないんだねー。ただマリア&レンのコンビがそんなに魅力的じゃないのが残念。。特にマリアのマンガっぽいセリフが古臭さを感じる。設定が架空とはいえ80年代だからかな??

  • SFっぽい小説なんで、全て細かく解説する必要は無いと思ったから、エピローグ(タネ明かしパート)は長い! 読むのが疲れた⤵
    その上で大疑問点
    ✪そもそもレベッカは何でそんな大天才だったの?
    ✪真犯人がそこまで復讐しようとする動機が弱いんでは?
    …ココの説得力こそ足りない。

    …で、“ステルス” ってキーワードが出てきた時点で何となく想像したけど…肝心の海月トリックは、古い漫画だが『紫電改のタカ』のモスキトンの話か、それのオマージュ(?) の『沈黙の艦隊』の2隻のシーウルフ級の話にヒントを得たのかと思った!?(笑)

  • これは自身の勉強不足も原因ですが、
    理系のお話なので難しい部分が多く、
    あまり楽しめませんでした…。

  • 1

  • 気球の様に浮く乗り物、通称「ジェリーフィッシュ」を舞台にした密室殺人ミステリ
    『そして誰もいなくなった』と『十角館の殺人』への挑戦状的作品
    個人的にジョジョみたいなタイトルが結構気に入ったこともあって読み始めてみたらしっかり新本格ミステリで、しかも物語終盤にタイトルの真意が分かると改めて秀逸なタイトルだと唸ってしまった…
    物語終盤の衝撃は『十角館の殺人』に軍配が上がるけど、ラストのしんみりとした切ない閉幕が個人的に好き!

  • クローズドサークル熱が高まり読んでみた。

    真相に近づく手がかりは散りばめられていて、じっくり読めば不自然な点に気づいたり、もしかしてこうなのでは…?と考えながらページをめくる。

    「なるほどそうきたか!」と畳み掛けられた。
    シリーズものなので、マリアと漣の今後のバディっぷりが楽しみ。

  • 3.5

  • #ジェリーフィッシュは凍らない #読了

    ジェリーフィッシュには乗ってみたい。
    けれど、あんな死に方はしたくない。

    クローズドサークルは常に恐ろしい。
    けれど、エピローグの終わり方は好き。

    #市川憂人
    #東京創元社

  • ほんタメ(ヨビノリたくみさん)
    https://youtu.be/BmBRD2J_SyI
    「閉鎖空間で起こるミステリ3選【絶望】」で紹介されていたので読んでみた。

    第26回鮎川哲也賞受賞作

    1980年代に新型飛行船ジェリーフィッシュが実用化している。元来の飛行船に比べて風船部分が小型化できたものである。
    新型のジェリーフィッシュの飛行試験の終盤に異常が発生し、雪山に不時着してしまう。ジェリーフィッシュが燃えている通報を受け、警察が捜査を開始するが、遺体はすべて他殺の痕跡がある。現場は雪山であり犯人が脱出したようには見えない。
    内部の人間が殺し合ったのか?外部から何者かが侵入して殺したのか?犯人が逃げたとすればどのように可能だったのか?

    犯人の思い出パート、ジェリーフィッシュ内のパート、警察の捜査パートが繰り返される。
    次々と推理が浮かぶが証拠と矛盾してしまう、多重解決ミステリのような展開が楽しめる。
    犯人の動機と追求の家庭には少し納得行かないところはあったが、どんでん返しのような意外性も楽しめた。

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著者プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。東京大学卒。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で、第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著書に『ブルーローズは眠らない』、『グラスバードは還らない』(以上東京創元社)、『神とさざなみの密室』(新潮社)など。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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