屍人荘の殺人

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著者 : 今村昌弘
  • 東京創元社 (2017年10月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488025557

作品紹介

神紅大学ミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究会の夏合宿に興味を抱き、同じ大学に在席する美貌の探偵、剣崎比留子と共に紫静荘を訪ねた。“曰く”など気にする風もない部員たちは、肝試しと称し神社に赴くが、想像を絶する異常事態に遭遇し紫静荘に立て籠もることを余儀なくされる。緊張と混乱が続くなか一夜明けると、部員の一人が惨殺死体となって発見される。それは連続殺人の序章に過ぎなかった――。究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか?! 奇想と本格が見事に融合する選考員大絶賛の第27回鮎川哲也賞受賞作!

屍人荘の殺人の感想・レビュー・書評

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  • 〇〇〇に取り囲まれる中の殺人事件。大学生ってこともあるのか、登場人物がラノベっぽいし、怖いものに取り囲まれる中、よく殺人やら謎解きやらできるなと思うところもあるけれど、読みやすく、〇〇〇に追われながら最後まで集中して読めてしまった。本格ミステリでした、しっかりしてました。重すぎず、一風変わっててこういうのもいいんじゃないかな。好みは分かれそうだけれどね。

  • とにかく衝撃を受けました。意外な展開で、そうくるのか、と驚きすぎて、思わず笑ってしまいました。帯にも“ネタバレされる前に読んで!!”と書いてあるとおり、何も知らずに読んで、驚いてほしいです。なので、その驚きを誰かと共有したくなりましたが、詳しく書けないのが悔しいです。

    奇抜ですが、それでもきちんと本格ミステリ作品になっていて、本格ミステリでまだこんなに新しいことがやれるのだと、胸が高鳴りました。

    有栖川有栖氏の帯コメントで、“ここ数年来、本格ミステリが新たな時代に入ったことを感じていた。ついに新・新本格の「目玉」が入った。”とあるように、新たな本格ミステリ、新たな時代を感じることができました。この作品を、今、読めたことが嬉しいです。

  • 大学の映画研究部の夏合宿。別荘でのクローズド・サークル。次々と起こる殺人事件。
    と来ればミステリの王道なんだけど、閉鎖状況になる要因がかなり突飛で面白い。
    正直こんな設定のクローズド・サークルは読んだことがない。

    探偵役(と言うかワトソン役)がミステリ好きということで、フーダニット、ハウダニット、ホワイダニットについてもかなり丁寧に検証され、説明されてるので、ミステリに馴染みがなくても問題なく読めそう。

    途中挟まれたミスディレクションや、きっちり回収してる伏線。本格なんだけど、テンポよく読みやすいので大学生らしい青春ミステリ風でもあり、人がたくさん死んだ割りには重くなりすぎない読後感。

  • 本格はよみがえった
     この世の終わりとも思える特殊設定がインパクト抜群。だが、あくまで◯◯◯はクローズドサークルを構成する道具です。それを前面には出さず、我々が愛する古き良き本格ミステリを貫き通し、隙のないロジックが披露されます。
     そのうえで、このジャンルに新しい風を吹き込んでくれました。唯一無二のHow・Why、そして活き活きとした人物描写。新人賞どころか、間違いなく今年最高の一冊です。

  • ネタバレを気にしてる未読の諸君。そこまで、気にしなくても大丈夫。楽しみが半減するだけで、本作の評価が下がることはない。

    納得の鮎川哲也賞受賞。極めて異例のクローズドサークルものだ。
    作者の巧さが光る。本格ミステリとしてみる以外の、登場人物のキャラわけだったり、物語の引き込み方だったり、隙がなく、エンタメとしても完成度が高い。

    久しぶりに心が沸き立つホワイダニット。大好物である。ぜひ唖然としてもらいたい。

    仰天のトリックといいロジックといい、大満足である。デビュー作で、これほど書ける作家なんて、今後も大いに期待してしまう。名作のいいところを集めました感。

    話題作と騒がれているうちに、この波に乗ったほうがいい。本ミス上位は間違いないのだから。

  • いやぁ、面白かった!面白さという点では、最近読んだ本の中では頭抜けていた。

    映画研究会の夏合宿。そこに事件を嗅ぎつけ着いて行くことになったミステリ愛好会の明智と俺。合宿所の近くでは、テロが発生し、夏フェスに来ていた5万人ほどの観客がゾンビに!
    間も無く合宿所は外との連絡手段を断たれ、ゾンビに取り囲まれた。そして、不審な連続殺人が起こり・・・。ゾンビの仕業なのか、それともメンバーの中に犯人が?

    あまりにも奇想天外の発想なのに、しっかり無理なく回収。この後どうなるんだろう?と気になり、一気読みでした。いやぁ、お見事!

  • 後程ちゃんとした感想を書きたいと思うのですが、しかしながらなんとも我慢ができないのでまずは今の率直な気持ちを述べたい。
    面白すぎる。
    そしてこれは話の始まりを少し説明しただけで、あとはもう読んでもらうしかない。あらすじを書くのは危ない。もちろんソレを知っていたとしても十分に面白いのだが。
    よく帯に「あらすじを書けない」と書いてあるが、わたしはそれをあまり信用していなかった。これは正しく、あらすじを書けない本だ。
    クローズドサークルもので、論理的なフーダニットとハウダニットが美しい。大学生サークルの映研の合宿と称した始まりは今までの名作を彷彿とさせてこれからの「事件」にそわそわしてしまう。不穏な噂や訳ありげなフロア見取り図…。そして、名探偵の登場だ。
    読みながら思う。「おかしい。名探偵が二人いる。」この疑問はすぐに(あるいはずいぶん後に)解消される。解消される方法は、作品を読むことでしかわかり得ない。
    年の暮れに、ほんとに衝撃的な作品に出会ったなあ。再読不可避だなあ。
    それにしても、佐藤正午さんといい、カズオ・イシグロさんといい、この今村さんといい、今年は長崎当たってる。それでさらっと長崎の観光地が出てきたのかな?考えすぎかな。

  • 新人賞としては稀に見る傑作。鮎川賞はややピンボケした本格もあるが今回は端正な本格推理ものとして疑いようがない。
    設定の秀抜さとリーダビリティの高さは今作を唯一無二の個性的な作品にしている。突然の「アレ」からのクローズドサークル、そして殺人事件、更にその解法は美しい消去法推理、フー・ハウ・ホワイダニットを丁寧に説いているのも素晴らしい。
    登場人物が覚えやすいよう工夫されている点や、探偵と助手、人ととあるものとの対比、投影の描写など繊細に背景を彩る要素もバランスよく書いている。
    「新たなる」王道の推理小説だった。

  • どちらかというと、クローズドサークルって好きではなかった(途中で飽きてしまったり、謎解きが難しすぎてついていけない)のだが…。
    これは…展開が意外過ぎて「へ?」となり、捻りがいくつも効いていて、びっくり!
    冒頭の手紙を読んで、そちらがメインかと…。素直に面白かった!

  •  会員2名だけの学校非公認団体「神紅大学ミステリ愛好会」。一回生の葉村譲は、「神紅のホームズ」と呼ばれる会長・明智恭介の助手として、非生産的な日々を送っていた。謎をこよなく愛する明智は、事件を期待して映画研究部のペンション夏合宿への参加を熱望するが、断られてしまう。8月に入っても諦めきれない明智とそれを宥める葉村、そんな二人のもとに、二回生の美少女探偵・剣崎比留子が現れる。彼女の話によると、合宿まで2週間をきったある日、映画研究部にある脅迫状が届いたという。
     『今年の生贄は誰だ』
     1年前の合宿参加者が夏休み明けに自殺したこともあり、合宿への参加辞退が相次いだ。コンパ目的でOBからの招待を受けていた合宿である事から、部長は女性の参加者不足に苦慮している。そこで――。
     「私と一緒に参加してくれませんか」
     「理由を訊ねないこと。それが私からの交換条件です」
     葉村、明智、剣崎の3名を加えた10名の神紅大生、3名のOB、そして管理人。いくつかの謎を含みながらも青春の香り漂う14名の「紫湛荘」。しかし初日夜の肝試し、「紫湛荘」はたったの1時間半にして血と死の匂い立ち込めるクローズドサークルへと変貌する…。
     第27回鮎川哲也賞受賞作にして、ミステリランキング3冠を達成した新人作家による衝撃のデビュー作。


     久しぶりに夜も眠れず読み切ってしまった。
     巧妙なトリック、読者を騙す仕掛け、そして衝撃の展開…。上記のあらすじ以上の前情報なく読み、是非素直に本作からの衝撃を全身で感じてほしい。「そう来たか!」と思わず言ってしまった後は、作品の力にページを繰る手はもう止められない。登場人物の個性の描き分けや舞台の描写が鮮明で、気付いたら読者も「屍人荘」の中を右往左往している。
     本格ミステリと呼ぶに相応しい、解明できない多くの謎と鮮やかな推理。私の推理は立ち上がっては潰え、立ち上がっては潰えを繰り返し、思いもよらない真実に驚嘆させられた。読後にページを戻り、作者により仕掛けられたいくつものトリックに気付いた時、ただただ脱帽するしかなかった。得意気に犯人予想を披露していた自分が、完全に作者の掌の上だったなんて…恥ずかしい…。
     事件、探偵、推理といった王道のミステリ小説はあまり読んでこなかった。特に最近の作品となると、やり尽くされた手口の穴を縫うような犯行が結局現実離れしたものになってしまい不自然感が否めず手が出なかった。
     しかし本作は違う。いや、手口は全然現実的じゃない。でも、不自然ではないのだ。解決編に何の違和感もなく頷いてしまう。それも本作の「非現実的を状況設定」が可能にしたものなのだろう。
     
     素直にとてもとても面白かった。葉村と剣崎のコンビ、是非シリーズ化して今後も二人の活躍を見ていきたいと思った。今村昌弘さんというミステリ作家の誕生に、本当に感謝したい!

  • やばい。面白すぎる!
    確かにネタバレ・予備知識なしで、読んだ方が面白い。これはめちゃくちゃ良い設定。
    クローズドサークルの典型的な構成にまさかのエッセンスを加えて、最高のトリックで、howとwhyで最高の提示ができている。whoも最高の構成。
    ミステリーに素晴らしいガジェットを加えた最高傑作間違いなしだな。もう使えないけど。

  • 古典的な筋書きと近未来的な要素の評価抜群の作品
    私の読後の評価も抜群
    作者の意気込みが詰まってる

  • 『Why done it?
    犯人は何故、犯行に及んだのか』

    内容は敢えてふれずに。。。とにかく面白かった!
    本屋大賞ノミネートの中で、私のイチオシ作品です。

  • 明智が好き

  • 驚天動地、本当に見たことないミステリーでした!クローズド・サークルを作り上げた驚きの設定、そして悪夢のように連鎖する出来事、もう見事でした!奇抜な設定なのに、謎解きは実に理にかなった美しいもので、恍惚とする収束です。あとこの作品、読者にすごく親切ですね!

  • 普段は「どうせ考えても犯人もトリックも分からないし」とミステリはあまり読まないのですが、評判がとても良かったので読んでみました。
    面白かったです!
    ミステリとこれを掛け合わせるとは!!
    気に入っていたキャラが途中退場してしまい、最後までもしかしたら戻って来てくれるかもと期待していたのですが…。

  • 推理好きのコンビに、事件を解決した実績を持つ探偵少女。脅迫状あり、見取り図あり、クローズドサークルあり。
    べたべたな王道ミステリのような始まりなのに、その設定をひっくり返していく展開が、新鮮。
    新しいタイプの、クローズドサークルミステリ。
    意表をつく展開ではあるものの、推理に関しては正統派。
    第27回鮎川哲也賞受賞作ということですが、デビュー作とは思えない読みやすさでした。『このミステリーがすごい! 2018年版』第1位。

  • 鮎川哲也賞受賞作。しかしこれ、どう感想を語ればいいものやら。語りたいことはいっぱいあるのですよ。でも読んでいない人には語りたくない。むしろ語るのはご法度。だって、予備知識なしに読んだらこれ、ひっくり返りそうな展開でしたもん。読む前に知っちゃいけませんよこれは。
    とりあえず言えること。これは史上最悪最低最凶のクローズドサークルミステリです。前代未聞の凶器と、そして最も悲壮な運命を持った名探偵。これがデビュー作とはとんでもなさ過ぎです。いやー面白かった。特に○○○好きにはたまらない作品ではあるけれど……これはばらしちゃ絶対ダメ、と。
    ミステリとしての部分も、トリックとしての意外性もさながら。なぜそんな手間暇のかかる殺害方法を選んだか、という部分に目からウロコ。なるほど、○○○ならではの理由がそこにあったのか……!

  • なるほど、確かにこういう形でクローズド・サークルということの本質を知らされた気がする。読み終えた段階ではどことなく違和感があったけども、その違和感の正体を最後の解説の部分での指摘を受け、あぁそうかそうかと。だけども、個人的には本筋じゃないの方の事件についても決着はつけて欲しかったと気もする。でもそこまでやると、複雑すぎるんかなぁ。

    個人的には最初の調査報告書は必要なのかどうかっていうところなんだけどもねぇ。それが本編とさほど関係ないというか、単なるクローズド・サークルを成立させるための枠組みに過ぎないというところが、ちょっと違和感から不満につながる気がしている。ただ、それもミスリードを誘う筆者のねらいなんだろう。そういう意味でまんまとやられたんだな(笑)

    全体としては読みやすかったし、面白かった。

  •  第27回鮎川哲也賞受賞。つまり、デビュー作であるが、年末3大ランキングを全制覇。評判はずっと気になっていた本作を、ようやく手に取ったわけである。これから読む予定がある方は、以下の文章には目を通さない方がいいだろう。

     本格ミステリのトリックは出尽くしたとは、よく聞く話である。作中のある人物たちも、そのような会話を交わす。曰く、現代の本格ミステリは、それらの組み合わせである。本作もまた、組み合わせの産物には違いない。

     「雪の山荘」的なシチュエーションであるが、クローズド・サークルを形成する手段がすごい。「雪の山荘」と、○○○。どちらもありきたりなモチーフなのに、組み合わせるだけでこんなに斬新に感じられるとは。そう、組み合わせは無限大。このアイデアだけで、本作の成功は決まったようなものである。

     と、思い出した。本格ミステリと○○○の組み合わせならば、あの伝説的作品があるではないか。もちろん、作品名は明かせない。著者の今村昌弘さんが、その作品を知っているかは不明だが、両作品には、共通する精神がある。

     ○○○が出てくるという非現実の世界であっても、ルールが厳密に設定され、なおかつそのルールを逸脱していなければ、本格ミステリとして十分に成立する。実にフェアだ。しかも、両作品ともデビュー作なんだよなあ。

     このような、一見奇をてらった設定だからこそ、成立し得るトリック。ひねりすぎても納得性が薄れてしまう。なるほどなあと読者に思わせる程度に、この設定を活用している。少々意地悪く言うと、この真相はびっくり仰天というほどではなかった。しかし、さじ加減が抜群にうまい。老獪ですらある。

     もっとも、バランスがよすぎる点に、不満を感じる向きもあるだろう。僕自身、知らずに読んだら、新人の作品とは思わなかったかもしれない。読者とは勝手なもので、新人の作品には、完成度よりも勢いを求めがちである。

     本作は、『ミステリが読みたい!』だけは、なぜかランク外であった。投票者が本作を外した気持ちは、わからなくもないかな。

  • 「このミステリーがすごい!」、「本格ミステリ・ベスト10」、「週刊文春ミステリーベスト10」、何れも一位を獲得した第27回鮎川哲也賞受賞作。
    映画研究会の夏合宿で起こる連続殺人。奇抜なクローズド・サークルに唖然とさせられましたし、それを活かした謎解きも巧妙。力むことなく読者に読み易い工夫を凝らしているところも好印象で、三冠も納得の怪作だと思います。

  • Twitterで話題になっていたので推理もの好きのとしては要チェック!と、久々にハードカバーで買いました。
    まさかの展開の感想は恐らくみなが感じているのと同じで、それを違和感なく本格推理ものに仕上げているのがさすがでした。
    ワクワクする舞台設定、さりげない伏線、思わせぶりなミスリード、意外性がありつつもフェアなトリック、業を背負った名探偵…推理ものに必要な要素がきっちり詰まっている良作です!

    語り口はとってもライト。
    あと個人的に最近○○○ものにもハマっているのでタイムリーでした。

    読む前に奥付を見たときに右ページの参考文献を目にしてしまったことだけは後悔(笑)。
    前情報なしで驚きたかった!

  • 中盤から一気に引き込まれた。
    突飛なアイデアによる環境設定とフーダニット・ハウダニット・ホワイダニットを全て繋いでいく推理過程の切れ味が凄い。

  • とにかく面白いです。一気に読み切ってしまいました。
    宣伝文句にもあるように、ネタバレする前に読んだ方が良いと思います。
    (ただ、仮にネタバレを食らってから読んだとしても面白いと思います)

    何を書いてもネタバレになりそうですので、人に勧めたり感想を書いたりしにくいです……なのでブクログのコメントもこのへんで……

  • 鮎川哲也賞受賞作品とあるからにはある程度のレベルに達しているはず、との期待はまずまず裏切らない出来。しかし、クローズドサークルの原因にアレを持ち込むとは、あと1歩でバカミスになる危険もあった。
    班目機関、陰謀、細菌テロという大げさな道具立てもただただアレを引っ張りだしてくるためであり、密室状態での連続殺人のハウダニットを際立たせるためだった。
    その試みは成功している。
    その代わり、ホワイダニット及びフーダニットは相対的に弱い。この動機?この人間関係でここまでする?
    語り手の葉村が震災被害者であるという設定も生かし切れていない。
    名探偵剣崎比留子は、二階堂黎子そのもので、目新しさがない。
    と、色々欠点はあるもののアレの怖さに失笑しながらも、先の展開を楽しみにして読んだのだから、ミステリ作家スタートに十分合格だ。
    しかし…アレ、ねえ…笑

  • これこそ本格の面白さ。設定は少々奇抜なもののフェアだしロジカルにまとまっていて目立つ齟齬は見当たらない。
    前評判のせいで期待が大きくなりすぎたがさほど裏切られなかった。そちらよりネタバレ気味のツイートのせいで綺麗にミスリードに引っかかった。

  • 神紅学園ミステリー愛好会の明智と葉村、探偵少女の剣崎は同学園演劇部、映画研究部とそのOBのメンバーは、紫湛荘で行う合宿に同行する。
    夜の肝試し中に大量のゾンビに襲われ、メンバー4人が行方不明になる(明智も葉村の目の前でゾンビに襲われた)。そのゾンビは格好から推察するに、近くで行われていたザベアロックフェスの参加者で、生物兵器に感染したようであった。
    残されたメンバーは、紫湛荘に立て籠もることを決意し、外部からの侵入を防ぐバリケードを作り、夜を過ごしたが、映画研究部長の進藤が部屋で喰いちぎられた状態になって発見される。進藤の部屋の外から「ごちそうさま」と書かれた紙が差し込まれていたことから、現場は二重の密室であったことが判明する。すなわち、人間は密室が突破できるが、喰いちぎる方法で殺害できず、逆にゾンビは殺害できるが、密室を突破できないという侵入方法と殺害方法の2つの条件をクリアしなければならない密室殺人なのであった。
    次に神紅大学OBの立浪、七宮が殺害される。立浪は部屋から運び出され、エレベーターで発見され、部屋に閉じこもっていた七宮は毒殺されていた。
    進藤の部屋を捜索していた剣崎は、布団の両面に血痕が存在しているのに気づき、彼が恋人でゾンビに噛まれてしまった星川を皆に隠して匿っていたと知る。彼の看病も虚しく、ゾンビとなった星川に殺されたのであった。それを知った犯人は、扉に紙を差し込むことで、犯人像の撹乱に利用したのである。すなわち、第1と第2、3の事件では犯人の意図通りに人が殺されたものの、犯人が異なっていたのであった。
    犯行を行った映画研究部1年の静原は、昨年の合宿でOBの七宮らに手を出されたのち、自殺した遠藤の恨みを晴らすために犯行に踏み切ったという。周りがゾンビに囲まれるという非常事態に直面したが、偶然を悪魔的な閃きで利用し、目的を達成したのであった。

    情報統制により電波が繋がらず、周りがゾンビに覆われて封鎖された宿というクローズドサークルが舞台であり、タイトルからも分かるように本格派のミステリーとなっている。第27回鮎川哲也賞受賞作で本格ミステリーの安定感がある。
    エキセントリックな性格の明智先輩、謎に包まれた剣崎比留子という美少女など個性的な登場人物と一人称で描かれる冷静な主人公葉村のおかげで、時には笑みを浮かべながら、時には客観的に情景を思い浮かべながら、すらすらと読み切ることができる作品である。
    登場人物が多いものの、途中で整理するシーンがあり、読者に優しい。また、あらゆる可能性を剣崎が一つずつ潰していくという論理的な推理がなされており、読者に理解しやすいような工夫がされているといえよう。
    犯行について一言。単独犯の連続殺人であるが、第1と第2、3の犯行は殺害した者が異なるというのはおもしろい。ゾンビという得体の知れない存在が可能性を膨らませる役割を果たしているのであろう。
    バイオテロの詳細は明かされていないが、エピローグで葉村と剣崎が続きを仄めかしていることから、今後彼らが解明に挑んでいくと思われ、次の作品を心待ちにしたい。

  • 興味を抱きながら読み進められたけど、読後なんか詰めが甘い感があった。
    まずテロリストの目的は?手帳を残した意図は?
    あと、典型的主人公にはまりそうな明智くんがあっさり殺されてしまい、(出目の再登場で予想できた)最後に明智くんが主人公を襲おうとして殺されるという悲劇的展開は個人的に好きじゃなかった。(予想できてしまったからもあるけど)
    また、明智くんの立ち位置を取って代わろうとする剣崎の存在も謎が多いし…うん。なんか好きになれない。(笑)
    犯人の殺害動機内容に対する殺人犯としての豹変ぶりにはギャップがありすぎるかと…。
    最後に、結局ゾンビはどうやって対処したんだろう。繁殖は阻止できたのだろうか。研究と組織は解明されたのか。重本と手帳の行方は…といろいろ盛り込んだけど謎が残ってしまった感じが否めない。

  • う~ん、これが本屋大賞候補作か・・・

  • 先が気になってついつい読み進めていました。
    しかし、斑目機関のあの動機は何?
    何目的だったのかが最後に分かる、と思っていたので「あれ?」という感じではありました。
    誰か教えてほしいです。

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