屍人荘の殺人

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 4775
レビュー : 762
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488025557

作品紹介・あらすじ

神紅大学ミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究会の夏合宿に興味を抱き、同じ大学に在席する美貌の探偵、剣崎比留子と共に紫静荘を訪ねた。“曰く”など気にする風もない部員たちは、肝試しと称し神社に赴くが、想像を絶する異常事態に遭遇し紫静荘に立て籠もることを余儀なくされる。緊張と混乱が続くなか一夜明けると、部員の一人が惨殺死体となって発見される。それは連続殺人の序章に過ぎなかった――。究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか?! 奇想と本格が見事に融合する選考員大絶賛の第27回鮎川哲也賞受賞作!

感想・レビュー・書評

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  • 私の中でですが
    テンポが早くドキドキが付いて回り続ける臨場感溢れるゾンビパニック物と
    終始暗い色味でゆっくりと物語を踏み締め進んでいくハラハラのクローズドサークル物。
    この相反する要素が重なった時どんな化学反応が起きるのか大変楽しみにしておりました。

    (例)ー「ヤクザの幽霊」のような怖い物と怖い物合わせたらむっちゃ怖いんじゃね!と創作したらサングラスかけたおじさんの幽霊、つまりへんてこりんな物体が出来上がった。ー

    の様な心配をしていましたがその心配は必要無く、しっかりとミステリであり、しっかりとゾンビでした(語彙力)
    というのも トリック含めこの二つの融合じゃないと出来上がらない、素材を全く無駄にしていない素晴らしい構築だったと思います。

    ただ、畳み掛けの後半戦。
    ーゾンビ物お約束ー バリケード崩壊→屋上避難 と
    ーミステリーお約束ー トリックの解明→犯人特定
    ここの「うぉおぉおぉぉ!!!」感は心拍数の上昇を確定させる大一番でしたが
    なんというか...なんだか....弱.... いので..す..(フェードアウト)

    勿論犯人の動機もなのですが、ー顔を合わせるートリックの為だけにチョロ出しされてた災害のくだりと変なプライドをいきなり発揮させる主人公
    それ故に剥がれてゆく犯行の全貌。
    うーーーん、、腑に落ちませぬ(´•ω•`)

    更に言えばホームズの悲劇、ワトソンとは生還と対立どちらでの再会になるのか!!
    と楽しみにしていた部分でもあったのですが
    これまた弱い...「それだけ..?? 」と少し悲しくなってしまいました。

    立浪さんの過去のお話を聞いても荒んだ私には何も響く部分は無く、同情求厶!の求人広告にむしろ若干引いておりました。
    こんなこれみよがしの死亡フラグも中々ないですよねぇ( 'ω' )笑

    そもそもの始まりである斑目機関のとてつもない研究成果 も
    なんか え..いや凄いんだけど... あれ...??終わりなんか!?!? といった代物で
    なんか色々弱いんです。

    続編を読むとまた色々な事がわかって面白いのでしょう。楽しんだのは事実であり有意義な時間を過ごせました。
    期待を込めて次を楽しみにしております(* ´ ˘ ` *)

  • 単純にミステリものだと思っていたら、違うジャンルとのコラボだったので驚いた。
    まさか現代日本でこれをやるか。
    そして二重の密室状態で起こる殺人。
    ”内側”と”外側”の両方でハラハラした。というか、正直”外側”が気になって推理に集中できなかった。怖い!!
    色んな意味でどうなってしまうのか気になって一気に読み終わった。

    キャラクターが良くて、主人公たちの掛け合いがシリアスの中でも和ませてくれた。
    それなのに…しかも最後…
    犯人の狂気もすごかった。

  • おいおい、この作者。天才かよ。
    誰も考えつかねえぞ!こんな推理小説のコンセプト!

    正統派フランス料理のフルコースを食べようとしたら、「超こってりの中華料理食べ放題もご一緒にどうぞ!」って言われて、とりあえず一緒に食べ始めたらどっちもすっげえ旨かったってな感じ。もう腹一杯で、超満足w。

    もちろん、この本がデビュー作ってことだから荒さはちょっとあるよね。例えば、この事態は何で起こったのかの説明が少なすぎるとか、犯人の目星はかなり早い段階でついちゃうとか、でもそんなことどうでも良いでしょってくらい、あらゆる批判をぶっ飛ばす面白さ。

    小説は、面白けりゃそれが正義。

    典型的密室殺人事件が発生して、この人の推理で事件は解決するんだろっていう探偵役の人がいきなりそれって、まさにテロリストにハイジャックされた旅客機を救出する特殊部隊の超頼りがいのあるスティーブン・セガール演じる隊長が一番最初に〇〇しちゃう映画『エグゼクティブデシジョン』状態。まさに予想の斜め上をいくストーリー。
    さらに数々の難事件を既に解決してきた超美少女の探偵少女がその場にすでに居合わせているとか。おい、ちょっと待て、ライトノベルかっていうの!

    ・・・でも面白い。こりゃ賞は総なめするし、ベストセラーになるし、シリーズ化はされるし、映画になるのも納得。

    まあ、この小説が忠実に映像化されたらかなり面白い映画になるとは思う。ちょっと期待。この小説の映像化はアニメよりも実写が正解だよ。実写を忠実にできるならね。

    本書はミステリーファン必読の一冊(最初にこの本からスタートじゃなくてある程度本格ミステリーを読んだ後に!)になることは将来的に間違いないと思うし、模倣作品も出てくると思う。異なるジャンルを掛け合わせるごった煮状態小説が(笑)。
    でも、そういうの望むところです。読書好き冥利に尽きるね。

    とりあえず、本書の続編の『魔眼の匣の殺人』は必ず読もうっと。

  • 大学時代の恩師が「前情報なしで映画を観てきたらめちゃめちゃおもしろかった!」と言っていたため、わくわくしながら原作を読んでみました。(映画も観たい…)

    本書の語り手は、謎に首をつっこみたがる先輩・明智に振り回されるワトソン役の後輩・葉村。
    美しき探偵少女・比留子に取引をもちかけられ、大学の映研の夏合宿に参加することになった3人は、山奥のペンションに向かったのだが…

    今風の登場人物たちと古典的な王道ミステリの小気味よいブレンドに気持ちが高まってきたところに、思いがけない大事件によってペンションに閉じ込められ、さらにその中でメンバーの1人が遺体となって発見され…。
    もう途中から「うわぁ、なにこれなにこれ!」と物語の勢いにひっぱられて一気に読了。
    著者の奇想が生み出したクローズドサークル、そしてその舞台を最大限に活かして展開するトリックに、うなってしまいました。

    著者は本作がデビュー作とのこと。
    この先もどんなアイディアで読者を驚かせてくれるのか、とても楽しみです。

  • 「今年の生贄は誰だ」
    差出人不明の一枚の脅迫状から始まった大学の映画研究部の夏合宿。
    曰く付きの魔の合宿は、「ゾンビ」による襲撃という想像を絶する非常事態に遭遇しパニックを起こすわ、次々に合宿参加メンバーが謎の死を遂げるわ、で久々に王道のミステリを読んだ気がする。

    ゾンビとの生死をかけた戦いをしつつ、事件の謎解きもしていく生き残りのメンバー。
    そんな恐怖の最中に思うことは、この世で一番怖いのは人間の憎悪だということ。
    心の奥底に潜む醜い部分をさらけ出した時の人間はゾンビの恐怖をも越える。
    ラストの、大切な人との別れがとても悲しい。
    そしてミステリ愛好会の残された二人の続編にも期待したい。

  • 題名からして本格もののクローズドサークル?とワクワクしながら読み始めた。
    出だしは大学の学食で集うミステリ愛好会の二人で、癖の強いホームズ役とワトソン役の主人公。
    この二人が数合わせの為にペンションに招かれて……ってもー王道じゃん!
    ところが話が進むにつれてこれがとんでもないクローズドサークルだと判明!
    こんなの有りか?!と戸惑っているうちにホームズまで消え去って茫然……
    極限状態で起きる連続殺人事件。極限も極限の状況過ぎて果たしてこの人達生きて帰れるのか心配したが、殺人事件の方も綺麗に解決されて、本当に安心した。
    成る程現代ではこんな形のクローズドサークルも有りだなぁ。バイオテロ物としてはあまりにイージーだとは思うけど、面白かった!
    紫湛荘って屍人荘と読みが同じって事だよね?作者が色々楽しみながら書いている感じがまた楽しめた。今後も楽しみ。

  • 面白かった。一気に読んだ。
    怖がりなので ゾンビが出てきてからは 怖くてたまらず。
    事件が起きる前に明智さんがいなくなっちゃうとは。
    明智さんは 探偵役じゃなかったんだねー 笑。
    殺されるだろう人と たぶんの動機はすぐわかるけど 犯人が誰かと どうやって?がなかなかわからなかった。
    夜に読んだことを後悔。
    電気つけて寝よーっと。

  • とにかくおもしろい。

    ゾンビ出てきて、大丈夫?って思ったのも最初だけ、すぐに成立しちゃってて、こんな掛け合わせありなんだと感心しちゃいました。しかも、ゾンビが効いてるシーンまであるし。愛する人、自分と対となって成立する人がゾンビになったら、もう人格は失っても思い人の形は残っている、切なさまで残る。

    明智の我が道を行く感じが、たまらなく良くて、好きになった途端、ゾンビに食われるとは、序盤で衝撃。それを押しのけてライトノベルばりの美少女の剣崎が天然さと、明智をフリにしても負けないキレキレぶり。すっかり虜にされて、ラストシーンでまたやられる。

    久しぶりのミステリーでしたが、ミステリー熱にまた火がつきました。参りました。続編読みます。

  • これは…すごいな!
    と感動を覚えたので久々に感想を書きます。

    神紅大学のミステリー愛好会に所属する葉村譲は、事件に首を突っ込みたがる先輩の明智に振り回される日々を送っていた。
    ある日、2人は剣崎比留子というミステリアスな美女から映画研究会の夏合宿への参加を持ちかけられ、山奥のペンションに向かう。そこには参加した女子を食いものにするというOGらも来ていた。
    初日の肝試しで、彼らは想像を絶する異常事態に巻き込まれ、ペンションへの立て篭もりを余儀なくされる。一夜が明け、ひとりの惨殺死体が発見される…。



    ここからネタバレありなので、未読の方は読まないでください!



    題名からしてベタだし、開くとベタな見取り図に、ベタな登場人物一覧があって、大学生の合宿で起こる密室殺人かなーと。だからこのミス一位と聞いて少し前に借りてたんだけど、なかなか読む気にならないでいたのですよ。
    でもたまたま、子供達を預けて観てきた映画おっさんずラブ(これはクソだった)の予告で、この屍人荘の殺人があり、浜辺美波ちゃんの可愛さやスリリングな展開に興味を惹かれ、読み出したのが昨日のこと。

    今日、隙間時間に貪欲に読み進めて読了!!
    途中からの怒涛の展開で、「いやいや君、そこで落ちちゃうの?!」とびっくりし、でも映画の予告では普通に中心人物ぽいからどこかで復活を遂げるトリックがあるんだろうと読み進めたら、、ホームズ役は彼女のままで…まさか最後に…!!
    えーー!!
    まじでそうなの?!とショックを受けました(←そこ?笑)。
    いや、ラストは色々と「えー!」があって、でもこんな奇想天外な設定なのにトリックはとても綺麗にまとまっていて、いやいやこの殺人は無理やろーからのナルホド納得!が気持ちいいくらいでした。なお、私は雑魚な読者なので(だって管野さんの「妹は事故で…」とかめちゃ思わせぶりで、犯人決定やんーわかりやすーとか思ってた)、こういう推理物は引っかかって喜んでしまいます。
    作者の発想の柔軟さがすごい。本当に面白かった。

    ところで映画版は設定変えるんだろうか??さっき公式HP見たけど、うん、おるしなぁ(笑)。君、死なないやろ?ホームズが2人いたって、(ワトソン君は困るだろうけど)いいと思うのよ!
    トリック知ってるけど、映画も気になります。

    • kuma0504さん
      映画は設定全然変えてないようです。原作は一行も読んでませんが(^^)
      映画は設定全然変えてないようです。原作は一行も読んでませんが(^^)
      2020/01/03
    • マリモさん
      kuma0504さん
      教えてくださってありがとうございます!そうなのですねー、そしたらあの場面はやはり…!
      原作読まずに映画を観たらなかなか...
      kuma0504さん
      教えてくださってありがとうございます!そうなのですねー、そしたらあの場面はやはり…!
      原作読まずに映画を観たらなかなか衝撃だと思います!´д` ;
      2020/01/04
  • 興味を抱きながら読み進められたけど、読後なんか詰めが甘い感があった。
    まずテロリストの目的は?手帳を残した意図は?
    あと、典型的主人公にはまりそうな明智くんがあっさり殺されてしまい、(出目の再登場で予想できた)最後に明智くんが主人公を襲おうとして殺されるという悲劇的展開は個人的に好きじゃなかった。(予想できてしまったからもあるけど)
    また、明智くんの立ち位置を取って代わろうとする剣崎の存在も謎が多いし…うん。なんか好きになれない。(笑)
    犯人の殺害動機内容があれなのに、殺人犯としての豹変ぶりにはやり過ぎ感が…。
    最後に、結局ゾンビはどうやって対処したんだろう。繁殖は阻止できたのだろうか。研究と組織は解明されたのか。重本と手帳の行方は…といろいろ盛り込んだけど謎が残ってしまった感じが否めない。

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著者プロフィール

今村 昌弘(いまむら まさひろ)
1985年、長崎県生まれ。岡山大学医学部保健学科卒業後、放射線技師として勤務。29歳で退職し、執筆活動に専念。2017年『屍人荘の殺人』で鮎川哲也賞、本格ミステリ大賞を受賞。ほか、SRの会年間ベスト第1位、「このミステリーがすごい!2018」第1位、「2018 週刊文春ミステリーベスト10」第1位、「2018 本格ミステリ・ベスト10」第1位、第15回本屋大賞第3位、「キノベス!2018」第2位ときわめて高い評価を受け、2017年度エアミステリ研究会ランキング第1位、名古屋大学生協による南部書籍大賞、福井県のみそ店「米五」の社員が選ぶ「味噌屋大賞」などにも選ばれている。2019年映画化が決定。神木隆之介・浜辺美波・中村倫也が出演。

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