屍人荘の殺人

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 2746
レビュー : 441
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488025557

作品紹介・あらすじ

神紅大学ミステリ愛好会に所属する葉村譲と会長の明智恭介は、曰くつきの映画研究会の夏合宿に興味を抱き、同じ大学に在席する美貌の探偵、剣崎比留子と共に紫静荘を訪ねた。“曰く”など気にする風もない部員たちは、肝試しと称し神社に赴くが、想像を絶する異常事態に遭遇し紫静荘に立て籠もることを余儀なくされる。緊張と混乱が続くなか一夜明けると、部員の一人が惨殺死体となって発見される。それは連続殺人の序章に過ぎなかった――。究極の絶望の淵で、葉村は、明智は、そして比留子は、生き残り謎を解き明かせるか?! 奇想と本格が見事に融合する選考員大絶賛の第27回鮎川哲也賞受賞作!

感想・レビュー・書評

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  • 「今年の生贄は誰だ」
    差出人不明の一枚の脅迫状から始まった大学の映画研究部の夏合宿。
    曰く付きの魔の合宿は、「ゾンビ」による襲撃という想像を絶する非常事態に遭遇しパニックを起こすわ、次々に合宿参加メンバーが謎の死を遂げるわ、で久々に王道のミステリを読んだ気がする。

    ゾンビとの生死をかけた戦いをしつつ、事件の謎解きもしていく生き残りのメンバー。
    そんな恐怖の最中に思うことは、この世で一番怖いのは人間の憎悪だということ。
    心の奥底に潜む醜い部分をさらけ出した時の人間はゾンビの恐怖をも越える。
    ラストの、大切な人との別れがとても悲しい。
    そしてミステリ愛好会の残された二人の続編にも期待したい。

  • ネタバレを気にしてる未読の諸君。そこまで、気にしなくても大丈夫。楽しみが半減するだけで、本作の評価が下がることはない。

    納得の鮎川哲也賞受賞。極めて異例のクローズドサークルものだ。
    作者の巧さが光る。本格ミステリとしてみる以外の、登場人物のキャラわけだったり、物語の引き込み方だったり、隙がなく、エンタメとしても完成度が高い。

    久しぶりに心が沸き立つホワイダニット。大好物である。ぜひ唖然としてもらいたい。

    仰天のトリックといいロジックといい、大満足である。デビュー作で、これほど書ける作家なんて、今後も大いに期待してしまう。名作のいいところを集めました感。

    話題作と騒がれているうちに、この波に乗ったほうがいい。本ミス上位は間違いないのだから。

  • 久しぶりに上手いミステリーに出会った。27回鮎川哲也賞の受賞作品。正統派の殺人事件と思いきやゾンビが絡んでくるという思いがけない展開で一気に読み終えた。非凡な若手ミステリー作家の登場に今後の作品が待たれます♪

  • 興味を抱きながら読み進められたけど、読後なんか詰めが甘い感があった。
    まずテロリストの目的は?手帳を残した意図は?
    あと、典型的主人公にはまりそうな明智くんがあっさり殺されてしまい、(出目の再登場で予想できた)最後に明智くんが主人公を襲おうとして殺されるという悲劇的展開は個人的に好きじゃなかった。(予想できてしまったからもあるけど)
    また、明智くんの立ち位置を取って代わろうとする剣崎の存在も謎が多いし…うん。なんか好きになれない。(笑)
    犯人の殺害動機内容があれなのに、殺人犯としての豹変ぶりにはやり過ぎ感が…。
    最後に、結局ゾンビはどうやって対処したんだろう。繁殖は阻止できたのだろうか。研究と組織は解明されたのか。重本と手帳の行方は…といろいろ盛り込んだけど謎が残ってしまった感じが否めない。

  • 後程ちゃんとした感想を書きたいと思うのですが、しかしながらなんとも我慢ができないのでまずは今の率直な気持ちを述べたい。
    面白すぎる。
    そしてこれは話の始まりを少し説明しただけで、あとはもう読んでもらうしかない。あらすじを書くのは危ない。もちろんソレを知っていたとしても十分に面白いのだが。
    よく帯に「あらすじを書けない」と書いてあるが、わたしはそれをあまり信用していなかった。これは正しく、あらすじを書けない本だ。
    クローズドサークルもので、論理的なフーダニットとハウダニットが美しい。大学生サークルの映研の合宿と称した始まりは今までの名作を彷彿とさせてこれからの「事件」にそわそわしてしまう。不穏な噂や訳ありげなフロア見取り図…。そして、名探偵の登場だ。
    読みながら思う。「おかしい。名探偵が二人いる。」この疑問はすぐに(あるいはずいぶん後に)解消される。解消される方法は、作品を読むことでしかわかり得ない。
    年の暮れに、ほんとに衝撃的な作品に出会ったなあ。再読不可避だなあ。
    それにしても、佐藤正午さんといい、カズオ・イシグロさんといい、この今村さんといい、今年は長崎当たってる。それでさらっと長崎の観光地が出てきたのかな?考えすぎかな。

  • 〇〇〇に取り囲まれる中の殺人事件。大学生ってこともあるのか、登場人物がラノベっぽいし、怖いものに取り囲まれる中、よく殺人やら謎解きやらできるなと思うところもあるけれど、読みやすく、〇〇〇に追われながら最後まで集中して読めてしまった。本格ミステリでした、しっかりしてました。重すぎず、一風変わっててこういうのもいいんじゃないかな。好みは分かれそうだけれどね。

  • 予備知識なしで読んでみた。ミステリかと思いきやただのゾンビ物語(サバイバルホラー?)でがっかり。
    売れた本には売れた本なりの面白さがあると思って読むけど、自分の毛色にはまったく合わなかったし、「うわぁぁあーー!」「遅いよ~」とか文章の書き方がラノベ?という感じで白ける。トリックや話の構成がどうこうというより著者が合わないのかも。

  • とにかく衝撃を受けました。意外な展開で、そうくるのか、と驚きすぎて、思わず笑ってしまいました。帯にも“ネタバレされる前に読んで!!”と書いてあるとおり、何も知らずに読んで、驚いてほしいです。なので、その驚きを誰かと共有したくなりましたが、詳しく書けないのが悔しいです。

    奇抜ですが、それでもきちんと本格ミステリ作品になっていて、本格ミステリでまだこんなに新しいことがやれるのだと、胸が高鳴りました。

    有栖川有栖氏の帯コメントで、“ここ数年来、本格ミステリが新たな時代に入ったことを感じていた。ついに新・新本格の「目玉」が入った。”とあるように、新たな本格ミステリ、新たな時代を感じることができました。この作品を、今、読めたことが嬉しいです。

  • 大学の映画研究部の夏合宿。別荘でのクローズド・サークル。次々と起こる殺人事件。
    と来ればミステリの王道なんだけど、閉鎖状況になる要因がかなり突飛で面白い。
    正直こんな設定のクローズド・サークルは読んだことがない。

    探偵役(と言うかワトソン役)がミステリ好きということで、フーダニット、ハウダニット、ホワイダニットについてもかなり丁寧に検証され、説明されてるので、ミステリに馴染みがなくても問題なく読めそう。

    途中挟まれたミスディレクションや、きっちり回収してる伏線。本格なんだけど、テンポよく読みやすいので大学生らしい青春ミステリ風でもあり、人がたくさん死んだ割りには重くなりすぎない読後感。

    • chie0305さん
      marimocoさん、こんばんは。
      クローズドサークルって舞台が変わらなくて飽きてしまうんです。難しいトリックも苦手で…。この本は全く予想...
      marimocoさん、こんばんは。
      クローズドサークルって舞台が変わらなくて飽きてしまうんです。難しいトリックも苦手で…。この本は全く予想外の展開で飽きませんでした!研究機関もゾンビも小道具だったのか、と(笑)
      marimocoさん、篠田真由美さんがお好きなんですね。私は最近この作家さんを知って(アベラシオンとか!)他も読んでみようと思ってます。
      2018/02/01
  • 本格はよみがえった
     この世の終わりとも思える特殊設定がインパクト抜群。だが、あくまで◯◯◯はクローズドサークルを構成する道具です。それを前面には出さず、我々が愛する古き良き本格ミステリを貫き通し、隙のないロジックが披露されます。
     そのうえで、このジャンルに新しい風を吹き込んでくれました。唯一無二のHow・Why、そして活き活きとした人物描写。新人賞どころか、間違いなく今年最高の一冊です。

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著者プロフィール

今村 昌弘(いまむら まさひろ)
1985年、長崎県生まれ。岡山大学医学部保健学科卒業後、放射線技師として勤務。29歳で退職し、執筆活動に専念。2017年『屍人荘の殺人』で鮎川哲也賞、本格ミステリ大賞、を受賞。ほか、SRの会年間ベスト第1位、「このミステリーがすごい!2018」第1位、「2018 週刊文春ミステリーベスト10」第1位、「2018 本格ミステリ・ベスト10」第1位、第15回本屋大賞第3位、「キノベス!2018」第2位ときわめて高い評価を受けた。
『屍人荘の殺人』は他にも、2017年度エアミステリ研究会ランキング第1位、名古屋大学生協による南部書籍大賞、福井県のみそ店「米五」の社員が選ぶ「味噌屋大賞」などにも選ばれている。2019年映画化が決定。神木隆之介・浜辺美波・中村倫也が出演。

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