ドロシイ殺し (創元クライム・クラブ)

著者 :
  • 東京創元社
3.53
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本棚登録 : 937
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488025564

作品紹介・あらすじ

夢の中にある世界〈不思議の国〉の住民である蜥蜴のビルは、砂漠を彷徨う中でドロシイと名乗る、案山子とブリキの樵とライオンを連れた少女に出会う。彼女の助けを借りて不思議の国へ戻ろうとするビルだが、その最中にオズ支配者・オズマ女王の宮殿の一室で死体が発見される。強力な魔法と軍人たちに守護されていた部屋で、だれがどうやって殺したのか? 夢と現実双方で起きる事件の意外すぎる真相とは――『アリス殺し』シリーズ最新作。

感想・レビュー・書評

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  • 「フェアリー·テイル」に向けて再読。不思議の国に帰れないままフェアリーランドを彷徨うトカゲのビルが次に流れ着いたのはオズの国。魔法の力で国を治めるオズマ女王の誕生パーティーで警備室でジンジャー将軍が、その奥の部屋でドロシイが共に血の海の中で死んでいるという事件が起こり、現実世界でも死亡事故が。ビルのアーヴァタールである井森はオズの国のアーヴァタール達と事件の解決に臨む。オズの国サイドでの会話の煙に巻かれる具合は相変わらずだがこれまでのシリーズに比べると謎についてはシンプルで判りやすい。寧ろ解決後の力技とか途中の残虐描写の方が印象に残った。「玩具修理者」繋がりとかラストでシリーズの時系列があれ?となった諸々の疑問点は次で明らかになるんだろうか。抱えたまま彼岸に渡られた気がしてならない。

  • とっても好きなシリーズです。
    「メルヘン殺しシリーズ」第3段。
    今回も蜥蜴のビルが光ってました!
    彼の言葉のやり取りが時々イラつくけど、とても可愛くて大好きです。
    ビル、前シリーズよりちょっとづつ賢くなってきてる気がします。
    「オズの国」はとてもメルヘンな魔法の国で「オズの魔法使い」の世界に出てくるような魅力的なキャラクター達もとても可愛くて、でも、とても残酷で。
    「不思議の国」「ホフマン宇宙」「オズの国」を比べると、圧倒的にオズマの支配するオズの国は広大で、魔法も使えるし、格が違います。
    独裁国家で、オズマや魔法使いの力が圧倒的なので、殺人は起こり得ません。
    そんなオズの国で起こった殺人事件を、蜥蜴のビルと小間使いのジュリアが捜査していきます。
    「クララ殺し」より、アーヴァータールとの兼ね合いで頭がごっちゃになるような事はあまりありませんでした。
    毎回犯人に与えられる制裁の残虐さにスッキリしています。
    次作の「ティンカーベル殺し」が楽しみで仕方ありません。

  • '21年7月29日、読了。

    「アリス」、「クララ」に続く、シリーズ三作目。今回も、とても面白かったです。「クララ」同様、種本「オズの魔法使い」は読んだ事ありませんでしたが…充分、楽しめました。

    これも「クララ」同様、小林泰三さんの他作品の登場人物が登場していた様ですが…僕の未読作だったようで、全くわかりませんでした。作中、チラッと「この作品からだよ」的なヒントはありましたが。(これも全く気付かなかったですが、ひょっとして「アリス」にも他作品から登場していたのかな?)

    シリーズ三作目、だからかな…ビルとオズの国の人達との会話が、ちょっとウザかった(。ŏ﹏ŏ)少し、飽きてきている?前二作では、むしろ楽しかったのに。
    代わりに、というか…登場人物(?)で、継ぎ接ぎ娘スクラップス(11章から登場!)が、とても可愛らしくて、可笑しかった!

    どれを読んでも楽しめる(今のところ読んだ作品は、ですが)小林泰三さんに、完全にハマりました!次は、何に行こうかな。

  • 前作より面白かった。
    このシリーズは次作もあるのかな。出たらまた読みたい。

  • アリス、クララに続くシリーズ三作目。久しぶりに読んだけどこの独特のセリフ、世界観、いいわ〜。入るまで少し苦痛やけど、世界に入ったらこのキャラたちじゃないと物足りなくなる感じ。

    今回私的に一番驚いたのは、「オズの魔法使い」がシリーズ一作目だったこと(そこ?(笑))児童文学に触れずに大人になったから、ほんまそこら辺無知で恥ずかしいんやけど、オズシリーズってけっこうたくさんでてるんやねぇ。
    登場人物が多いから不思議やったんやけど、解説で納得。
    オズシリーズ、少しずつ読んでいこうかな。

  • 小林先生の過去作品の登場人物が出てきたのは、思いもかけずにんまり。たまに出てくる物語に関係ないグロさもらしいっちゃらしい。トリックはわかりやすく読みやすい

  • 途中で読むのに間を空けてしまったのが失敗だった。登場人物が多く、世界がふたつあってややこしいので、そこらの関係を忘れてしまう前に一気読みすべき作品だった。

    世界観がすごく好きだった。オズマや魔法使い、グリンダの強者感が格好よく、周りのキャラクターも個性派揃いで面白い。絶対にこの世界には行きたくはないが。でもそれは元々「オズの魔法使い」にも登場する人物なのかなと思うと、この小説というよりも「オズの魔法使い」がすごいのかもしれない。もちろんその世界観をミステリー小説として成り立たせながら上手く表現している小林泰三先生もすごい。

    個人的にはスクラップスが好き。とても賢いのにあえてそれを隠してルンルンしていたり、地球では反面すごく大人しかったりするのが、ギャップがあってとても良い。賢くなると、逆にその時を楽しむためにすべてを捧げるようになるのかなというのはなんだか分かる気がした。

    そしてあとがきで小林泰三先生は2020年に亡くなっていたと知って悲しかった。もっと読んでみたかったなと思う。

  • むちゃくちゃ面白かったァ!
    早くティンカーベルよもうと思った。
    てかエムおばさんやったんか!存在を完全に忘れてた
    オズの魔法使いの話が私は知らなかったので、あーこういう話なんだーと思いながら読んだ。
    やっぱりこのシリーズグロい表現が多いからちょっとだけ怖かった('-' ).........。
    ビルが読むうちにだんだん可愛く思えてきた。最初アリスの時とかはアホなトカゲくらいにしか思ってなかったけど(実際そうだけど)今は可愛くてしかたない。
    ビル最後記憶消されなくてよかったー!水飲まなかったの偉い!
    ビル早く不思議の国にかえれたらいいなあ

  • グロかった。他の所でどろどろしすぎてビルの間抜けさが逆に安心した。
    トリック的には捻りはあまり無かったが、オズマの独裁政治がちょっとやりすぎというか、怖かった。
    あと登場人物多すぎなのでこのシリーズ読む時は紙に人物メモるのが個人的におすすめ。

  • 今まで1番グロい表現が多かった印象。
    今回は早々にそれぞれがアヴァタールを打ち明けたのでどんな勘違いさせられてるんだろう……?と読み進めたらまだ新しい2つの世界の使い方があったのか!という感じ。
    ビルがクララとドロシイの世界にいる間、アリスの世界にも存在しているのか、時系列というか世界の構造がラストの栗栖川の登場シーンでよく分からなくなった。
    ビルの話し方にも慣れて読みやすいし癖になる世界観があると思った

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著者プロフィール

1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2014年『アリス殺し』で啓文堂文芸書大賞受賞。その他、『大きな森の小さな密室』『密室・殺人』『肉食屋敷』『ウルトラマンF』『失われた過去と未来の犯罪』『人外サーカス』など著書多数。

「2023年 『人獣細工』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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