- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488025694
作品紹介・あらすじ
【第34回鮎川哲也賞受賞作】
投稿作であることも忘れ手に汗握った。
読者を没入させるストーリーテリングができる方だ
青崎有吾
とにかく書きっぷりが達者で、私は作品の半ばまで読んで
「これが今年の鮎川賞だな」と確信した
東川篤哉
良質なサスペンスドラマのように、主人公が歩みを進めるたびに
真相に近づいていく展開は見事のひと言
麻耶雄嵩
救急医・武田の元に搬送されてきた自身と瓜二つの溺死体。
彼はなぜ死んだのか、なぜ同じ顔をしているのか。
「俺たち」は誰なんだ。
現役医師が描く医療×本格ミステリ
第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作
救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第三十四回鮎川哲也賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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とにかく本作が私のSNSのオススメに出てくるので、すぐ買って読むことにしました。本作を読んでいる間、物語の展開にずっと心を鷲掴みにされてるような感覚で、とても引き込まれた作品でした。シンプルに面白かったです。
本作の主人公は救急救命医。ある日、その救命医のもとに自分と顔が瓜二つな水死体が運ばれてくる。その水死体と自分の関係性に興味をもった主人公は自分の出生を友人である医師とともに辿ることになる。その中で、自身の出生に違和感を感じていくというストーリー。
自分のそっくりさんが出てきて、物語が展開されるというお話はまぁ小説らしいなって思いながら、読み始めたのですが、医療知識の補足もあって設定に現実味を持たせているのがとても良かった点かなと思います。
また鮎川賞の選考員の方のコメントにもあるように、ストーリーテリング力が凄くて、とにかく読者の心を掴むのが上手い筆致だなと感じました。本作もたぶん、本屋大賞候補になるのかなと個人的には思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
みんな読んで!早くみんなで輪になって語り合おうー!!!って叫びたくなる本作。
医療ミステリは初挑戦だったが、するすると素麺を啜るように読み進めていく。中盤からリストにかけては一気読み!わんこ蕎麦を啜るようにだんだん苦しくなる。評判に負けない10月のラスト読了論に相応しい一作。
どうかネタバレを踏む前にみなさんが読むことができますようと、願わずにはいられない。
タイトルが読み終わったあとこんなに余韻を残す作品は今まで知らない。すごい作品と作家さんに出会ってしまった。-
2024/10/31
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頻繁に見かけるので手に取った一冊。
自分と瓜二つの死体、キュウキュウ12の謎。
密室あり謎解きありで正統派の推理ものでもありつつ、うーんそうきたか!そういう結末?!と唸るものがありました。
城崎のキャラで続編もありそうだけどどう繋ぐんだろ?
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えええ、これがデビュー作なのおおおお!!と、そのクオリティに舌を巻いた。
第34回鮎川哲也賞受賞作。
帯でも選考委員の先生方が絶賛しているし、収録されていた選評も興味深く読んだ。
しかし、何より本編。
「顔が瓜二つ」という現象は、医学素人にもその原理は想像がつくものの、むしろそのあとの展開こそが大切というか。『禁忌の子』ってそういう意味だったのね。
謎で畳み掛けてくるストーリーに、著者の職業に裏打ちされた医療用語や医療現場のリアリティが光る。
つい最近、朝井リョウの『生殖記』を読んだこともあり、図らずも生殖医療について思いを馳せたりした。
結末については「うーん……」とすっきりしないところもあるものの、さすが鮎哲賞というような面白いミステリが読めて楽しかった。来年の続編も早々に決まっているそうで、楽しみにしています。 -
#読書記録
#禁忌の子
評判通り一気読み。
フーダニット、ハウダニット、ホワイダニットの謎解きの王道と、リアルな医療現場ミステリが見事に両立。答えを予想すると上を行かれ、さらに予想するとさらにその上を行かれる。そして最後のタイトル伏線回収。
心地よい「やられた」を味わえる。人に勧めたくなる一冊。来年には続編が出るとのこと。楽しみ。
#読書好きな人と繋がりたい
#読了 -
読書記録73.
『#禁忌の子』
数ある積読を飛び越え、他の読書記録もすっ飛ばし
今、読み終えて記す
普段あまり読まないミステリ-
しかも現役女性医師による医療ミステリ-
後半の展開は関心を持って読むことが多いテーマで親子関係や生殖医療について
側面から語られる「その後」が悲しくて辛く、環境というものを深く考える
犯人に繋がる件も、読み手の思い込みと、その展開
タイトルに繋がるラストも圧巻
これ以上はネタバレしそうなので以下自粛
追記
鮎川哲也賞受書の言葉として作者が記した
「小説を再び描き始めた契機」を読み、改めて敬服
"男性から見ても彫刻のように整った美貌で謎を解き明かしていく"
『医師・城崎響介のケースファイル』
ミステリー界に新たなシリーズ誕生
今後の作品が今から待ち遠しい -
満場一致、頭ひとつ飛び抜けた作品の選評通りの作品でした。
ラストの個人感想は賛否分かれるかもしれませんが、それは感想だから否があって然りだけど本格ミステリかつ医療ミステリ作品としてミステリーが好きな人は読むべき一冊です。これミステリー好きな人で嫌いな人いないでしょ!
医療に関する情報がリアルなのはもちろん、揺れる感情と人の脆さ、倫理観などの描写が秀逸。文章のリズムと物語のスピード感が推進力になってページを捲る手が止まりませんでした。
帯の続編発表とあとがきでの発表との違いにも配慮があって、ぜひ巻末を先に捲らずに読んで欲しいです。 -
知り合いのデビュー作っていう贔屓目は抜きにしても凄い作品。ミステリ+医療に倫理的な背景や物語性を突き詰めたらこうなるのかってかんじ。この作品が凄すぎて次回のハードル上がりすぎて心配になるレベル。
発売1週間で重版決定らしいし確実に今読むべきミステリだと思う。 -
久しぶりに本格ミステリ作品に手を取りまして、事件の真相に辿り着いた時には、非常に度肝を抜かされまして見事な作品でした。
この様な素晴らしい本格ミステリ作品に出会えて良かったです。
シリーズ続編が凄く楽しみですね。