オーリエラントの魔道師たち

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 373
感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027155

作品紹介・あらすじ

それぞれに異なる四つの魔法にからむ、魔道師たちの物語四編を収録。『夜の写本師』で日本ファンタジーの歴史を変えた著者の初短編集。オーリエラントの魔道師シリーズ。

感想・レビュー・書評

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  • オーリエラント世界の短編集。収録順でみると、一冊目の『夜の写本師』とつながっていき、シリーズ本が輪になって循環しているようだ。今後も、オーリエラントの描かれていないところを埋めてくれる物語が書かれたら読みたい。

  • 「夜の写本師」「魔道師の月」「太陽の石」と続いたオーリエラントシリーズの4作目。今作は短編集です。
    連作短編集として糸が紡がれるように最後には大きな一本に繋がるのかな、と思いきや、
    巻末の年表によって、いずれの話もはるかな年月の隔たりがあり交錯する可能性がないことを教えられました。

    この短編集に出てくる主人公たちは皆、市井のひとびと。
    千年を超えるときの流れの中で、どの時代のひとたちもカラン麦のパンを食べ、葡萄酒や麦酒を飲み、セオル(外套)を巻きつけて暮らしている。
    多くは名もなきその他大勢で、歴史に名を残すことはない。そんな人々にスポットライトを当てた今回の短編集。慎ましやかに暮らしているその細部を鮮やかに描き出す筆致が、オーリエラント本編の物語の深みを与えていることは想像に容易い。
    いったい、乾石さんの頭のなかにはどんな世界が拡がっているんだろう。

    この中では「魔道写本師」の話が一番好き。
    イスルイールさんの堂々とした立ち居振る舞いがいいな。

    はやくシリーズ続刊の「沈黙の書」を読みたいと思わせる半面、またシリーズを最初から読みたくさせる短編集でもありました。
    いつかハードカバーで本棚に並べたいな。
    なんといってもこの本は、装丁にまでも、物語の世界は広がっているから。

  • 一冊で四つのおはなしが楽しめるメッチャおいしい一冊。
    どれも乾石ワールド全開!
    堪能させていただきました♪

    一番好きなのは「闇を抱く」だな。
    鋭い痛みの後、強い意志で立ち上がった女たち。
    魔術を禁じられた国で見つかったら自らが危ないことを
    知りつつ、男尊女卑の意識や、身分制度の柵の中で
    苦しむ女性たちを救い続ける。
    見つかったときのことも考えて用意周到に女三人、
    共犯者のようにいっそ楽しげに話しているシーンがとても好きだ。

    「紐結び」は楽しかった。
    あとがきで、乾石さんのインタビュー。魔法の種類を
    思いついたときの様子に、へえ、そーゆー感じで、あんな色とりどりの魔術が生まれてきたのかと思うと楽しくなった。
    結びの魔法でドーンドーンと水しぶき。
    結ばれたリボンを女性たちに褒められて気分よく笑ってるリコの笑顔が目に浮かぶよう。

    「黒蓮華」はすごかったー。
    いやあ、その黒い花の開く様子が!!
    さっすが乾石さん。ただ憎しみにかられる描写が、
    あれほど美しく描けるとは!!
    いやあ、すごいわあ。
    そして、その復讐を果たすとこまでいくんだからなあ。
    でも、その後のセブリウスたちの幸せそうな暮らしに
    ほっとする。

    「夜の写本」はきたー!って感じですね。
    イスルイールって、確かなんか聞いた名なんだが、
    「夜の写本師」に名前、でてきた、よな??
    うーん、イマイチ名前が頭に入りきってないが・・・。
    ま、まあ、4月に「夜の写本師」文庫がでるし。
    買ってまた読もう!!

    そしてあいかわらず、羽住さんの画の美麗なこと!!
    全くうっとりしちゃいますなー。

    それぞれのお話の最初のページに、その話をイメージさせる画が描かれている。
    一番好きなのは写本師の画。
    いやあ、ほんっとこの世界観にぴったり。ミュシャのえ画みたいで素敵です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「メッチャおいしい一冊。」
      早く読まなきゃ、、、
      「メッチャおいしい一冊。」
      早く読まなきゃ、、、
      2014/04/25
    • あこさん
      ぜひぜひ!! ><
      ぜひぜひ!! ><
      2014/04/28
  • それぞれに異なる四つの魔法にからむ、魔道師たちの物語四編を収録。『夜の写本師』で日本ファンタジーの歴史を変えた著者の初短編集。オーリエラントの魔道師シリーズ。

  • 紐結びの魔道師、闇を抱く、黒蓮華、魔道写本師の四短編集。それぞれ、違った魔法を使う魔道師の話である。

  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000124957

  • 夜の写本師以来のファン。ゲド戦記と似た、どこでもない外国の雰囲気が独特。魔法を使うのにそれぞれ独特の手順があるところが、ファンタジーなんだけど妙にリアル。

  • 夜の写本師から魔道士の月を経てこの本を読んだけど、むしろ短編のこの本の方が私は楽しく読めた感じ。テーマが重くないものがあったせいかもしれないけど面白かった。前2作の長編よりも登場人物の会話が楽しめる感じで良かった。

  • 短編4編。どの話も面白かった。「紐結びの魔道師」リクエンシス。湖畔に住むリコとエンス。「闇を抱く」苦しんでいる女性たちのために呪いを使う魔女の組織。女の嘘。「黒蓮花」これが一番好きだった。家族を殺された私の中に生まれた黒い蓮の花。蓮に群がる暗黒の蝶。復讐。蓮の根を焼く光。ラストが良かった。「魔道写本師」ギネスディンの魔法。

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著者プロフィール

山形県生まれ。山形大学卒業。1999年、教育総研ファンタジー大賞を受賞。『夜の写本師』からはじまる〈オーリエラントの魔道師〉シリーズをはじめ、緻密かつスケールの大きい物語世界を生み出すハイ・ファンタジーの書き手として、読者から絶大な支持を集める。他の著書に「紐結びの魔道師」3部作(東京創元社)、『竜鏡の占人 リオランの鏡』(角川文庫)、『闇の虹水晶』(創元推理文庫)など。

「2019年 『炎のタペストリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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