水族館の殺人

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 502
レビュー : 87
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027216

作品紹介・あらすじ

夏休み、新聞部の向坂香織は、取材で訪れた丸美水族館で殺人事件に巻き込まれる。観客の目の前で堂々と行われた事件に警察はお手上げ。仕方なく警察はあの天才を呼びだすことに。

感想・レビュー・書評

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  • 水族館好きなのでタイトル借りしたら、シリーズ2作目でした。
    でも、気にせず読むことに(笑)

    まずは一言。

    ラノベちっくなキャラと文体に騙されちゃいけません!

    そんなこと書かなくても一冊目から読んでる人は知ってるよー、と思っても書かずにはいられない。がっつりロジカルな本格ミステリ。

    水族館で起こった殺人事件。遺体はレモンザメの水槽に落ち、無残な姿に……という少々ショッキングな事件を、ちょっと変わった高校生探偵・裏染天馬が(嫌々)(エアコンのために)解決に乗り出す。容疑者の数、なんと最大で11人(!)。

    証言や現場の状況だけで組み立てられていく推論も鮮やかだし、容疑者が絞られ→ひっくり返り→振り出しに戻る、の、お約束のあとの仮説をひとつひとつ潰していく手法も、好感度大。検証の場面は(方法はともあれ)とても丁寧。
    キィアイテムは何度も示唆されるけれど謎解きに結び付けることはできず、頭を捻りつつ読むのが楽しい。
    そして、待ってましたの関係者全員を集めての謎解き!とくれば、ワクワクせずにはいられない。
    ただ、犯人の動機がイマイチ納得できなくて、犯さないでいい殺人だった気持ちが拭えない。(犯していい殺人もないのだけれど)

    天馬と、彼を事件解決に引っ張り出す柚乃(ゆの)、幼馴染の新聞部部長たちとの会話も軽く楽しい。アニメネタやオタクネタも許容範囲。なにより、がっつりロジックパズル。
    このシリーズは追いかけます。

  • 面白かった。
    親子で楽しめた

  • 体育館の殺人に続くシリーズもの。そう言ってしまってもいいんじゃないか?
    ふざけたなかでもこの構築の術はどう?

  • 天才高校生探偵「裏染天馬シリーズ」第二弾。

    冒頭------
     それが取るに足らない日常の中の事件であることも、歯牙にもかけず放っておけばいい馬鹿らしい部類の話であることも、袴田柚乃にはよくわかっていた。わかってはいても、やりすごすことができなかった。何とかしないと気が済まない。そういう性格だった。
     女子卓球部の部室に起きた、小さな異変。

    第一作「体育館の殺人」に続く“館”は何かと思ったら、水族館であった。

    さすがに、デビュー作より文章がこなれ、登場人物が多いにも拘らず、
    キャラ立てがしっかりしてきた。
    ストーリーや謎解きも、前作より凝った仕掛けが施されており、だいぶブラッシュアップされてきた。

    水族館で働く職員が殺害されサメに喰われてしまうという、映像化したらかなりショッキングな話だが、相変わらず水族館の関係者や事件に関わる高校生は脳天気な行動やお喋りに終始し、まるでお祭り騒ぎで楽しんでいるみたいだ。
    このあたりの登場人物のリアリティの希薄感は、前作同様に違和感が残る。

    だが、これがこの作者の持ち味なのかもしれないと思うようになった。
    少しコミカルに仕立て、おどろおどろしい殺人事件にならないのが、逆に軽く読める要因なのかもしれない。
    水族館という舞台も、夏の気持ちよさを演出するのに一役買っている。

    というわけで、殺人事件にも拘わらず、犯人が身内の誰かであるにも拘らず、登場人物たちのお気楽な立ち居振る舞いには目をつぶるとしよう。
    そこさえクリアすれば、最後まで一気に読ませる作品だ。

    それともう一点、容疑者のアリバイやハウダニットなどについては細かく練られた作品だと思うが、やはりホワイダニットは弱い気がする。
    それは、前作でも感じたことだ。
    謎解きに重きを置いた本格推理という名のミステリー全般に共通することかもしれないが、社会性と殺人の動機がもう一つ読者を納得させるだけの内容であれば、文句のつけようはないのだが。
    それでも、夏のひとときをミステリーで暇つぶししたい方には、まずまず面白い作品だと思う。

  • シリーズ2作目。

    タイトルの通り水族館の殺人事件に、高校生ダメ人間・裏染天馬が挑みます。

    巨大なサメの水槽に飼育員の雨宮が落下、衆人環視の中で上半身をサメに食べられるというショッキングな幕開けです。
    事件は派手ですが、本編はロジック重視の手堅い本格ミステリで解決シーンは圧巻です。

    一面血の海、紙が散乱し足跡があるなど異様でごちゃごちゃしている現場に混乱しましたが、ひとつひとつ手掛かりを拾って推理を展開し、犯人の行動が詳らかになるのは爽快。

    早々にトリックを明らかにしたり探偵役がその時々の推理を開示したりと、途中飽きさせないのもうれしい。だからといって終盤の怒涛の謎解きの勢いも削いでいません。
    探偵役の思考過程が後あと分かると、一切無駄のない行動をしていたと気づきます。
    明白であっても可能性がある限り逐一検討して潰していく丁寧さは楽しかったです。

    水族館という特殊な場所ならではの殺人と動機も良い演出。明るく爽やかな舞台裏の暗さを覗いた、苦味の残るラストとなったのも印象的です。

    未だ登場人物たちに愛着が持てないのが残念ですが、今作は卓球の試合など高校生活の描写もあったので、今後そのあたりが充実していくとシリーズとして楽しみが増すのかも。

  • 裏染天馬シリーズ(あるいは青崎館)2作目。随所に放り込まれるサブカルチャーネタが笑える(分からないのもあるが)。今回はアリバイ崩しもの。これがパズラーと言う物だろうか。犯人を特定する最後の条件となった○○(文字数とは関係無し)には気付けなかったが読み返してみるとさりげなく提示されている。条件を1つ1つ積み上げて犯人を絞っていく過程は読んでいてわくわくさせられた。裏染自身の謎についても今回は少し触れられたのでシリーズを通して徐々に明かされていくと予想。

  • シリーズ二作目。今回の舞台は、タイトル通り水族館。変な仕掛けやら何やらがあるわけではない(笑)、いたって普通の水族館です。しかし事件はド派手! このシーンはなかなかに衝撃的でインパクト大。
    そしてそこから繰り広げられる推理。些細な問題点から徐々に範囲を狭めていくのはまさしく本格! 緻密な論理にわくわくさせられます。でもユーモラスな読み心地でさくさく読み進める面もあり。
    犯人の動機に驚嘆。うわあ、まさかそんな狙いがあっただなんて!

  •  高校の新聞部が取材のために訪れた水族館で、飼育員がサメにかみ殺された。事故ではなく、事件の可能性が高いが、容疑者にはアリバイが…。『体育館の殺人』『水族館の殺人』『風ケ丘五十円玉祭りの謎』『図書館の殺人』と続く、天才ダメ人間高校生探偵・裏染天馬のシリーズの2巻目です。
    (YA担当/なこ)平成30年10月の特集「ミステリーを読もう」

  •  水族館でサメが飼育員に食い付く、てかなりショッキングな光景だな、と。
     現実世界では、たまに動物園でライオンとかが飼育員に噛み付くとかあるけど、サメが、て。

     ホントに最後の最後まで犯人が指摘されず、結構じりじりしながら読みました。
     動機とか、マジか、て感じです。

  • 地元の水族館で発生した殺人事件。これを高校生探偵が解決する。探偵役の裏染天馬が活躍するシリーズの第2弾。本格推理小説ということで、読みながら自分も謎解きに参加できる。ある程度まで犯人やトリックの目星はつくものの、決定的な推理はできない(自分だけ?)。登場人物(被疑者)が多いので、アリバイが成立しているかどうかも分かりずらく、要所で天馬がさりげなく整理するのは読者サービスのひとつなのかもしれない。全体的に軽いトーンで話が進み、でも推理は本格で、そのギャップが面白い。

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著者プロフィール

青崎 有吾(あおさき ゆうご)
1991年神奈川県生まれ。明治大学文学部卒業。2012年、『体育館の殺人』(東京創元社)で第22回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。続く『水族館の殺人』が第14回本格ミステリ大賞(小説部門)の候補となる。同シリーズは、短編集の『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』へと続き、「裏染天馬」シリーズとして人気となる。平成のクイーンと呼ばれる端正かつ流麗なロジックと、魅力的なキャラクターが持ち味で、新時代の本格ミステリ作家として注目される。

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