ねじまき片想い (~おもちゃプランナー・宝子の冒険~)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 1561
レビュー : 235
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027346

感想・レビュー・書評

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  • 予想よりもとても良かった。
    人の感情の描写がとても素敵に描かれている、自分でうまく表現できなかった感情をとてもすんなりと描いていて、ああそうなんだよ〜と思えるところがたくさんあった。

    宝子というとても個性的な愛らしいキャラ。毎日全力で生きている。そしてまっすぐ。魅力的。
    自分の中がとても豊かで満たされているから他人に対し惜しみなく差し出せる。
    全てとはいわないけど、見習いたいポイント。

    ネジは自分で巻かなきゃだめ。となんども出てくるフレーズ。そうだよな〜って思ったり、そうなのだろうか、と思ったり、その時の心境によって変わるような言葉だった。
    最後がちょっとハッピーエンドすぎて軽く感じちゃったけど、気持ち良く読めたかな❤️

  • おもちゃプランナーこじらせ女子、宝子さんの片思いが描かれた作品。ただ、好きなダメ男西島さんの気持ちが強過ぎて探偵、ストーカーじみた行動に出てしまう。
    宝子さんを好きだったレズの玲奈の、「1人で人生を回転させていけるのは、心が豊かな証し、人に与えても、すり減らない」って宝子さんに贈った言葉がすごく良かった。
    みんな片思いだったからラストは、みんながハッピーになってほしかったな。
    刑事と一緒になってほしかった!

  • 浅草にある老舗おもちゃメーカー「ローレライ」でプランナーとして働く宝子。

    仕事上では敏腕プランナーとして、ヒット商品をいくつも開発している宝子だが、プライベートでは取引先のフリーデザイナー・西島に五年も片想い。

    宝子も自分に自信がないのか、この関係が壊れるのが怖いと告白する勇気もない。

    ここまで見ると、普通の恋愛小説にも見えるが、この宝子、自分の片想い以外のことなら行動力を発揮する。

    謎の貯水槽設置のため、西島の部屋からの眺めが悪くなったと聞けば、彼のために設置の理由を調べあげ、その裏に隠された事件を解決。

    西島の思い出の品が盗まれれば、その犯人を見つけ出し、交渉してしまう。

    その行動力、告白に使った方が楽じゃないか?と思ってしまうくらい。

    最後は宝子自身の成長も見えて、普通の恋愛小説はあまり好きじゃない私にも楽しく読めたけど。


    収録作品:スカイツリーを君と 三社祭でまちあわせ 花やしきでもう一度 花火大会で恋泥棒 あなたもカーニバル

  • 敏腕玩具プランナー富田宝子は、トラブルに巻き込まれる万年片想いの彼のため、密かに解決するのだった。純粋だけど執着的、柚木さん得意のめんどくさい女子、でもそれが女子の気持ちを脚色した実体なのかな。宝子の勤める会社はバンダイ本社がモデル、富田宝子って、タカラトミーのもじりですね。そして、柚木さんの『魔法使いの心友』、そのキャラクター『モフ』が登場、ガツガツ推してくるさまに苦笑いも。さらっとドラマやマンガ向きなストーリーですが、恋に仕事に悩む女性をそっと応援するのが柚木さんらしいですね。

  • 2014.11.26宝子はおもちゃ会社で活躍する油が乗った若きプランナー。宝子乗った頭の中には次々、おもちゃのアイディアがあふれ、上司、道理、後輩からも一目おかれている。しかし、宝子には誰もが知っていながら本人は気付かれていると思っていない恋をしていた。それも片想い。仕事ができ、容姿も可愛い宝子だったが、片想いの相手西島の前では想いを伝えるどころか、仕事以外に親しくすることもできない。西島のことを思うあまり、さまざまな事件に巻き込まれていく。

    文句なく面白かった。おもちゃ会社のお仕事小説としても楽しめた。できる社員でありながら、西島の前では不器用で、滑稽と思えるような事件の巻き込まれ方をする宝子のことが愛しく、そして笑えた。宝子の想いがある意味かなってからの心の移ろいもリアルでよくわかった。時に東川篤哉さん風のユーモアミステリを読むみたいなところもあり楽しめた。

  • 柚木麻子さんの最新作です。
    さらりと読める、さわやかな物語。面白く読んだ。

    恋愛小説でもあり、主人公・宝子の成長物語でもあり、ちょっとしたミステリでもあり。
    おもちゃ会社の面々をはじめ、登場人物が実に個性的。
    宝子が西島さんに惚れる気持ちはわかるなーと思ってしまった。あの力抜けてる感じが良いんだよね。
    28歳の片想い、ということですが、共感できる人はとても共感できるツボを押さえてるんじゃないかしら(わたしはそうでもなかったけれど)。
    後輩のミカちゃんがかわいい。

  • 【おすすめ♡】今年28冊目。
    登場人物も、ストーリーも、装丁もめっちゃかわいくて、かなり好き。いつから私はかわいいもの好きになったんだ。
    どう考えても探偵に扮するには無理がある敏腕おもちゃプランナー・宝子が、片想い相手に降りかかるピンチを救うため、SPよろしく奮闘するお話。
    その過程で、自分の生き方を問い直したり、取り巻く環境に変化があったりして、ふんわり天然キャラからひとりの女性、社会人として成長していく。
    そんなうまくいくかいな!とつっこみたくなる展開だけど、ゆるく読むにはこれくらいがちょうど良いかも。
    ただ、終末にむかうにつれて、それぞれの感情や立ち位置がリアルになっていくのが◎。
    妙に共感したり、ハラハラしたり、ドキドキしたり、とてもたのしく読めた。

  • 28歳の純愛片思い胸キュン小説…と思いきや!w
    どこから見ても謎解きにはふさわしくないキャラの「探偵」宝子、いいねぇ、ぜひともシリーズ化していただきたい、と思いながら読んでいたら、やはりそこは柚木さん。女の成長をちゃんと描いてありました。
    一途にひたすら片思いをし続けている彼女が、予想外に事件を解決(もしくは未然に防ぐ)していく。
    恋する気持ちのなんと偉大なことか。けど、アラサーの階段を上りきったときに、新しい世界に向けて脱皮する必要があるのかもしれない。それにしても玲奈、カッコいいなぁ。友達になりたいよ。

  • 1年にも満たない短い期間だったけど、墨田区に住んでた頃を思い出してこの世界にぐっと入り込めたし、あの辺、いい町だったよなあ、って改めて思った。私が住んでた部屋からも、ベランダに出るとスカイツリー見えた。さすがに船に乗って通勤しようと思ったことはなかったけど…。でも一度乗ればよかった。いやまだ遅くないか。
    めちゃくちゃ大変だけど自分に向いていてやりがいのあること。食っていけないけどやりたいこと。やりたかったけど諦めたこと。仕事って様々ですね。独特なおもちゃプランナーという仕事の話とピュアで(アラサーにしてはかなり)幼いラブストーリーに、ちょうどいいミステリー。個人的には目黒警部補と宝子さんがくっついてほしかったな。面白かったです。

  • 自分が自分らしく生きていくのって難しいけど、この主人公はそれが出来てるし、自分が持ってるものを惜しみなく人に与えられるのはすごいと思った。ただ、重い。笑
    形じゃなくて内側からネジを巻くように関係を築いていくのは、大切なことだなと私も思った。

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著者プロフィール

柚木麻子(ゆづき あさこ)
1981年、東京都生まれの小説家。立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞し、2010念二同作を含む初の単行本『終点のあの子』を刊行。2014年に『本屋さんのダイアナ』で第3回静岡書店大賞小説部門受賞。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞受賞、直木賞候補に。2017年『BUTTER』で直木賞候補。2019年、『マジカルグランマ』が第161回直木賞候補となる。

柚木麻子の作品

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