ねじまき片想い (~おもちゃプランナー・宝子の冒険~)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 1561
レビュー : 235
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027346

感想・レビュー・書評

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  • *おもちゃプランナー富田宝子、28歳。片想い中の西島のため、SP気分で彼に降りかかるトラブルを密かに解決していく。女子への応援賛歌がたっぷり詰まった栄養満点小説*
    乙女な可愛さ全開の、とってもキュートなお話でした!この片思いは誰にも気づかれていないと思い込んでる宝子、そんな宝子をやきもきと見守る会社の面々がもう素敵過ぎてツボ。対する西島のダメ男っぷりもいい。恋に猪突猛進過ぎて、事件を次々と解決する展開も面白かった。やや唐突過ぎる感はあるものの、ラストのふっきれた宝子もきらきらしていて良かった。さらっと読めて、楽しくなれる読後感です。

  • 玩具が大好きで玩具メーカーで開発を行っている内向的だけど片想いをパワーにしている女性の物語。探偵ものと恋愛が半々ぐらい。自己完結しちゃうからうまくいかないっていう部分はよく分かる。人の目とか型にはまった幸せじゃなくて、そのままでいいと思とて軽く楽しく生きてく姿にさわやかな読了感。

  • 予想よりもとても良かった。
    人の感情の描写がとても素敵に描かれている、自分でうまく表現できなかった感情をとてもすんなりと描いていて、ああそうなんだよ〜と思えるところがたくさんあった。

    宝子というとても個性的な愛らしいキャラ。毎日全力で生きている。そしてまっすぐ。魅力的。
    自分の中がとても豊かで満たされているから他人に対し惜しみなく差し出せる。
    全てとはいわないけど、見習いたいポイント。

    ネジは自分で巻かなきゃだめ。となんども出てくるフレーズ。そうだよな〜って思ったり、そうなのだろうか、と思ったり、その時の心境によって変わるような言葉だった。
    最後がちょっとハッピーエンドすぎて軽く感じちゃったけど、気持ち良く読めたかな❤️

  • 浅草にある老舗おもちゃメーカー「ローレライ」でプランナーとして働く宝子。

    仕事上では敏腕プランナーとして、ヒット商品をいくつも開発している宝子だが、プライベートでは取引先のフリーデザイナー・西島に五年も片想い。

    宝子も自分に自信がないのか、この関係が壊れるのが怖いと告白する勇気もない。

    ここまで見ると、普通の恋愛小説にも見えるが、この宝子、自分の片想い以外のことなら行動力を発揮する。

    謎の貯水槽設置のため、西島の部屋からの眺めが悪くなったと聞けば、彼のために設置の理由を調べあげ、その裏に隠された事件を解決。

    西島の思い出の品が盗まれれば、その犯人を見つけ出し、交渉してしまう。

    その行動力、告白に使った方が楽じゃないか?と思ってしまうくらい。

    最後は宝子自身の成長も見えて、普通の恋愛小説はあまり好きじゃない私にも楽しく読めたけど。


    収録作品:スカイツリーを君と 三社祭でまちあわせ 花やしきでもう一度 花火大会で恋泥棒 あなたもカーニバル

  • 1年にも満たない短い期間だったけど、墨田区に住んでた頃を思い出してこの世界にぐっと入り込めたし、あの辺、いい町だったよなあ、って改めて思った。私が住んでた部屋からも、ベランダに出るとスカイツリー見えた。さすがに船に乗って通勤しようと思ったことはなかったけど…。でも一度乗ればよかった。いやまだ遅くないか。
    めちゃくちゃ大変だけど自分に向いていてやりがいのあること。食っていけないけどやりたいこと。やりたかったけど諦めたこと。仕事って様々ですね。独特なおもちゃプランナーという仕事の話とピュアで(アラサーにしてはかなり)幼いラブストーリーに、ちょうどいいミステリー。個人的には目黒警部補と宝子さんがくっついてほしかったな。面白かったです。

  • おもちゃプランナーの宝子の片思い話だけでなくミステリーあり人間模様ありで、一気に読める。

  • 片想いのプロ、富田宝子が想いを寄せるデザイナーの西島のためにおもちゃ探偵として活躍する短編集。

    舞台はバンダイだけど名前はタカラトミー。笑
    柚木先生が描く女性はパワフルで読んでいて気持ちがいい。

    自分の心にねじを巻いてくれるのは自分だけ。

  • 「自分の心にねじを巻いてくれるのは自分だけ」

    このフレーズが心にストンと落ちてきました
    小さな感動の波がいくつも寄せては返す心地よさに浸りながら読みました
    登場人物がみんな優しい
    柚木麻子さんの描写にはいつも引き込まれてしまいます

    この本では、装丁も自分のツボにはまりました
    刺繍のモチーフがひとつひとつ可愛らしくて、見ているとわくわくしてきます

  • 単なる恋愛話しではなく、ちょっとした事件もあって面白かった。
    職場の人達もみんな良い人で楽しそう。
    宝子さんの一途な思い。ちょっと重いところ共感できる。
    ラストでいい関係になれそうなので良かった。

  • 柚木麻子さんの本、今のところ数冊読んだ時点ではハズレがないな〜〜、これも好き。軽快かつ丁寧な描写なんだけど、キャラクターは結構性格は拗らせてたりして笑、だめな人だなあとか、面倒な人だなあと呆れつつもまっすぐな気持ちの描写に愛おしくなってしまう。

    もちろんこんな才能豊かでは全然ないんだけど、わりとわたしも自分の生み出すエネルギーで走っていくところあるので、そこを共感したり、一方で内向的なところは自分とはまったく違うので、しょうがないなあもう、と思ってみたり。

    片思い、特に長期間の片思いは本当にエゴの塊で、その気持ちはとても良くわかる。良い影響と悪い影響ならもしかしたら悪い影響が大きいのかもしれない。けれど、好きだなって思う気持ちは、やっぱりきらきらしていて、それを大切にできる自分でいたいなあと、思えるお話でした。

著者プロフィール

柚木麻子(ゆづき あさこ)
1981年、東京都生まれの小説家。立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞し、2010念二同作を含む初の単行本『終点のあの子』を刊行。2014年に『本屋さんのダイアナ』で第3回静岡書店大賞小説部門受賞。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞受賞、直木賞候補に。2017年『BUTTER』で直木賞候補。2019年、『マジカルグランマ』が第161回直木賞候補となる。

柚木麻子の作品

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