ダブル・ミステリ (月琴亭の殺人/ノンシリアル・キラー)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 111
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027414

作品紹介・あらすじ

名探偵・森江春策が〈日本のモン・サン・ミッシェル〉に聳える館で遭遇した殺人を解き明かす王道の犯人当て「月琴亭の殺人」。元恋人の死をきっかけに、殺人とも事故ともつかない不気味な事件の連鎖に気がついたジャーナリストの捜査行を描くサスペンス「ノンシリアル・キラー」。前者は縦書きの右綴じ、後者は横書きの左綴じ、つまり一冊の本の前からも後ろからも読めるのです――驚愕の解決篇は、本の中央にある「袋とじ」を切ってお確かめ下さい。本格ミステリの極限に挑む、芦辺拓一世一代の大仕掛け!

感想・レビュー・書評

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  • 左右両開き。どちらから読んでも袋とじで解決。

  • 人は多面性のある生き物だ。
    同じ人間でも、ある人にとってはこの上もなく親切で善良な人であり、ある人にとっても冷酷無比を絵に描いたように鬼のような人かもしれない。

    「月琴亭の殺人」では、弁護士である森江が偽の招待状で月琴亭におびき出されるところから始まる。
    そこで森江は、かつて苦々しい思いをした裁判関係者と再会する。
    森江の他にも偽の招待状で館に集められたのは5名の男女。
    状況的に大きな密室となってしまった館で殺人事件が起きてしまう。
    「ノンシリアル・キラー」ではある人間が綴るブログに書かれた記事が描かれている。
    電車内のトラブルで死亡してしまった女性にまつわる記事は、ある人への深い感謝と、どこの誰ともわからない人間への怨みが込められていた。
    解決篇では、ふたつの物語を結びつける事実が明らかにされていく。
    善良なだけの人間もいないかわりに、悪意だけの人間もいないのでは・・・と思う。
    理不尽に虐げられた思いは、やがて危険な方向へと人を突き動かしていく。
    どこが?と聞かれると困ってしまうのだけれど、何とも既視感のある物語だった。

  • ふたつの不幸な出来事が重なる時…

  • ※図書館

  • 本の前後両方から別々の物語を読み、真ん中の袋とじでその二つが合体した解決編という面白い仕掛け本。後ろから読む話はウェブページという設定で横書きである。
    心意気のわりにミステリとしての驚きは微妙だが、人間の二面性が面白かった。
    これ、電書もあるようだがどうなってるんだろう。

  • ミステリ2作品が前後に分かれて収容されており、解決編は袋綴じ。ミステリ好きには堪らない装丁になっている。
    面白い設定であり解決編もそれに基づいた趣向になっている。意外な犯人ではあるが片方を読んだだけでは解らない点にアンフェア感がある。
    充分に楽しめる内容ではある。

  • 平成29年12月23日読了

  • 「月琴亭の殺人」と「ノンシリアル・キラー」の二本立て……というか、二作品で一つの作品。まさしく一作でダブルに楽しめちゃうミステリです。
    実をいうと、これはそれぞれのパートだけでも事件としては成り立つのだけれど。ミステリとしてはとことんアンフェアです。だからこその、ラストでのあの袋とじなのですねえ。二つの事件が見事に結びついた解決篇にどきどき。なんとなーくというレベルでは二つの事件のつながりがわかったものの、そういう構図になっていたとは。

  • ブクログの献本でいただいた作品です!
    前からも後ろからも読めるのが特徴の本。本自体に仕掛けがあるのが面白いと思いました。
    電子書籍で発売される作品が増えたりしていますが、「ダブル・ミステリ」のように仕掛けがあると本を実際に手に取ってみたくなる気がします。
    物語は面白かったけれど、少し物足りなかった感じが…。けれど、仕掛けのある作品は見ているとワクワクするので、読めてよかったなあと思います。

  • ミステリ。サスペンス。
    前からも後ろからも読める本。折原一さんの『黒い森』を読んで以来。
    前から読むと孤島もののミステリ。後ろから読むと社会派サスペンス。真ん中の解決篇でリンク。
    それぞれの事件は正直たいしたことないが、こういう意欲的な作品は好み。

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著者プロフィール

1958年大阪市生まれ。同志社大学卒業。読売新聞記者を経て、『殺人喜劇の13人』で第1回鮎川哲也賞を受賞。主に本格ミステリーを執筆しつつ、ジュヴナイルやアンソロジー編纂・編訳も手掛ける。

「2019年 『十五少年漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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