鵺の家

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 301
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027483

作品紹介・あらすじ

茜は豪商天鵺家の後継ぎ、鷹丸の遊び相手として迎え入れられる。数々のしきたり、異様に虫を恐れる人々、鳥女と呼ばれる守り神。茜がようやく慣れてきた矢先、屋敷の背後に広がる黒い森から鷹丸の命を狙って人ならぬものが襲撃してくる。それは、かつて魔物に捧げられた天鵺家の女、揚羽姫の怨霊だった。一族の負の鎖を断ち切るため、茜と鷹丸は森へ向かう。『送り人の娘』『ふしぎ駄菓子屋銭天堂』で人気の著者の時代ファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 呪われた一族天鵺家が,跡継ぎを守るため茜を騙して魔物の餌食にしようとした事は不快だが,巣籠の夜を生き延びた茜は逞しい。

  • 不気味ですね。あの一家。
    なんだか人の『闇』を感じました。

    『雛里』が『茜』のために走っていったところが良かったです。主を守ること以外の行動をすると激痛を感じるのに、ちょっと動いただけでめっちゃ痛いのに、走るなんて絶対痛い。なのに『茜』のことを考えて走ったのは感動しました!

    面白くてすぐに読めるのでおすすめです。

  • 978-4-488-02748-3
    C0093¥1600E.

    2015年6月26日 初版

    著者:廣嶋玲子 (ひろしま れいこ)
    発行所:株式会社東京創元社

    装画:丹地陽子(たんじ ようこ)
    -------------------
    カバー袖より
    茜は跡継ぎの鷹丸の遊び相手として、豪商天鵺家の養女となる。
    数々の謎めいたしきたり、異様に虫を恐れる人々、鳥女と呼ばれる少女の姿をした守り神。奇妙な日常に茜がようやく慣れてきた矢先、屋敷の背後に広がる黒羽の森から鷹丸の命を狙って人ならぬものが襲撃してくる。
    それはかつて魔物にささげられた天鵺家の娘、揚羽姫の怨霊だった。
    このままでは鷹丸が犠牲になってしまう!
    一族の負の連鎖を断ち切るため、茜は魔物に立ち向かう決心をするが…。
    -----------

    沖野茜 明るく活発な少女 13歳
    天鵺鷹丸 天鵺家の跡取り息子 13歳
    天鵺燕堂 天鵺家の当主、鷹丸の祖父
    天鵺椋彦 鷹丸の父
    天鵺ぬい 鷹丸の義理の母
    天鵺千鳥 鷹丸のおば
    天鵺こるり 千鳥の娘、故人
    静江 天鵺家の使用人、鷹丸の世話係
    沖野雄一郎 茜の長兄・軍人になるための学校
    沖野宗次 茜の次兄・学者になるための学校
    雛里 鷹丸を守る鳥女
    揚羽姫 黒羽の森の化け物
    -----------------------------
    手にした理由
    廣嶋玲子さんの作品だったので。
    266ページ、前書きもあとがきもなく、作品のみで、章立ても無し。
    人物紹介があったのでメモしましたが、どんな作品になるでしょう?廣嶋玲子さんの作品で、「決定的な憎むべき悪者」を知りませんが、今回は「守る」役と「化け物」がいるので対立の図がありそうです。
    同じ本のレビュアーさんたちを覗くと、ホラーの要素もあるみたい。怖いのか・・、怖いやつなんだな?それでは、時間のまとまって取れるときに、一気に読まないとだめかな・・。

    「天鵺家始記録」
    天鵺家五代目当主 雀右衛門(じゃくえもん)
    我が先祖は、もともとは奥州に栄氏豪族なり。戦のころ落ちぶれて、あちこちを彷徨い、現在森の近くに野営した。
    天鵺源太郎 25歳 初代 食料のために森に入り、虹の繭を見つけたが、森の主(魔物)に見つかり、結局一族のために妹の揚羽姫を魔物捧げた。魔物は約束を守り、以来、絹を履く幼虫をもって、一族はこの地に根付き財を築くことになる。…。

    -------------------------
    後半、畳みかけるように、一族の過去と関係者と、実は関係者ってのが絡んでくる。
    テンポよく無駄な配置もなく、よどみなく物語は加速していく。
    コーナーから、トルクをかけて加速し立ち上がって走り抜けてゆく感じ。

    多分一番、気持ちいいというか、希望を託せる終わり方。読み終わって「よかった~」って思ってすぐに、うまいなーって思う。

    この作品は、登場しているキャラがどう絡んでいるのかがキモなので、そのあたりはメモへ

  • 濃密なホラーファンタジーでした。
    虫苦手なので、途中引き気味になったけど、まっすぐ素直な鷹丸と茜に光を見出しながら読み進められて、読みやすかった。
    でも、二人以上に雛里がひたすら印象深く残る。
    今後が気になるところだけど、希望が感じられるラストにホッとした。

  • 読みやすく1日で読了。児童図書のような気もするが一般書架に置いてある。

    呪われた森に行くまでは丁寧に描写されていたが森に入ってから揚羽姫に会うまでの描写が駆け足のような気もする。
    静江と若様との関係も詳しく書いて上下2冊でもよかった気もする。
    物足りないくらいが自分で話を展開できるので脳内に残るしオリジナルのストーリーができる醍醐味なのかな。

  • 妖魔の森の傍にある天鵺家。病弱な跡取り息子の遊び相手として養女になった茜。不思議な習慣、儀式、人間関係にとまどう茜だが、天鵺家の秘密を知り、危地に陥る。茜も良い子だし、雛里も良いが、個人的には千鳥さんが好き。

  • この著者の作品を読むのは4冊目。
    4冊の中では1番面白いと感じました。
    物語全体に漂う禍々しいような神秘的な雰囲気がとてもよいです。世界観を広げすぎていないのが成功の理由の一つだと思います。閉塞的な空間であるからこその恐ろしさがうまく描かれているように感じました。話の辻褄や盛り上がり、子供と大人、それぞれの立場などがしっかりしています。時代設定などもちょうどぴったり作品にハマった感じがします。
    一つだけ、最後、鷹丸の父親や継母、家計がどうなったのかが気になります。結構厳しい問題だよな…と。天鵺家の今後が何か他の書籍などでチラッと描かれていたら面白いなと思ってしまいました。

  • 面白かった。ちょっとホラーのようだった。粘っこい、どこかにありそうな呪われた家のお話だった。
    これからどうなるのかが少し心配ですけれど、きっと鷹丸は天鵺家を立て直していくと思います。
    ただ、静江が母親だということを知ることはあるのだろうか。結構あっさり眠ってくれましたね。
    茜のお兄さんたちがちょっと活躍するのかな?と思ったけどしなかったのが軽く残念だった。

  • ホラーファンタジー。
    嫡男である鷹丸を邪悪な森から守る為あらゆる手を使う夜鵺家。遊び相手として呼ばれた筈の茜は養女とされ邪悪なモノと相見える。
    旧家の閉塞感や独善的な所などよくある設定ではあるが鷹丸と茜が良く書かれていて面白い。ホラー要素は不気味さが物足りない。オチはまるで少年漫画のようで興醒めだった。

  • ファンタジーなのにホラー。
    マンガをさらっと眺めるような感じで読み終えました。
    もっとドロドロしててもいいし、もっと怖がらせてくれてもいいし、もっと難解な闇を見せてくれてもよかった~
    謎も不気味さも怖さも不思議さもほどほど。ヤングアダルトのジャンルならこれでもいいのかも。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。『水妖の森』で第4回ジュニア冒険小説大賞、『狐霊の檻』で第34回うつのみやこども賞受賞。作品に『送り人の娘』、『おっちょこ魔女先生』、『盗角妖伝』、「怪奇漢方桃印」シリーズ、「秘密に満ちた魔石館」シリーズ、「十年屋」シリーズ、「鬼遊び」シリーズ、「妖怪の子預かります」シリーズなどがある。

「2023年 『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂1・2・3(3冊セット)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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